荏原ダイオキシン流出事故1周年「焼却施設の解体現場の安全を考える」
<解体事故を起こした大阪・能勢の経験を聞く会>に参加して

2001年4月号

栗原陽子

 この学習会は、荏原製作所の事故炉解体が近づく中、「解体」で起きる問題について学習し、今後の運動の方向をさぐろうとするもので、荏原ダイオキシン問題市民対策会議と藤沢エコネット主催で開かれました。

 はじめに環境ジャーナリストの津川敬氏の「流動床からガス化溶融炉まで―事故はなぜ起こるか―」と題したお話を聞きました。

 流動床炉、ガス化溶融炉の図も多く含む豊富な資料を使って、詳しい説明がありました。

 問題点としては、ごみは不均質で変動が激しいので、それにともない酸素の過不足や一部燃焼,一部ガス化の著しい温度変化等があり、ガス爆発、不完全燃焼、ダイオキシン生成等を起こすことと指摘されました。ガス化溶融炉はまだ始まったばかりで、ダイオキシンの他にも有害物の出る恐れあり、慎重な検討を要するとのことです。

 今もっとも大切な事は、ごみの脱焼却をめざすことと、その理念を述べておられました。

 大阪から招いた講師、豊能町町議・秋元美智子さんの報告は、「ダイオキシン無害化施設の建設で揺れる豊能町から―大阪・能勢の解体現場で何が起こったか―です。

 まず、解体作業の実態と被害を訴える労働者の話などのビデオを見ました。まるで放射能をあびる場でのような大がかりな防護服・器具での作業に、ダイオキシンの危険性を再確認させられました。また、労働者の人々が皮膚の異常を示しながら身体の異常を訴える姿に、労働現場が、このようなことで良いのかと考えさせられました。

 秋元さんのお話の中に、バーナーで管を焼き切って解体する作業の時、ダイオキシンが気化し、作業する人々が「厳重な」防御にもかかわらず、吸ってしまったということがありました。「気化」については、これまで知らずにおり、全く考えてこなかったことなので、驚きました。今後学習が必要と思われました。叉、炉内すべてが、濃縮されて驚くべき高濃度のダイオキシンで汚染されていたこと、解体された汚染物が4300本のドラム缶に入れられ、今もそのまま保存され、分解の技術確立を待っていること等が心に残りました。

 質疑応答の後、市民対策会議から、今後の運動について提案がありました。「焼却炉安全解体・ダイオキシン二次汚染防止に関する荏原製作所への住民要求」<素案>と「焼却炉解体工事汚染防止協定書(案)」です。

 その主な内容は、

  • 解体作業を安全にすすめること、
  • そのために、解体計画書・現汚染状況・解体前後の調査結果数値・関係業者名簿を公開すること、
  • 住民説明会・協定締結を求める

等です。

 地元の自治会の方々も参加されて、「これは大変な問題だ、開始前に声がかかるかどうか。方法は水処理と聞いているが心配している。汚染物飛散防止をしてほしい」
「住民要求<素案>に全く同感。企業を責めるだけでなく、一緒に努力をしていこう。地区全体によびかけ、運動を作っていかなければ〜」等の意見を出されていました。

 最後に「藤沢からダイオキシン汚染をなくす条例研究会」参加の呼びかけもされました。

 「解体」は単に「炉を壊す」というだけでなく、多くの問題を含んでいるのだと、改めて分った学習会でした。全市民で見守り運動していくべきと思ったことです。


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