「引地川水系等汚染調査団(仮称)」の結成についての呼びかけ
2000年5月27日
止めよう! ダイオキシン汚染・関東ネットワーク
代表 佐 藤  禮 子
廃棄物処分場問題全国ネットワーク
代表 坪 井  照 子

1.趣旨 
 今般、神奈川県内綾瀬市・大和市・藤沢市内を流れる引地川水系において(株)荏原製作所藤沢工場や(株)エンバイロテック、藤沢市葛原一般廃棄物処分場など廃棄物処理施設等を発生源としたダイオキシン類による水系汚染が明らかになり、流域住民や漁業関係者の間で不安が広がっています。こうした水系汚染は、首都圏では横浜市内を流れるいたち川をはじめ、都内を流れる神田川や目黒川などでも魚介類の高度汚染が環境庁の調査結果当で明らかになっています。
 こうした相次ぐ環境汚染の発覚に対して、環境庁や地方自治体などによる詳細な汚染実態と発生原因の把握調査が進められようとしておりますが、行政による調査や対策の検討とともに、NGO市民サイドでも独自に調査を行い、その結果をもとに対策の実施を行政や汚染原因等に対して求めていくことも必要と思います。
 そこで、こうした取り組みを汚染が発覚した関係水系の流域住民を中心に、学者や研究者などの専門家の協力も得ながら、広域的な連携・支援のネットワークで取り組んでいくことが緊急の課題であると考え、「引地川水系統汚染調査団(仮称)」を結成するものです。

2.「引地川水系統汚染調査団(仮称)」の内容
(1)調査団結成の目的
 汚染水系を抱えた流域住民(農漁民も含む)と学者・研究者などの専門家及びダイオキシン問題など環境問題・廃棄物問題などに取り組んでいるNGO市民団体等の関係者が協力して、これら汚染水系の汚染の実態と汚染の原因を明らかにすることによって、行政等が汚染原因の除去や対策などを講じることに役立てることを目的に、調査団を結成するものです。
(2)取り組み対象水系
 調査団でとりくむ対象水系は、以下の水系とします。その後の行政等の調査によってさらに汚染水系が新たに明らかになった場合には、これらの水系も順次対象としていきます。
    注)「汚染水系」とは、当面環境庁でとらえている考え方を参考として、河川等の水質がダイオキシン類特別措置法による環境基準の1pg-TEQ/gを超えている水系もしくは魚介類中のダイオキシン類濃度が高濃度(一応の目安として5pg-TEQ/gを超える濃度)である水系をいうものとする。
1)神奈川県内
  1. 引地川水系(綾瀬市・大和市・藤沢市)
  2. いたち川(横浜市)
2)東京都内
  1. 神田川
  2. 目黒川
(3)調査団の構成
 調査団は、汚染水系の流域住民(農漁民も含む)と学者・研究者などの専門家及びダイオキシン類等の分析にボランティア的立場で協力してくれる分析期間(民間の分析会社も含む)及び環境問題や廃棄物問題などにNGO市民の立場で取り組んでいる市民団体等の関係者で構成します。
 なお、上記の調査団の趣旨や目的から、行政機関の関係者は当面除外しますが、ただし、NGO市民の立場でボランティア的に取り組みに協力する行政機関の職員は構成メンバーに含めることとします。
 調査団には、代表(団長)、事務局長、会計、幹事などの役員のほか、顧問を置くこととします。
(4)調査団の取り組み内容
  1. 調査項目
     調査項目は、汚染水系の主にダイオキシン類の調査を目的として活動しますが、汚染原因とそれに対する対策を検討する上で必要な関連物質(重金属類をはじめ、内分泌攪乱物質等)についても調査対象とします。
  2. 調査対象
     調査対象は、汚染水系の環境水質(底質も含む)、工場等発生源の排出水質、水生生物等とします。
  3. その他の活動
     調査団では、実地調査だけでなく、行政機関等が実施した調査結果の評価・分析等も行うこことします。


3.調査団の結成手続き
(1)事前打ち合わせ
 4月30日に実施した事前(下見)調査に参加された団体、個人を含めて、調査団に参加を希望される方もしくは積極的に参加をお願いしたい関係者等に呼びかけを拡大していきながら、事前に数回(月一回の開催頻度)の打合会等を行うこととします。
(2)調査団の結成と本格的調査の実施
 前項の呼びかけの結果、一応の関係者の参加見込みが確定した段階で、調査団の結成総会を開催し、正式に発足させるとともに、調査団による本格調査の実施を行います。
 その時期は、月一回の打合会の開催頻度を考慮して、秋頃(9〜10月)としたいと思います。
(3)調査団の役員の選出
 調査団の構成から、呼びかけ団体及び調査対象水系の関係団体それぞれから複数の幹事を選出し、それらの中から代表世話人を数名選出することとします。

4.当面の活動予定・日程
(1)第一回目打合会の日程
 5月27日、28日に廃棄物処分場問色題全国ネットワーク主催の廃棄物処分場問題全国集会が神奈川県内で開催されますので、その機会をとらえて呼びかけを行い、6月下旬頃に第一回目の打合会を開催したいと思います。
(2)第2回目事前(下見)調査の実施
 4月30日にの事前調査では、時間的な制約から全行程にわたっての詳細な事前調査ができなかったことと、それ以降に参加を希望される方も対象に、第2回目の事前調査を6月上旬頃に実施したいと思います。

<問い合わせ先>
【事務局】〒152-0002 東京都目黒区目黒本町5-8-12 廃棄物問題市民活動センター内
     tel:03-3712-9753   fax:03-3712-3015

     http://www.jca.apc.org/~nada/
【事務局分室】
〒272-0821 千葉県市川市下貝塚2-19-2  藤原寿和 方
     tel/fax:047-373-4006
   
  E-mail:
QZGO7170@nifty.ne.jp


止めよう! ダイオキシン汚染・関東ネットワーク
 
申入書
2000年3月27日
株式会社 荏原製作所
代表取締役社長 前 田  滋 様

止めよう! ダイオキシン汚染・関東ネットワーク
代表 佐 藤  禮 子

 私たちは、今般明らかになった貴社藤沢工場の高濃度ダイオキシン汚染排水の垂れ流し問題は、きわめて重大な事件と受け止めています。新聞報道によれば、垂れ流しの原因が配水管の誤接続で、廃棄物焼却炉の設置以来、8年間にわたって発見できなかったという説明に、ただあきれるばかりでなく、納得いかない思いを強く抱いていおります。夫れはISO14001を取得されている「環境企業」との評判が高い貴社にあっては致命的なことだからです。
 そこで、以下の疑問点をお尋ねしますので、ご回答下さるよう申し入れます。
 
  1. 問題の廃棄物焼却炉(以下、当焼却炉と略す)の規模(焼却能力)、形式、メーカー名、排ガス除去施設の種類とその性能等について明らかにしてください。

  2. 当焼却炉で焼却していた廃棄物の種類(廃プラスチック類については樹脂名も)、焼却量を年次毎に明らかにしてください。

  3. 当焼却炉の排ガス、排水(洗浄水も含む)、廃汚水処理汚泥などのダイオキシン類及びその他の大気汚染防止法、水質汚濁防止法等で定められた排出項目に関する測定分析結果の詳細を全面的に公表してください。

  4. ISO認証取得時に、問題の廃棄物焼却炉に対する内部調査結果と、認証期間による審査状況(審査担当者名、審査の内容、審査の結果等)について、可能な限り全面的に公表してください。

  5. 過去の公共用水域におけるダイオキシン類調査の結果、当工場の排水が流入する引地川の水質が異常に高いということが明らかになっていましたが、その際に、自社の排水が関係していないかどうかの調査を行ったことはないのですか。

  6. 廃棄物焼却炉の排ガス洗浄水のダイオキシン類濃度が高いということは、この道の専門家である貴社においては当然周知されていたと思いますが、藤沢工場はじめ全国の工場に対して調査を指示されたことはないのですか。

  7. 引地川の水域環境にもたらした影響について把握するための詳細な実態調査(水質、底質、魚介類等)を行う考えはありますか。その場合、貴社だけでなく、第三者機関による客観的な調査計画の立案、実施、結果の解析、公表等を行う考えはありますか。

  8. 今回の問題について、地元住民や学者・研究者等に対するリスク・コミュニケーションを実施するお考えはありますか。

  9. 藤沢工場以外の廃棄物焼却炉の設置とその稼働状況、ダイオキシン類等の分析状況について明らかにしてください。

  10. 今回の事件に対する今後の対応方針について明らかにしてください。

以上
 なお、ご回答は書面により4月10日までに下記宛FAXもしくは郵送にてお送り下さるようお願いします。
                         藤原寿和気付
        止めよう! ダイオキシン汚染・関東ネットワーク  
 


弊社藤沢工場ダイオキシン流出問題について
2000年4月28日
止めよう! ダイオキシン汚染・関東ネットワーク
代表 佐 藤  禮 子 様
株式会社 荏原製作所
広報室長 村 木 善 郎

 前略 弊社藤沢工場自家用焼却スクラバ排水によるダイオキシン流出問題につきまして多大なるご心配とご迷惑をおかけしました事を心よりお詫び申し上げます。
 さて、懸案となっておりました、2000年3月27日付け貴申入書によるご質問につき、次の通りご回答を申し上げます。
  1. ご質問事項1について
     焼却炉の規模 :1250kg/h
     型     式:ICFB(内部循環型層温制御方式)
     メーカー 名 :荏原製作所
     排ガス除去施設:バグフィルタ+ガス洗浄塔
  2. ご質問事項2について
     焼却していたのは弊社藤沢工場並びに羽田工場から発生する廃棄物(木くず、紙くず、廃プラスチック、有機性汚泥、水溶性廃液)で、焼却量は役1200トン/年になります。
  3. ご質問事項3について
     煙突出口の排ガスのダイオキシン濃度は、法規制に基づき平成9年以降年2回の測定を行っております。
       平成 9年 17.12ng-TEQ/m3N
       平成10年 12.14
       平成11年  9.2
             4.2
     焼却施設からの配水は、構内の終末処理場に導かれ他の排水と主に処理され、水質の管理をする工程になっていたため、当該排水の単独データは採取しておりません。終末処理場出口での水質は基準値をクリアしております。
     尚、上記以外のデータにつきましては、弊社において調査を進める一方、行政当局においても調査がなされており、いずれも、今しばらく時間を要するところであります。弊社と致しましては、これらの調査結果を待って、回答させていただく所存でございます。何卒よろしくご理解のほどお願い申し上げます。
  4. ご質問事項4について
     ISO14001の審査は、弊社が構築したマネジメントシステムが、ISOに定めた規定と比較し条件を満たすものであるかを(株)SGS ICS Japanにより実施されました。その際、当該焼却炉は藤沢工場で定めた環境影響評価規定に則り、環境影響を与える諸要素(大気放出、水中への放出、廃棄物等)を伴う環境側面として認識され、排ガスの定期的な調査分析、終末処理場における処理水質の一括管理、焼却灰の産業廃棄物処理業者への処理委託の実施を定め、その管理手順が審査されました。審査委担当名に関しましてはお答えを差し控えさせていただきます。
  5. ご質問事項5について
     ダイオキシン類対策特別措置法の施行を控え、昨年末終末処理場処理水のダイオキシン類の検査をし、ガイドラインをクリアしていたので、当該調査データと自社排水との因果関係は全く想起いたしませんでいた。
  6. ご質問事項6,9について
     弊社の廃棄物焼却施設は藤沢工場のみで、他の工場は焼却施設はありません。
  7. ご質問事項7について
     水質、底質、魚介類などの周辺環境状況の把握につきましては行政当局が実施されたいると伺っておりますので、その結果をお待ちしたいと考えております。
  8. ご質問事項8について
     
    事故発生直後に地元の方々に状況説明を行いました。今後は行政当局の調査結果を待った上で検討していきたいと考えております。
  9. ご質問事項10について
     今回の事故に対して、弊社は直ちに社長を長とする「藤沢工場ダイオキシン対策本部」を設置し、対応策の検討・実施に全力を挙げて力を注いでおります。
     住民の皆様の不安解消に向けた対応策を第一とすると共に、事故原因の徹底的究明、全事業書(関連会社を含む)を対象とする設備運営・ルール等のあらゆる面からの再発防止策の実施により、自らの営みに関わる環境管理・監査指導体制の強化を可及的速やかにすすめる所存です。

以上、ご質問に対するご回答を申し上げます。         草々


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