2005年4月16日(土)にアムネスティインターナショナル日本支部総会の記念講演会で横浜の港診療所の山村淳平医師により
「破壊される心と身体法務省入管施設での在日難民、在日外国人医療実態」と題して講演が行われた。
その実態は余りにも人々に知らされていないと強く感じたのでここに少し書きたいと思った。又、入管施設での在日外国人、難民の医療について調べ取りくんでいる医師は日本で山村先生一人ということに強い驚きを覚えた。
山村先生は2001年10月から2004年9月にかけて牛久の入管収容所に通い被収容者104名に面会し聞き取り調査を行った。
山村先生は海外での難民救援活動に何度も参加されてい、そのことが日本での活動に繋がっていると思われる。先生は問題点をつぎのようにあげられています。
・ 難民申請者の収容
・ 長期間の収容
・ 収容に適さない例の収容
・ 病気の重症化、感染症の拡大
・ 入管職員による密室の暴行
・ 入管内の不十分な医療及び過剰投薬
・ 強制送還時の投薬
・ 強制送還後の健康障害と迫害
・ 仮放免後もつづく健康障害と生活困難
- 難民申請者は自分は何も悪いことをしていないのに犯罪者のように扱われ収容され、しばしば入管職員より身体的、精神的なおどしを受けることに困惑と怒りを持っている。
また殆どの難民申請者が母国での迫害、拘束経験を持っているので過去の体験の記憶がよみがえり不眠、体重減少、血圧上昇、食欲不振、頭痛、身体の痛み、腹痛、身体のふるえ等が見られる。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)ATSD(急性心的外傷性ストレス障害)によりうつ状態になり自殺を企図、抗議のハンガーストライキをする。
このような状態になる前に施設のなかで医師により適切な処置がなされなければならないが実態は医師による触診も聴診も病気の説明も殆どなされていない。
与えられる薬の説明もなされず時には難民申請者または入管職員が薬を選ぶこともありしかも薬の効果は殆どなく、通訳もいない場合が多く被収容者が症状を正確に伝えることもできず入管内の医師を信用することはなかった。
外部の医療機関の診察を希望してもなかなか認められない。
入管内では対症療法のみである
- 入国前の健康状態を把握するためのスクリーニング検査が実施されていないため結核等の感染症が見逃され施設内での感染拡大のおそれがある。
先進国では難民や移住者に対して入国前のスクリーニング検査は必須である。
- 「回復困難な損害」をこうむった時に収容者は仮放免されることになっているがその判断は入管センターの責任者にかねられてい、仮放免されることは殆どない。
そのため手遅れになり聴力を失った例がある。
- 2003年秋ごろから収容者に対する扱いがひどくなってきている。
- 治療中にもかかわらず収容・両親が収容され子供が取り残される
- 密室の暴行と強制送還・長期収容
- 2004年8月に強制送還された人の聞き取りをする
- パキスタン人男性 28歳 11ヶ月間収容
入管職員30〜40人が待機している部屋で帰国を強要される。
拒否すると暴行をうける。そして薬を6錠飲まされる。意識もうろうとなる午後6,9時にまた薬を6錠づつ飲まされる。意識を失う。
翌日、同じ薬を7〜8錠のまされ手錠をかけられたのは覚えているが飛行機に着席した記憶もない。機内で少し意識がもどり職員が3人同行していたのをかすかに記憶している。現在も頭がボーとして食欲がない。
場合によっては死にいたる可能性もあり投薬が医師による処置ならば医療倫理に反する。
- インド人男性 56歳 3年間収容
2003年10月から微熱が続き12月に頸部に腫瘤ができる。
医師が癌を疑ったが確定診断されぬまま放置される。2004年6月強制送還。
直後に地元の病院の診察をうけ「リンパ節結核」の診断をされる。治療中。
この例は収容中に他の収容者、職員、機内の乗客等への結核感染の可能性もある。
早期の仮放免こそが最も効果的な「医療」と「予防」であることを認識しなければいけない。
- 5. 長期収容、暴行、強制送還は在日外国人に恐怖感を与え、
日本に対する強い不信感を招いている。そして日本が批准している
難民条約、拷問等禁止条約に違反している。
「難民は避難先の国からも迫害をうけ」「少数民族(在日外国人)は
差別と偏見にさらされている」のである→入管への収容
日本政府の難民にたいする不当な人権侵害を是正し、
行過ぎた入管法とそのシステムを変え入管センターの医療を
改善していかなければならない。
それが出来なければ日本は人権後進国と烙印をおされことになるだろうと
先生は最後に述べています。