湘南の海のダイオキシン汚染はなお続く
2002.4 (社)神奈川労災職業病センター 西田 隆重
3/30 引地川ダイオキシン汚染事故2周年報告集会

 去る3月30日、引地川ダイオキシン汚染事故2周年報告集会が藤沢で行われ、地元の藤沢市民を中心に約50名が集まった。

 この汚染事故は、当初全国でも有数な環境プラントメーカー荏原製作所が、8年間近くに渡って湘南の海にダイオキシンを垂れ流し続けた事故として社会的非難を浴びたが、事故発覚後2年を経て、地元でも関心が薄れてきているのが否めない。

 私たち(社)神奈川労災職業病センターの関わりは、荏原製作所の事業者責任を曖昧なものにしてはならないとして、昨年環境セミナー「引地川ダイオキシン汚染事故から1年」を企画し、地元で大きな反響があったことがきっかけとなっている。今回、私たちセンターとともに集会を共同主催したのは、地元の市民運動のメンバーを中心とした焼却施設解体工事問題を考える会(準)。
 解体時に事故原因究明を求めた県知事宛の署名運動を通じて、地元の市民運動の中から、荏原製作所の焼却炉をはじめとした焼却施設の解体工事問題と取り組む動きが出てきたことは注目していいと思う。

 集会のメイン報告は、池田こみちさん((株)環境総合研究所副所長)による引地川河口のムラサキイガイのダイオキシン類調査の報告
 調査は、昨年10月にサーファーらの全国組織であるサーフライダーファウンデーションが全国で実施したものであるが、分析結果が出たばかりでもあり、前日の29日に記者発表された神奈川県の水性生物調査結果とのクロス評価もできると言うことで注目されていた。
 当日、池田さんが公表したデータによると全国で実施されたコプラナーPCBの分析結果の比較では、
引地川河口が1.778pg-TEQ/gとやはり全国一高かった。また、地元の市民グループが実施した県内3地点でのダイオキシン類(PCDD+PCDF)を含めた分析結果の比較でも引地川河口が3.076pg-TEQ/gと最も高かった
 因みに相模川河口が2.332pg-TEQ/gで佐島マリーナが1.507pg-TEQ/gであった。
 神奈川県が前日発表したムラサキイガイの分析結果はそれよも低かったが、それでも
引地川河口で2.4pg-TEQ/gで調査された4地点で最も高かった。この結果は一部の新聞でもかなり大きく取り上げられたが、荏原製作所が垂れ流したダイオキシンが引地川から流れ出して湘南の海を汚染し続けていると見てよいであろう。

 続いて、(社)神奈川労災職業病センターの西田が荏原製作所の事故を起こした流動床炉事故原因究明をめぐっての経過報告。昨年
42,623名分の署名を集めて県知事宛に提出した結果、副知事の「解体時に原因究明を行うよう荏原製作所に指示する」との回答をふまえて、さらに解体時にばいじんによる周辺環境汚染のシュミレーションなどの必要も提案した。

 また、荏原製作所の事故を起こした流動床炉の解体工事がまだ日程に上ってこない状況では当面、今年度中に実施予定の藤沢市の北部環境事業所の2号炉の改修工事にも注目していかなければならないことを訴えた。


HOME