湘南・藤沢の自然環境を取り戻すために、条例の市民発案を!
諏訪 謙司

 藤沢市は、ダイオキシン汚染で全国的に有名になってしまった。市総合計画の「湘南の海に開かれた生涯都市藤沢」を目指すなら、第一に、汚染された引地川の底泥を汚染者負担で除去することである。水俣湾の水銀汚染浚渫、静岡県田子の浦港の工場排水ヘドロ浚渫などでは住民要求が結実している。次に、市民のダイオキシン等による健康不安を取り除くことである。「安全で安心して暮らせるまち」を裏付ける補償が必要である。
 市葛原最終処分場排水からも、高濃度のダイオキシン排出が住民により摘発された。その後、市当局の調査では基準以下であるといい、市専門委員会でも住民検査結果に疑いの意見が多く、住民の不安と行政不信は募るばかりである。
 410億円余の巨費を投じての御所見地区広域化灰溶融化焼却施設(エネルギーセンター)建設計画については、御所見の住民団体が、ダイオキシン汚染防止のため建設計画を白紙撤回することを市議会に陳情した。趣旨不了承となった。市議会が、荏原事件を教訓にして見直しで一致できなかったのか残念である。
 荏原事件を契機に、行政が荏原と類似している焼却施設を緊急指導した結果、不適切処理をしていた事業所が摘発された。藤沢市内にある類似施設は市内全域に47余ヶ所も存在すると言われる。ダイオキシン汚染は、荏原御所見地区周辺だけの問題ではない。
 荏原に対する法的措置は、ダイオキシン法施行猶予期間でもあって罰則は適用されず、無罪放免。法律の不備と真に環境と住民の健康を守れる法令の必要性を痛感する。葛原処分場エネルギーセンター問題では、「市民参加型行政」のあり方も問われている。
 今後、ダイオキシン等の発生を抑制し、藤沢の自然環境を取り戻すためには、「藤沢市ダイオキシン類等対策条例の立案実施」が有力な方法の一つである。条例には焼却炉・最終処分場からのダイオキシンの発生抑制、排出の規制、排出者責任等を厳正にし、施設の設置・変更等には全面的な情報公開と環境保全協定を義務づけるなど住民参加を具体的に規定する。立案を行政に任せるのではなく、市民にとってどんな条例が必要か市民自身で発案することを考えよう。


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