塩ビとダイオキシンを考える東京市民会議から
1998.11 青柳 節子
 10月に東京で表題の会議が塩ビとダイオキシンを考える東京市民会議実行委員会主催で行われた。実行委事務局長でこの日コーディネータを務めた藤原寿和氏は、今年3月藤沢に来て、「ごみ処理の広域化でダイオキシンをなくせるか」シンポジウム(ストップザダイオキシン住民の会他3団体主催)において、焼却炉大型化の問題点を指摘した人だ。「止めよう!ダイオキシン汚染関東ネットワーク」事務局長、化学物質問題市民研究会代表もしている。

 この市民会議は昨年(‘97)日本で開催された世界の塩ビ業者による「第6回塩ビ世界会議」「塩ビ性善説」「ダイオキシン無関係説」に対抗する市民の塩ビ製品規制の取り組みから生まれた。

 塩ビ(ポリ塩化ビニル)は20年近く前から焼却による塩化水素発生の公害問題となっていて、今ではダイオキシン発生原因でもあることが判明している。

 昨年から今年にかけ、市民会議の提案運動等により、多くの地方議会で「塩ビ製品等の規制とダイオキシン汚染問題解決を求める意見書」が採択された。東京北区では「公共機関(学校を含む)での塩ビ製品の使用禁止を求める陳情」が全国で初めて採択され、建設省ではこれを受け、北区の荒川の河岸侵食防止現地実験で既設分の塩化ビニルシートを撤去するなど、この1年の「脱塩ビ」への大きな流れが報告された。

 今年は塩ビ工業・環境協会の原田浩氏が出席し、年間250万トン生産される塩ビの、ダイオキシン発生量無関係説が発表され、それに対し大阪大の植村氏や弁護士の梶山氏、埼玉県宮代町議の上杉氏、グリーンピース・ジャパンの関根氏他が塩ビのダイオキシン発生主原因説を主張し、「塩ビ製品チェックリスト」が発表された。

 植村振作氏は塩ビ工業界が言うダイオキシン発生食塩原因説を否定し、食塩は融点が801度の分解しにくい物質に対し、塩ビは200度〜300度で熱分解し、塩化水素が多量に発生すること、それにより、食塩のダイオキシン発生影響は塩ビの1%以下であることをごみ中の塩素量から数値を上げて論証した。

 梶山正三氏は国のダイオキシン対策の誤りを指摘した。発生源対策より出口規制に重点をおくことの誤り、燃焼の装置や条件を管理するすることだけで解決しようとする施設主義の誤り、ダイオキシンのみを問題にして重金属や窒素酸化物等を問題にしないダイオキシンオンリーの誤りだ。ごみ焼却については焼却量減量、インプット改善のフィロソフィーを持つこと、マテリアルリサイクル(材料リサイクル)至上主義は環境を破壊すると指摘した。

 他に業界団体からの脱塩ビ製品の代替化の取り組み報告、文部省建設省など行政交渉報告や業界との話し合い報告、「もう、止めよう!塩ビのおもちゃ」実行委員会の厚生省や日本玩具協会との話し合い報告等などもあり、さすが東京だとその運動の多彩さ、積極性にとても感心した。


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