「かけがえのない水と空気の現状、そして未来」の報告
1999.5 青柳 節子
講座「地球環境を考える 〜かけがえのない水と空気の現状、そして未来〜」の報告

 2月に上記の講座が藤沢公民館で開かれたので、その水の部分の報告をします。
 「相模湾の水と私たちの健康、水生生物の生態から見た海の水質汚染」について前・江ノ島水族館長の廣崎芳次氏からお話がありました。要約は次のようです。

 相模湾の水といっても沿岸水から沖合いの水、また表層の水から深層の水まで様々です。沖合いの水なら安全と思いたいのですが、どこの沖でも大型船の船底塗料剤や広く拡散しているDDTPCBなどにより環境ホルモンの問題は深刻です。

 中層にはオホーツク海や千島の水が流れており、深層水はさらに遠い南極海とかノルウェー沖からの水で占められています。深層の水にはコバルト60の高レベルの放射能廃棄物が1955年から1969年まで10年以上も投げ込まれました。当時は深層に潮が流れているとは考えていなかったのでしょう。江ノ島から42km南の沖合いで北緯34°55、東経139°25′の地点もその1つです。

 このあたりはプレートがぶつかり合っている複雑な地形で1000m以上の深い海底が広がり、近くには大島があります。深層では水圧は非常に高いのでドラム缶で捨てられた放射能ごみはどうなっているでしょうか。また放射能ごみはまさに不滅ですから不気味な存在が厳然として相模湾にあり、放射能調査をする必要があります。

 船底塗料の有機スズ化合物は環境ホルモンの一つで、それによる三浦海岸、油壷のイボニシ、レイシガイのインポセックス被害は100%で深刻です。日本では現在、使用を禁止されていますが、メーカーは最近でも年間、計1000トンも輸出しているとのことです。海はつながっていますから、被害は日本にも及び、戻って来ることになるでしょう。山下公園沖で1989年に5.97ppm汚染されていました。

 身近な話ではたくさん魚を釣ろうとして大量にコマセをまきすぎていることも自分の欲望のままに、結果的には予想外に相模湾の水を悪くしているのです。

 私達はおいしいものを食べ、楽な生活をしたい、そのためにはお金がほしいという欲望があります。しかしこのことが度を過ぎると放射能廃棄物、有機スズ化合物そしてコマセと私達の健康にとって取り返しのつかない危険をもたらすのです。

 鉱道につれていったカナリアが死んだら危険だと誰でもが判断するのに、海で同じような状態をシャミセンガイ、サクラガイ、ウミガメ、イルカなどが示しても危険だと判断するのを嫌がる傾向があります。しかし危険信号は鳴り放しなのです。

 聞いていると恐ろしくなることばかりでしたが、日頃うっかりすると便利で豊かな生活にどっぷり漬かっている自分を発見します。またお店で販売しているものに健康を害するものがなんと多いことでしょう。


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