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2000.4 菊池 浩吉
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1.
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かなり前の話になるが、藤沢市の黒松の葉に吸着されていたダイオキシンの濃度が、全国から集めた試料(11)中で一番高かった、と言う検査結果が公表された。以後もこれが訂正されることはなかった。近頃でも、母乳中の平均濃度が高いとか、川魚に高濃度のものが見つかったなどが報道され、これらはダイオキシン対策のなかった時代に蓄積されたものの再現かと思われたが、荏原製作所で長年汚染水を放流していた事実も、昨今判明した。 | ||
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| 2. | 石名坂の焼却施設が建設された頃には、ごみはできる限りよく燃し尽くして、処分場に埋め立てる量を最小にすることが需要で、ダイオキシンについてはよくわかっていなかった。 その後の住民運動に押し上げられる形で、排出の正確な数値公表、施設改良等が進み、国の基準も定められて、現在市のごみ焼却施設では、ダイオキシン排出濃度は、現行の国の基準(既設炉1.0ng-TEQ/Nm3)以下となっているという。しかし排出設備はすでに耐用年数をすぎて老朽化し、能力の低下と維持費の増大に悩みながら作業をしているという。 |
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| 3. | この為、焼却施設を更新してダイオキシン排出濃度を現行の1/10以下とする、国の新基準(新設炉1.0ng-TEQ/Nm3以下)に適応する建て替え案が、市当局から公表された。この案は焼却のみにとどまらず、焼却灰は溶融固化してダイオキシンの残留を絶ち、処分場への埋め立てを不要とする構想が加わった。廃熱回収による発電設備をも併設して、溶融処理に必要な電力を含め、周辺施設へも電力エネルギーを供給するので、この計画全体は「エネルギーセンター建設計画」と総称される。 | ||
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| 4. | この「エネルギーセンター建設計画」には、前から地元の反対が伝えられていたが、昨年末の12月10日、市議会民政常任委員会に、請願一件と、陳情2件が上程審議された。 この請願は |
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| (1) |
本当に5万平方mの敷地が必要か。旧施設の改良で対応できぬか。今提示されている方法しかないのか等について御所見での説明会にとどめず、市民全体に知らせ論議して、市民合意を得ること。 | ||
| (2) |
500億円の巨費を投じ435トンの焼却炉建設は、過大と思われる故、見直しされたい。 | ||
| (3) |
市環境基本計画に則り、ゴミ排出量20%減量達成への具体的施策を講じられたし。また、現在焼却している可燃ゴミの50%は生ゴミだが、堆肥かを含めこの処理による焼却量の減量方策を考えられたし。 | ||
| という上記3項の、観点からとして、「建設の見直し」を求めたものであった。(これに上記約1万3千名の署名が添付された。) また、陳情2件のうち1件は、 |
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| (1) | 燃焼施設の規模と建設費の過大であること。 | ||
| (2) | 焼却は止める方向であるべきである。 | ||
| (3) |
御所見は従来から焼却の被害地区で、これ以上の増設は許されない。ごみ問題は全市民の問題として再検討すべきである。 | ||
| という趣旨のもので、陳情項目は | |||
| 1. | 御所見地区への建設は中止すること。 | ||
| 2. | ごみ処理問題の全市的話し合いの場を設けること。 | ||
| であった。 しかし、民政常任委員会では共に、この請願は否決、陳情は趣旨不了承となった。 |
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| 5. | 別のもう一つの陳情は、「エネルギーセンター計画は、地域住民の理解を得るどころか、誤解を生じさせているのではないかと危惧する。」との趣旨で、次の陳情項目をあげた。 | ||
| (1) |
エネルギーセンターの必要性について、地域の理解を得あれるよう十分な説明と対話を行うこと。 | ||
| (2) |
処分場のデータ開示はもとより、ダイオキシンへの不安解消のため、よりきめ細かな説明と調査をい実施すること。 | ||
| (3) |
具体的な減量施策を示し、焼却量を最小限とした上で、財政負担を極力軽減するよう、施設の規模について配慮すること。 | ||
| (4) |
車公害等あらゆる公害問題について、地域への環境負荷を最小限とするよう配慮すること。 | ||
| (5) |
まちづくりの核として位置づけているが、計画は西北部地域の全体計画との整合を図ること。 | ||
| この陳情だけが委員会で趣旨了承となった。 | |||
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| 6. | その後、市は環境部発行の「ごみNEWS No.2」を全戸配布して、これに請願陳情に現れた住民側の意見をおおむね採り上げ、それに回答する形式で市民への説明をした。この回答に今度は住民側から反論して(住民はこれに納得しないだろうから)、そのような相互のやりとりがあれば、これを見守る一般市民には、やがて正確な実情把握や適切な判断が可能となって、市民合意が進むであろう。 住民側の意見表明が、ぜひ活発にされることを期待する。その意見公表の場としては、本紙などは、いつでも役に立つはずである。 |
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| 7. | 以前から「ダイオキシン禍」の声に心を痛めてきた藤沢市民の多数は、「藤沢のダイオキシン対策は何か?」ということには強い関心を持つ。 以下、ここに一市民の意見を記す。 |
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| (1) | 「燃さないごみ処理」が強調されるが、焼却を全廃する具体案は提起されていない。現施設の老朽化、能力低下が事実ならば、旧施設の補修で現状を継続するのではなく、新施設に建て替える選択が望ましい。国の新基準(新設炉1.0ng-TEQ/Nm3以下)に適合する新施設の建て替えを延期すれば、新基準の10倍量のダイオキシンを依然発生し続けることになる。 |
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| (2) | たとえ国の新基準に適合して、空中に散布されるダイオキシンは減少したとしても、焼却灰には依然多量のダイオキシンが残っている。これはダイオキシン含有のまま処分場に埋め立てられている。このダイオキシンを分解除去する溶融処理は、実験の結果にまだ疑問があるが、これを解決して「処分場への埋め立て不要」へと進行させなければならない。 |
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| (3) | 生ごみの堆肥化は、集荷体制、処理施設、消火体制等が整備した状態を想像すれば、燃焼量がかなり減り、それだけダイオキシンの発生量を少なくできる。しかし実現の見込みは不明であり、どのみち縮小しても焼却処理は残るなら、新施設はできるだけ早く稼働して、将来の堆肥化による燃焼量の減少には、新施設の計画内に織り込み済みとしておけばよい。 |
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| (4) | ごみ収集の広域化は、ダイオキシン発生抑制には、大型焼却炉で安定した高温度の連続運転が必要とされたためだが、広域化は、収集車両の運行が長距離広範囲となり環境悪化を招く。近来小型炉でも燃焼状態は改善され、大型炉でなければならないことはなくなった。但し、小型炉を多数にして大型炉に代えることは、建設費、維持費等の増加となり、一般的には経済上、不利、困難となる。しかし、立地条件や環境を重視して、そのためには経済的に不利でも、あえて負担の加重を容認するという選択も、あり得ることとなった。 |
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| (5) | 建設費用が過大との問題は、さらに精査、検討を要すことだが、ダイオキシンの害を防ぐためには必要不可欠となれば、優先的に支出しなければならないと考える。 | ||