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小林 麻須男
荏原ダイオキシン問題市民対策会議 焼却炉部会責任者 |
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荏原製作所藤沢工場のダイオキシン流出事故が起こってから4ヶ月、技術立国と言われ、安全や品質管理に厳しいと言われたわが国において、「安全神話の危険性」について、つくづく痛感させられる今日この頃である。 今回の荏原事件においても、「配管ミス」が原因と言われているが、その原因について会社は「施工業者が間違った」、「当時の記録は、破棄していて、ない」、「意識的に間違うメリットはない」などと言うばかりで、真相究明の姿勢は見られず、ダイオキシン発生問題においても、その発生原因やメカニズムなどについて、全く究明されていない点が問題である。そもそも、荏原製作所が作っている焼却炉は、流動床炉と言って、焼却灰をほとんど出さず、飛灰として煙突から放出させてしまおうという方式の炉であるが、確かにこの方式の炉だと、炉の下に出てくる灰は少ないが、逆に燃焼が不十分だと飛灰の中に、様々な不純物が混じり込んで空中に放出される危険性の高い炉なのである。かつて、大量にダイオキシンを発生させた石名坂の焼却炉も、こうした荏原の流動床炉であり、今回事故を起こした炉も、流動床炉小型のもので、朝、晩、点火、消火を繰り返すバッチ式流動床炉出会ったため、燃焼温度が低いときに大量のダイオキシンが発生したものである。 しかし、今回の事件では、こうした炉からのダイオキシン発生ばかりでなく、荏原製作所が、神奈川県に提出した報告書を見ると、ダイオキシンを除去する設備と言われていたバグフィルターやスクラバー装置を通過した後の方が、入る前よりもダイオキシンの量が多かったという驚くべき数値さえ見られるのである。これは、一旦消滅したと思われたダイオキシンが温度の変化や装置を通過する際に再合成され、消えたハズのダイオキシンとして生まれ変わったことによるものと思われる。 今日、ダイオキシンを発生させない炉としてガス化溶融炉が次世代の焼却炉として宣伝されているが、高温で燃やせばその時はダイオキシンは消えたように見えるかもしれないが、それがだんだん冷やされ、様々な機器を通過する際に再合成されない保証はどこにもない。それほどダイオキシンという物質は、千変万化、やっかいな物質であるという認識を持つべきである。こうした観点から見ると、ガス化溶融炉ならば絶対ダイオキシンは発生しないという「安全神話」にも、大きな落とし穴があると言わなければならない。 |