「ミャンマーを促すASEAN」(インターナショナル・ヘラルド・
トリビューン、2005年4月1日)をウェブに掲載しました。
URLは次の通りです。
「ミャンマーを促すASEAN」
www.burmainfo.org/politics/iht20050401.html
原文(英語)
www.iht.com/articles/2005/03/31/news/burma.html
秋元由紀(BurmaInfo)
-----
ミャンマーを促すASEAN
人権問題に進展ない軍政を批判
インターナショナル・ヘラルド・トリビューン
2005年4月1日
シンガポールはミャンマーの軍政幹部に対し、約束通り政治改革を
進めないのなら、ASEAN(東南アジア諸国連合)の議長国就任を辞退
するよう慎重に促した。シンガポールが働きかけた動機の一つには、
ミャンマーが辞退しなければASEAN関連の会合をボイコットするべきだ
という声が米国内で高まっていることがある。
シンガポールのリー・シェンロン首相は30日に行われたミャンマー軍政の
タンシュエ議長、ソーウィン首相との会談でこの意向を伝えた。リー首相の
報道官はミャンマー国内の政治状況の改善と民主化問題はミャンマー政府
のみが決定できる事項だとしながら、「諸国が相互依存関係にある以上、
一加盟国の動静がASEAN全体に影響をもたらしうる」というリー首相の談話を発
表した。
ミャンマーが2006年にASEAN議長国になる予定であることにはシンガポー
ルの
ほか、既に東南アジアの数カ国が懸念を表明している。特にマレーシアは
ミャンマーが民主的改革を行わないまま議長国になるのにはっきりと反対を表明して
いる。
リー首相の発言は、互いの内政に干渉しないというASEANの慣例を
支持しながらも、加盟国は自国の行動が他の加盟国に及ぼす影響に責任を
持つべきだとの立場を強調するものだ。
ASEAN内には、孤立するミャンマー軍政をかばい続ければ、米国やEUなど
主要な「対話国」との間でASEANが築いてきた評判や信用性が傷つく恐れが
あるとの懸念が大きくなっている。リー首相の発言はこの懸念の表れでもある。
ASEANは長年ミャンマーに対し「建設的関与」政策を採ってきた。加盟国の
国内改革という扱いにくい問題は、あからさまに圧力をかけるよりも水面下の
外交で対処した方が良いというわけだ。しかし国民参加型の政治制度を
表向きだけでも回復しようという気すら見せないミャンマー軍政に愛想を尽かし始め
ている。
ASEAN議長国は通常、国名のアルファベット順に1年ごとに持ち回る。
ミャンマーは来年夏に議長国になる予定だ。しかし1997年にミャンマーの
ASEAN加盟を積極的に支持したマレーシアでは、国会議員がASEANに対し、
民主化に向けた改革に進展がなければミャンマーを議長国にしないよう求める
動議を提出した。マレーシア政府関係者らは、一連の改革には、この23カ月間
自宅軟禁下にある民主化勢力指導者のアウンサンスーチー氏の解放が含まれるべきだ
と述べた。
この問題は4月10日にフィリピンのセブで行われるASEAN外相非公式会合
の際に取り上げられる。ASEAN関係者は3月31日、この会合でミャンマーは
国際社会の納得が得られるような政治改革を実施するか、自主的に議長国
就任を辞退するかを迫られるだろうと述べた。
セブでの会合で各国外相はASEANが表面上ではまとまっているように
見せようとするだろう。しかしミャンマー問題は普段は結束の強いASEANの
団結力を弱める勢いだ。カンボジアはミャンマーの議長国就任を阻む動き
すべてに反対すると表明し、ASEANの古参国と、ミャンマーと同時に
加盟したカンボジア、ラオス、ベトナムなどとの意見の相違が明らかになった
[訳注1]。ASEANの設立当時からの加盟国であり、ミャンマーと経済面で
深いつながりのあるタイは議長国就任反対の動きに加わっていないが、
新しく就任したカンタティ外相は「ミャンマーは他国からの警告に留意しな
ければならない」と述べた。
米国の国会議員や国務省からはミャンマーに対する強い非難が出ており、
ASEAN各国はミャンマー問題を放置すれば米国から報復を受けることに
疑いの余地はないことを承知している。マコーネル上院議員(ケンタッキー州選出、
共和党)は、ミャンマーの人権状況は「まったくひどい」ものであり、同国が議長国
になるのは「ASEANにとって非常な不名誉となることを意味する」と述べた[訳
注2]。
マコーネル議員は「米国、EU、そして民主主義諸国はASEAN関連の会議や
行事すべてをボイコットするべきだ」と強く訴えた。(訳、秋元由紀)
訳注:
1.ベトナムのASEAN加盟は1995年、他の2国は97年にビルマと同時加盟。
2.マコーネル議員は米国上院の院内総務で共和党ナンバー2の座にあり、
外交政策にも影響力を持つ。同議員は通常は米国と友好関係にあるタイをも
批判し、タイは軍政への支持を続けることで「地域内のほかの国や世界中の
民主主義諸国家と足並みが外れている」と述べた。また国務省のエレリ報道官は、
米国はビルマに民主化と国家的和解を真剣に進め、政治囚全員の解放を明確に
要求しており、ビルマがそうしなければ「米国とASEANの関係が複雑になる」と
述べた。
出典: "Asia voices concern on Myanmar," International Herald Tribune, 1
April 2005
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
配布元:BurmaInfo(ビルマ情報ネットワーク)
http://www.burmainfo.org
連絡先:listmaster@burmainfo.org
バックナンバー:http://groups.yahoo.co.jp/group/burmainfo/
※BurmaInfoでは、ビルマ(ミャンマー)に関する最新ニュースやイベント情報、
参考資料を週に数本配信しています。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
▽転載について
・再配布と転載は、原則として出典明記の上で自由に行ってください。
・ただし不特定多数に配付する印刷物や、新聞、雑誌、機関紙(誌)などの
刊行物に掲載の際には事前にご一報ください。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
▽お知らせとおことわり
当グループ管理者とは関係のない方が、発信者詐称型ウィルスに感染したことに
より、皆さまに以下のアドレスからメールが届くことがあります。
詳しい説明と対処法については以下をご覧ください。
・notify@yahoogroups..からのメール(http://www.burmainfo.org/faq1.html)
・burmainfo-owner@..からのメール (http://www.burmainfo.org/faq2.html)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
▽メーリングリストの参加・退会・アドレス変更
a)次のURLの説明をお読みください。
http://www.burmainfo.org/ml.html#subscribe
b)Yahoo!グループのページから手続きすることも可能です。
http://groups.yahoo.co.jp/group/burmainfo/
※原則として手動での変更手続は行っておりませんが、どうしても解決できない
問題があるときや、疑問点がある場合は管理者宛にご連絡ください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━ |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2005年4月6日 通卷228号
Weekly Mail Magazine
◎◇◎ 人権ニュース ◎◇◎
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ I n d e x ◆
───────────────────────────────────
|1| ニュース
|2| 講読及び配信中止・メールアドレス変更について
|3| 人権ニュース配信のお知らせ
|4| 国内人権ネットワーク会員募集のお知らせ
|5| 編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】ニュース
───────────────────────────────────
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
日本弁護士連合会 会長声明(名張毒ぶどう酒事件再審決定について)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
本日、名古屋高等裁判所刑事第1部は、再審請求人奥西勝氏に係る
再審請求事件、いわゆる「名張毒ぶどう酒事件」について、
本件再審を開始し、奥西氏に対する死刑の執行を停止する旨の決定を下した。
当連合会は、第一審・津地方裁判所の無罪判決を破棄・自判した
名古屋高等裁判所の死刑判決は、重大な誤判の疑いがあり、
冤罪の可能性が高いものと判断し、上記死刑判決が確定した翌年の
1973(昭和48)年から人権擁護委員会に名張事件委員会を設置して、
以来奥西氏の救済のため最大限の支援を行ってきた。
事件発生当時35歳であった奥西氏は、本年1月、79歳になり、
奥西氏は虚偽の自白と誤った鑑定によって
殺人及び殺人未遂事件の犯人として死刑判決を受け、
長期にわたって死の恐怖にさらされてきたが、
これに屈することなく独房から無実を訴え続けてきた。
本日の決定は、奥西氏の不屈の闘いとこれを支えてきた
再審弁護団の献身的な努力によるものであることはいうまでもない。
当連合会は、本決定を心から喜び、長期にわたって闘い抜かれてこられた
奥西氏と再審弁護団の活動に対してあらためて敬意と謝意を表する。
本日の再審開始決定は、再審の扉を大きく開いた最高裁・白鳥、
財田川決定を踏まえて、確定判決の証拠構造を的確に分析し、
新旧証拠を総合評価した上、確定判決の誤りを明確に断罪している。
具体的には、奥西氏以外の者にも犯行の機会があること、
重大な物証である四つ足替栓が、本件ぶどう酒瓶に
装着されていたものでない疑いが生じていること、
本件犯行に使用された毒物が、
奥西氏が所持していたニッカリン・Tではなかった疑いが生じていること、
及び自白の信用性に重大な疑問があることを明らかにして、
確定判決の有罪認定には新証拠を加えることによって
合理的な疑いが生じていると結論付けたものである。
当連合会は、検察官に対して、本決定を真摯に受け止め、
異議申立をすることなく速やかに再審公判に移行させ、
早期に冤罪をはらすことができるように強く訴えるものである。
また、裁判所に対しては、直ちに公判を開き必要最小限の審理を行って、
一日も早く無罪の宣告をされるよう要望する。
当連合会は永年にわたり、冤罪に苦しむ人々のために、
再審について力を注ぎ、具体的な事件の救済とともに、
立法や運用につき改善を提言している。また、当連合会は、
死刑冤罪事件の存在などから、死刑執行停止法の制定も提言している。
本日の決定は、今なお粘り強く続けられている多くの再審事件の関係者に
大きな励ましとなることはもちろん、当連合会が取り組んでいる
このような提言が一刻も早く実現されることの必要性を示したものである。
当連合会は、今後とも奥西氏が完全無罪判決を勝ち取るまで、
あらゆる支援を惜しまないことをここに表明する。
2005(平成17)年4月5日
日本弁護士連合会
会長 梶谷 剛
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2】 購読中止・メールアドレス変更について
───────────────────────────────────
こちらのメールマガジンの送信を中止されたい方は、以下のURLへアクセ
スして下さい。
http://www.mag2.com/
メールアドレスを記入後、解除ボタンを押して下さい。
また、メールアドレスを変更される場合は、旧メールアドレスの退会作業
を行われてから、新メールアドレスを登録して下さい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【3】人権ニュース配信のお知らせ
───────────────────────────────────
本誌のバックナンバーは下記のアドレスから見ることができます。
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000048600
購読申し込みはホームページから。 http://www.jinkennews.com/
または右のところでメールで申し込み下さい。 info@jinkennews.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【4】国内人権ネットワーク会員募集のお知らせ
───────────────────────────────────
<会員特典>
*例会に出席し運営に参加できます。
*ネット主催の催し物に無料で参加できます。
*作成資料の無料送付(「刑務所訪問資料集(03.10〜01.12)」を無料送付」)
*刑務所参観の日程など人権に関する情報をお知らせします。
<会費>年間3,000円(一口) ■会費振込先■
【郵便振替】口座番号:00800−2−19921
口座名称:国内人権ネットワーク
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【5】 編集後記
※ここに書かれている文章は編集委員個人の感想を述べたものです。
───────────────────────────────────
○名古屋高裁は「名張毒ぶどう酒事件」の再審を決定した。
無罪の可能性が有る事件に対して裁判をやり直すという決定なのだから、
検察は異議申し立てをするべきではない。有罪だと確信するのであれば、
裁判で主張すればいいのだから。(馬)
───────────────────────────────────
○被拘禁者の処遇問題は、通常の生活からは、なかなか見えてこない
別世界のことに映るだろう。いくらかでも経験したり、
身近に感じたりできれば、大事なものだと理解できると思うのだが。
なかなか、そのあたりを口で説明するのは、難しい。
刑務所を始めとした拘禁施設が、社会とつながった、
一体のものとしてあるという関係を理解するにも、想像力が必要だ。
生活の単純延長には、施設はない。多くの人には関係のない、
特別なことなのだ。が、私たちの取り組みは、そこを取り崩し、
想像力を喚起することにある。とりもなおさず、
わたし自身の想像力を喚起することなのだ。(太)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編 集 人:太田 稔
発 行 元:(社)アムネスティ・インターナショナル日本
国際人権基準の国内実施をめざすネットワーク(国内人権ネットワーク)
メールアドレス:info@jinkennews.com
連絡先:〒458-0041 愛知県名古屋市緑区鳴子町 2-28-3
FAX:052-892-5648
発 行 日: 2005年4月6日(水) 通卷228号
|