ふじさわ環境連続講座2001第10回 荏原ダイオキシン事件2周年特別講演
ダイオキシン・環境ホルモン
 ―人への影響―
2002年4月(文責 青柳)
 3月9日、横浜市立大客員教授で、県労働衛生福祉協会理事であり、40年産婦人科医の経験がある住吉好雄氏を招き、ダイオキシンのヒトへの影響についての講演会が開かれました。荏原ダイオキシン事件から2周年、川、海へと流出したダイオキシンが、魚など水生生物から人へ取りこまれる際、どのような影響があるのか、興味ある貴重な内容でした。

 「日本医師会雑誌」1月15日号に載った「内分泌攪乱物質最前線‐ヒト健康影響はどこまで 明らかになったか‐」の解説と日本産婦人科医会先天異常モニタリングの現状、横浜市大医学部産婦人科が中心に行っている環境ホルモンの人への影響の研究について、スライドの豊富な資料を用いて行なわれました。その一端を紹介します。

 横浜市大には先天異常のモニタリング国際センターがあり、先天異常の全国統計を行なっていて、毎年国際先天異常監視機構の検討会に出席している。
 所沢市くぬぎ山ごみ処理場でダイオキシン問題が起こった時、セミナーで報告した縁で、健康相談に行き始め、その後藤沢市でダイオキシン問題がおこり、藤沢市のダイオキシン血液・母乳調査に関する健康相談を昨年4月から月1回行なっている。

 環境省「内分泌かく乱化学物質検討委員会」で平成10年から調べているが、内分泌かく乱物質は非常に沢山あり、今までに75種を特定した。他に「長期大気曝露検討委員会」で、所沢大阪能勢町住民の食事1週間のダイオキシン量を調べ、血液との関係、また部屋の中のダイオキシン値など調査をした結果、2001年、健康に異常は認められないとの結論だった。今年からまた新たな調査を始める。

 全国の河川調査で、引地川は荏原発覚以前から高濃度で要注意となっていた。

 藤沢市の血液・母乳調査では1、2の高濃度の人がいたが、他の肝機能や免疫機能は異常がないので、今のところ調査した人については異常はない。その後、藤沢市で甲状腺の異常が増えていないか相談があったが、県で新生児全員のマス・スクリーニング検査をしているが、藤沢市は他市と変わらず、今までのところ正常範囲に入っている。しかし、環境ホルモンは胎児に影響し、アメリカでのDESのように、2世代に影響を及ぼすことも知られているので、今後の慎重な追跡調査が必要である。

 ビスフェノールAは、母親の血液の2倍の濃度が、臍帯血にあり、心配である。動物実験では、少量で胎児の脳にアンドロゲン受容体の増加が見られた。環境ホルモン学会でもビスフェノールAは大きく取り上げられている。今のところ成人には影響が出ていないが、胎児には不明であり、その影響を充分考えるべきである。

 現在の便利な生活を見直すなど、真剣に考えるべき時と言える。

 ダイオキシンの同属体はたくさんあり、OCDD(8塩化ダイオキシン)のように、既に生産禁止されている農薬系のダイオキシンが母乳から検出されびっくりしたことがある。、ダイオキシン発生源は90%焼却系で意図されずに発生するが、タバコや自動車からも発生する。

 環境ホルモンはたくさんある。アルキルフェノールは界面活性剤で大量に使われていて、現在の生活で無意識に体内に入ってきている。

 人への影響は生殖毒性があり、ごく微量で胎児期に強い影響を与えるという主張があり、人類の存在の危機となる可能性がある化学物質もある。男児出生率は1970〜83で低下、尿道下裂は増加傾向、無脳症、二分脊椎も増加傾向を示していると言われている。
 何よりも食事が大事であり、プラスチック使用注意等、妊娠初期には特に重要である。


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