私たちは、藤沢市におけるダイオキシン汚染問題に強い関心を持ち、10年前の市の石名坂焼却場での高濃度ダイオキシン検出以来、随時市内の汚染の実態と被害状況を告発し、市民に警鐘を鳴らし、行政へその防止対策を要請するなど先進的な役割を果たしてきました。
昨年3月に発生した荏原製作所のダイオキシン汚染事故を契機に市民たちは、「荏原ダイオキシン問題市民対策会議」を結成し、問題の告発・原因究明・被害補償対策・事故再発防止対策要求などの運動を進めてきました。しかし、本問題に関する行政の対応は、「ダイオキシン類対策特別措置法では排出基準違反となるが、猶予期間中のため違反とならない。その他法律の罰則も適用できず、1ケ月間の指名停止措置と施設の改善勧告」「周辺地域での日常生活によって健康に影響が生じる恐れはないものと判断される。但し、引地川の魚類は食用に供さないことが望ましい」というもので「事実上の安全宣言」でした。また同法の不備については、藤沢市議会でも、見直しを求める意見書を国に提出しましたが、今もって回答がありません。
本問題はその後、事故炉の解体・ガス化溶融炉の実験再開問題など新たな展開を見せ、市民の心配は募っています。また、汚染された引地川の底泥はそのままで何の対策も講じられていないこと、市民の母乳・血液検査の結果も次世代に向けて長期間憂慮されることなど、私たちは未だ「安全宣言を出す段階ではない」と強く抗議しております。
昨年末、県内のダイオキシン類河川調査結果発表がありましたが、引地川水系では、底泥や水田土壌などで高濃度のダイオキシンが検出され、新たな汚染源も浮かび上がっております。加えて、市内葛原最終処分場、近隣の綾瀬市エンバイロテック焼却施設における高濃度のダイオキシンの検出、更にその他市内の公私の焼却施設や最終処分場からの排出懸念もあり、藤沢市は今や全国的にも有名なダイオキシン汚染地域となってしまいました。
ダイオキシンの人体や環境への汚染は、静かに潜行し拡大し続けています。しかしながら、藤沢市のダイオキシン汚染を止めることは、現行法令、県市条例では難しく、市民の目標である「CLEAN・FUJISAWA」の実現には、より実態を反映した市条例の制定が必要と考えます。私たちは、今まで対策会議等を通じて本問題に取り組んできましたが、市民の環境問題に対する意識が高まり、市民参加型の地方自治が求められる今、私たち自身も時代に即応した対応策をとる必要があると判断し「荏原ダイオキシン問題市民対策会議」から独立した別組織の市民運動として、より幅広い市民参加型の「藤沢からダイオキシン汚染をなくす条例研究会」を新たに発足させることといたしました。
私たちは、条例制定こそ問題解決への道と考え、市民有志、各種市民団体、議会、大学、研究機関、専門家等に呼びかけ、1年以内を目途に条例案を市民自ら研究・策定の上、全市民・団体に提案し、多数の賛同を得て市議会に働きかけて行きたいと思っております。新たな市条例の内容に関する詳細は今後の議論によりますが、検討すべき課題として次のようなことを考えています。
- 全市民の命を守るために、市民、事業者、行政がダイオキシン類等環境汚染物質を排出しないことを、最優先課題とすることに合意・宣言する条項や全面的な情報公開、市民合意手続き等を内容とする基本的条例。
- ダイオキシン等環境汚染物質の発生段階から排出、最終処分に至るまでの諸規制基準、手続き、市民・事業者・行政の責任、処罰等を規定する個別的条例。
当面、ダイオキシン類等による環境汚染防止を、条例制定(研究、運動)のターゲットとするものの、問題の本質、対象はより広範囲なものと考えます。現在享受している物質的豊かさが、将来の市民社会の脅威になりつつあると認識される時代に生きる私たちは、自らも負担を負う覚悟を持つ必要があります。かかる認識に立脚し、新しい市民運動を目指して、多数の市民のみなさんが本条例研究会に参加されることを切にお願いする次第です。
平成13年 2月 26日
呼びかけ市民有志 (2月26日現在)
青柳節子 五十嵐孝子 井之川平等 槐一男
大貫清一 大貫紀生 加藤なお子 加藤満津子
金子英司 金田富佐江 川崎健 菊地浩吉
栗原陽子 小林麻須男 諏訪謙司 田中由美子
戸田摂 那波新平 西山泰生 野本哲夫
畑本雅子 羽生美和子 古屋昌寿 宮地俊作
村田泰子 山本範子 渡辺貴美子 渡辺博明
呼びかけ提起団体として
荏原ダイオキシン問題市民対策会議
(連絡先) 住所 藤沢市辻堂4−5−32 戸田 摂
電話・FAX 0466−34−7409
(藤沢からダイオキシン汚染をなくす条例研究会)
E-mail:kankyou-zyourei@mtd.biglobe.ne.jp