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ストップ・ザ・ダイオキシン住民の会
代表:戸田摂
(社)神奈川労災職業病センターとの共同アピール

2000年8月

荏原製作所のダイオキシン類汚染事故は氷山の一角

 (株)荏原製作所藤沢工場のダイオキシン類汚染事故は、清掃工場ばかりでなく民間企業の焼却施設もダイオキシン類の発生源であり、汚染源となることを白日の下にさらけ出しました。皆さんは、このようなダイオキシン類の発生源となる焼却施設が、私たちの働いている職場や住んでいる地域の周辺に無数にあるのをご存じでしょうか? なんと焼却施設の数が全国で10000、県下で500もあると言われているのです。問題は発がん性から環境ホルモン物質まで、その超毒性が騒がれながらダイオキシン類の発生源となる焼却施設がどこにどのくらいあるのか知らされていないことです。とりわけ、民間の企業内焼却施設についてはこれまで市民の監視の目が届かずダイオキシン類の発生抑制や排出規制が立ち遅れてきたのではないでしょうか?
 (株)荏原製作所藤沢工場の汚染事故は数ある企業内焼却施設の問題の氷山の一角なのです。

身の周りの焼却施設の情報公開を!

 事は身近にあるダイオキシン類の発生源をまず知ることからしかはじまりません。別表(準備中)の焼却施設一覧は、県に情報公開請求して明らかにしたものですが、廃掃法で許可されている比較的大型の焼却施設だけでも県内に100近くあることになります。ダイオキシン類対策特別措置法に届け出義務のある小型の焼却施設も含めればその数が約500にも達します。その数の多さは法的規制の難しさを十分に想像せしめるものです。そして、次に多くの焼却施設で働く労働者のダイオキシン類曝露の問題があることにもっと市民的な監視の目を光らせていかなければなりません。焼却炉の清掃や修理に従事する労働者のほとんどが下請け、社外化されており、労働安全衛生の規制の網の外におかれているからです。高濃度のダイオキシン類で汚染された(株)荏原製作所藤沢工場の構内の汚泥処理や最終処分場への運搬を行なった下請けの労働者曝露の追跡が一つの手掛かりとなるでしょう。発生源から処分先まで情報交換も含めた労働者と市民による共同のダイオキシン類監視ネットワークが必要な所以です。

焼却施設解体現場を監視しよう!

 事態は緊急性を要します。7月14日、労働省は大阪・能勢の清掃工場の焼却施設を解体した労働者から5000ピコを越える高濃度のダイオキシン類が検出されたことから、解体工事を請け負う業者に解体工事の中断を指示しました。全国で年間100〜300とも言われる焼却施設の解体現場で既に高濃度のダイオキシン類曝露が起きていることも考えられるのです。労働省に対して、またその出先機関である労働局や労働基準監督署に対して早急に全国各地の焼却施設の解体工事の実態を明らかにさせていかなければなりません。そして、業者団体ばかりでなく焼却施設をもつ事業者にも指導・監督を徹底させるよう要請していかなければなりません。さらにこの焼却施設解体工事問題に関する要請が労働者と市民の共同の要請として各地で取り組まれることを期待したいと思います。

■ストップ・ザ・ダイオキシン住民の会
代  表  戸 田  摂

(社)神奈川労災職業病センター
230-0062横浜市鶴見区豊岡町20−9 サン豊岡505号 ・045-573-4289
                                   事務局長  西 田 隆 重




荏原製作所 藤沢工場の
ダイオキシン流出事件について

ストップ・ザ・ダイオキシン住民の会 通信59号(4/16)より
 私たちの身近である引地川に7年間もの間、ダイオキシンが8100pg/l(河川のガイドライン1pg/l)という高い濃度で排水されていたことが3月21日判明し、25日各新聞で報道されました。市と県は調査計画の中で引地川、原因者、地下水、海域、海水浴場水質、底質、砂浜、魚介類46項目にわたり調査分析中です。(4月下旬結果判明)
 3/26に予定されていたサーフィン大会はいち早く延期となり、下記自治会、子ども会、団体では住民の希望により荏原製作所と市に事件の説明を申し入れ、各所、熱い意見が交わされています。
 焼却炉メーカーである荏原製作所がダイオキシンを排出していたことは、残念でなりません。環境対策をしていた荏原が取得していた「ISO14001」規格もまた見直しが必要となっていくでしょう。今回、どうしてこのような事件が起きてしまったのでしょうか。
 10年近くにわたり、藤沢のダイオキシン濃度が高いことが新聞で報道され、市民は、そのたびに市に調査のお願いをしてきましたが「国や県の動きを見てから」ということで手だてを打ってきませんでした。
 焼却炉からの「排煙」にとらわれ、160ng/Nm
3排出されていた石名坂焼却炉の改修工事までこぎ着け、去年度で工事がおわりまずは「一安心」と思っていたところ、「排水」というところの問題が浮上したわけです。
 通常、焼却炉の排ガス洗浄水は薬品処理されたのち、汚水管を通っていくのですが、そのダイオキシンを含んだ汚水がそのまま雨水配水管を通って引地川に流れ込んでいたというのが今回の事件の経緯です。
 緊急集会の中で、「7年間にどのくらいのダイオキシンが引地川を通って相模湾に流れ蓄積されたのか知りたい」という質問には、「困難」という回答でした。しかし、事業所のごみの種類は木くず、紙くず、廃プラスチック、有機性汚泥、水溶性廃液と限られており、割合がわかればダイオキシン量は計算である程度わかるものなのですが、実験炉も持っているメーカーがデーターを取っていないのか言わないのか、今のところ定かではありません。
 また、終末処理汚泥を工場の敷地内にまいていたことは、働いている人たちの健康被害をも懸念される重大なことと思います。
 このような1t/h規模の焼却炉を持っている事業所が、市内で64カ所もあるということです。これらの事業所が、どれだけ環境対策をとっているか公表してほしいと思います。
 子や孫には、循環型の、私たちの目に見えるごみとの関わりを残して行くことが本当の意味での愛情であり、まして危険との背中合わせを押しつけてはならないと思います。
 「目に見えないダイオキシンの対策」は、「目に見えるごみ対策」を地道に継続させることが近道ではないかと思います。
 市がよく口にしていた「少量ですから安全です」ということばは、少なくとも市の焼却炉、クロマツ、母乳、引地川のデーターから見ても藤沢では使える状態ではなくなったいま、「生態系調査の予定が検討中」とのことですが、すでに十分対応が遅いのですから、ダイオキシン被害が子や孫に及ばないよう一刻も早く対策を強めて市民に公表してほしいと切に願っています。
 そして、引地川や相模湾でつりや水遊びに興じる子どもの生き生きとした姿を早く取り戻すため、私たちも努力を惜しんではならないと思います。一人ひとりの声を市へ届けてください。                         戸田摂


引地川ダイオキシン汚染問題についての要望書
藤沢市長 山本捷雄殿         ストップ・ザ・ダイオキシン住民の会
 引地川は市民にとって憩いの場として親しまれてきました。特に親水公園は、魚、鳥、水生生物を身近に触れることができ、大切な場所として大変喜ばれています。
 しかし、その引地川がダイオキシンに汚染されていることを私たちは非常に憤慨しています。
 市長の言われる「一生、安心して暮らせる街」であるために以下のことを早急に実施していただきたく、要望いたします。

1.引地川の汚染地区を特定し、「立入禁止」とすること
2.引地川河口及び市内の河川のダイオキシン調査
3.川底のダイオキシン調査
4.相模湾の魚(シラス、アジ、イカ、タイ)のダイオキシン調査
5.引地川の汚染についての住民への説明会を開くこと
6.市内64カ所の事業所内焼却炉の環境への影響状況の調査
7.御所見地区のエネルギーセンター建設の白紙撤回


 私たちの会で出した要望書の1.引地川の汚染地区を特定し、「立入禁止」とすることに対して、市役所が開いている市民電子会議室で、「立入禁止は川と人を離してしまう、行き過ぎではないか」というような意見が寄せられています。
 このことに関して会としては、8,100ピコグラムという高濃度のダイオキシンが流れていたという事実をふまえ、非常に危険であると判断し「立入禁止」の要望書を出しました。今後は調査結果及び市の回答が出た段階で再度検討したいと思います。

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