荏原ダイオキシン関連の動き
 藤沢市は引地川へのダイオキシン流出事件を2000年に起した荏原製作所に対し、この6月、実費弁償5894万円を請求することを明らかにしました。この中には調査分析費用、市民の血液,母乳検査費用などが含まれます。また7月23日には市議会が荏原藤沢工場の改善工事完了情況を視察しました。
 荏原ダイオキシン問題市民対策会議は事件2周年に当たる3月、声明を発表すると共に、荏原製作所へ下記の要望書を提出しました。回答は文書では得られず、口頭回答が5月になされ、その内容確認に手間取り、6月末に、回答に基づく生態系への影響調査計画に関する話し合いの要望を提出しました。
 この間、荏原製作所は様々な理由で回答などを引き延ばし、ダイオキシンの生態系への影響調査についても、調査の必要性は認めていますが、話し合いには応じないとの態度をとっています。湘南地域の市民への責任を誠実に果たしていただきたいと思います。 (青柳)
2002年3月21日

株式会社荏原製作所代表取締役社長 依田正稔様

荏原ダイオキシン問題市民対策会議
代表 井之川平等 川崎健 戸田摂 山本範子

ダイオキシン汚染に対する責任を求める要望書

 引地川ダイオキシン類流出事件発覚以来2年の年月が経過しようとしております。
 排出源は特定されたものの、事態の根本解決はなされないまま今日に至っております。この間に、ダイオキシンに汚染された底泥は、引地川から湘南の海に流出し、江ノ島周辺海域へと汚染は拡大されました。汚染者負担の原則に照らして、以下の事項について、貴社が責任を果たすよう要望いたします。

  1.  改善計画の実施・完了状況、焼却残渣、灰、汚泥、汚水などの最終処分に関する安全管理などの改善状況を説明していただきたい。
     また、ガス化溶融炉再開、焼却炉解体も含め、責任をどう果たそうとしているのかを伺いたい。

  2.  工場周辺地域の汚染土壌を調査し、除去していただきたい。
    貴社の焼却施設から7年5ヶ月にわたり、高濃度のダイオキシンが環境中へ排出されました。事件発覚当時、工場敷地内に局部的に高濃度のダイオキシン汚染が見られたのは煤じんが飛散した結果と考えられ、それが工場周辺土壌を汚染している恐れがあります。

  3.  引地川と湘南の海を元に戻すために、汚染底泥の除去をしていただきたい。
     「河川の監督官庁である行政のご指導に従って対応させて頂きます。」とのご回答を2001年6月にいただきましたが、私達は底質の基準がどう決まろうと、江ノ島西や相模湾央が相模湾全体平均の約5倍、全国平均の約2倍汚染されている状況を見過ごすわけにはいきません(平成12年県,国調査)。
     流出したダイオキシン類は川から海へと拡散されたと言われ、引地川河口や江ノ島のムラサキイガイは他と異なる焼却由来のダイオキシン類汚染が見られると、民間調査で指摘されています。
     貴社の持つ、世界に誇る技術を発揮して、この湘南の海を浄化していただきたい。

  4.  水生生物など生態系へのダイオキシン影響調査、またはその費用負担をしていただきたい。
     人体へは、食物から90%以上が取りこまれるというダイオキシン類は、食物連鎖で5000〜10000倍の高濃度に濃縮されると言います。
     2001年6月回答でこの調査について「企業として社会的責任を果たす手段として、荏原環境基金を設立し、具体的な運用について検討しています。」とのご回答でした。早急な対応をしていただきたい。

  5.  人体への影響調査について、周辺住民及び荏原従業員の血液中ダイオキシン類濃度調査を実施していただきたい。

以上   

「ダイオキシン汚染に対する責任を求める要望書」に対する
(株)荏原製作所の回答について

荏原ダイオキシン問題市民対策会議

 当会議から(株)荏原に対して要望を3月に提出し、文書による回答を求めたところ、(株)荏原からは、文書による回答はできないが口頭による回答は可能との事で、5月10日事務局長ほか4名が荏原藤沢事業所へ出向いた。総務部長が対応し、回答の主旨は次の通りである。
  1. についての回答
    1. 説明会、見学会については、構内は安全管理上またノウハウ(企業秘密)の問題があり考えていません。
    2. 焼却炉・配管などダイオキシン汚染部分については現状維持の指示により、
      一切そのままの状態で塞いであります。
    3. 事故炉を除く工場全体で、雨水に汚染水が混入することを防ぐ処理は講じてあり、具体的な内容は公開済みです。
    4. 炉解体、ガス化溶融炉再開は未定です。
  2. についての回答
        周辺自治会とこれからも話し合いをいたします。

  3. についての回答
    1. 意見として、伺います。
    2. 土壌浄化技術は保有していますが、海などへの広域、深海などについては、難しいです。
    3. 当社だけで責任をとるというのはおかしいです。
  4. についての回答
    1. 荏原環境基金については全国から申し込みがある場合、選定が難しくなります。
    2. 食物連鎖の関係から引地川の水生生物や、魚を食べる鳥類の調査については良い意見なのでお聞きしておきます。
    3. 市民団体等の生態系へのダイオキシン調査については、資金計画の提出があれば考慮します。
    4. 福祉の問題など社会貢献の考えはあります。
  5. についての回答
    1. 従業員についてはノーコメントです。血中濃度調査などは、プライバシーに関することであり、配慮が必要です。現在の法律的要求事項(労働安全衛生法)ではありません。
    2. 周辺住民調査もノーコメントです。
    3. 何ピコあったからどうこうという体への影響については医学的にまだ明確にされていません。

以上

(荏原製作所へ)
生態系へのダイオキシン影響調査事業計画についての話し合いの申し入れ

2002年6月28日
荏原ダイオキシン問題市民対策会議

 事件2周年に当たる3月の当会議要望書へのご回答を5月に口頭回答いただき、ありがとうございました。
 地元周辺地域に対する前向きな姿勢を評価したいと思います。
 特に生態系へのダイオキシン影響調査については、国、県で調査を始めたばかりであり、食物連鎖による生物濃縮などについては、まだ全容が解明されておりません。
 そこで、全国に先駆けて引地川河口域の生態系へのダイオキシン影響調査を、先進的手法を用いて学問的にも充分評価できる調査をし、私達の生命を幾世代にもわたって安全に守ることができる周辺環境をつくり出し、環境都市藤沢の再生を果たしたいと願っております。
 幸い、当会議の代表の1人、川崎健は、海洋生態学専門の東北大学名誉教授ですので、氏の指導を得て、早速、事業計画案を鋭意作成中です。
  この事業計画案および資金計画等について、7月25日までに是非話し合いを持ちたいと思います。ついては,日時の設定などよろしくご配慮お願いいたします。

以上


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