2001年6月29日

6月14日付市民対策会議からの質問に対する回答

M荏原製作所

事故炉のダイオキシン発生原因について

1.「焼却残さの大量ダイオキシン汚染原因と管理について」

質問1 法的規制は、飛灰については平成14年度より3ngと規制されているが荏原の場合115ngと大幅に上回っているが、何故か。規制がないから良いと済まされる問題ではないと思います。
回答1 本年1月15日及び2月28日付回答書のとおりです。
 飛灰中のダイオキシン類濃度が高いレベルであった事は認識しています。
 ダイオキシン類が比較的発生しやすかった原因としては下記と考えています。
 ICFB施設は操業が昼間の8時間に限られるため、立ち上げ、立ち下げの非定常時にダイオキシン類が発生しやすかった
 また、ダイオキシン類の再合成が起こりやすいといわれる300℃付近で熱回収を行うシステムであったこともダイオキシン類が再合成しやすい条件となっていた

質問2 マニフェスト管理といっているが、写真に見るとおり、和英堂興産上川井処分場廃棄物を野積みしているだけで、風が吹けば向こうの団地まで舞てゆくような状態であった。貴社はこの実態をどう見るか、また、発生排出元責任として訪問検証を行ってきたどうかご回答下さい。
回答2 弊社の廃棄物管理の責任者が現地を訪問し、管理型処分場として法に基づく管理を適正に行っていることを確認しています。

2.「焼却残さ(燃え殻と飛灰)中のダイオキシン総量について」
質問3 残さという表現は、燃え殻+飛灰のことだが、これまでの説明では飛灰の中に48gのダイオキシンが含まれていたということであったと思うがどうか、また、燃殻の中にダイオキシンはどれくらい含まれていたか教えて下さい。
回答3 本年1月15日付回答書のとおり、飛灰中のダイオキシン総量は48gと推計しています。
 燃殻中のダイオキシン類は極めて低濃度です。

3.「立ち上げ、立ち下げ時のダイオキシン発生について」
質問4 立ち上がり時は、バーナ等で砂、炉床温度を800度程度まで上げ、燃焼物を投入する手順となっているが、貴社の説明で言う、まだ焼却物を投入しない立上げ時にダイオキシンが発生しやすいというのは、空だき状態でそれまで砂や炉内に付着していたものからダイオキシンが発生したということなのか、あるいは温度が上がっていないのに燃焼物を投入したということなのか、説明してください。
 また、立ち下げ時も燃焼物を投入しなくなってからダイオキシンが発生したというのか説明して下さい。
回答4 立ち上げ、立ち下げ時にはプラント内の温度が完全には定常状態に達しないため、定常運転時に比べ比較的ダイオキシンの発生量が多くなります。
 なお、砂や炉内の付着物からのダイオキシンの発生は殆どありません

質問5 貴社は廃棄物学会論文で、炉頂温度を30分以内に800度まで上げるため、助燃バーナを設置するとしているが、今回の事故炉には助燃バーナが設置されていたかどうか、また、800度より温度が下がったときにごみ投入をストップさせるシステム、あるいは助燃バーナで温度を上げるシステムはあったのかどうか、説明して下さい。
回答5 助燃バーナは設置されていました
自動的にストップさせるシステムはありませんが、温度上昇を確認して焼却物を投入すること、並びに運転中は適正温度に保つようにすることを運転手順書に規定し、作業者に対する教育も行っていました。

質問6 当会は、これまで再三貴社に対し、ダイオキシン発生について、燃焼物との関連の問題を提起してきましたが、これまで一度もこの問題に関する回答がありませんでした。今回の事故をおこした焼却炉は、単に都市ごみを燃やす焼却炉ではありません。廃プラスチック、有機性汚泥、水溶性廃液、廃塗料カス等の産業廃棄物を燃やす産廃焼却炉です。
 こうしたダイオキシンを含んだ廃棄物が800度程度の温度では燃えきらず、飛灰となって排出されたことが、ダイオキシン発生の最大の要既と考えますが、貴社の意見をお聞かせ下さい。またバッチ式の焼却炉に、燃えにくい産廃物を大量に投入したことにも無理があったのではないでしょうか。
回答6 燃焼物自身に含まれるダイオキシンは極めて微量です。
 カロリーの低い有機性汚泥や水溶性廃液は運転温度の高い時に少量ずつ投入していました。

4.「排ガス冷却300℃通過によるダイオキシン再合成について」
質問7 300℃を通過するシステムというは当初の基本設計の段階からの設計ミスという事なのか、冷却装置の能力不足で300℃にしかならなかったのか。
 また、神奈川県当局の説明では冷却装置で急速に温度が下がらなかった為高濃度のダイオキシンが発生したとの見解も示されているが、これらの点についても説明して下さい。
 また、どの程度の温度まで下げれば再合成は起こらなかったと考えておられるのでしょうか。
回答7 排ガスの冷却において、水噴霧方式に比べると熱回収方式は排ガス冷却に要する時間が長く、比較的再合成が起こりやすいといえます。

5.「排ガスの基準クリアのみでなく、バグフィルター内飛灰等の汚染実態について」
質問8 貴社の回答は常に排ガスだけを問題にしているが、今日のダイオキシン問題は単に排ガスだけでなく、排水、焼却灰、土壌汚染も規制される時代となっております。バグフィルターで除塵された飛灰の中に高濃度のダイオキシンが含まれています。これは一体どこから発生したのでしょう。説明して下さい。
回答8 発生原因については回答1と同じです。

6.「スクラバー排水の豊能美化センターとの比較問題について」
質問9 貴社のスクラバー排水はOF排水です、豊能の洗煙排水は内部循環濃縮排水と思われます。
 豊能のデータの出典と焼却量、排ガス量、排水量、運転時間等を教えて下さい。単純に比較できる数値かどうか検討してみたいと思います。
 また、この回答の主旨は、貴社の排出した量は、問題にするほどの量ではないと言わんとしているのでしょうか
回答9 豊能美化センターのデータについてはインターネットの
   http://wwwl.mhlw.go.Jp/shingi/s9906/txt/s0621-3_14.tXt
    アドレスで公表されています。

質問10 貴社の6月の回答では、スクラバー排水中のダイオキシンは、ほとんどがSSに付着したものであり、…現在でも基本的認識は変わらない、と述べていますが、この場合、貴社の言うSSとは一体何なのでしょうか。煤塵なのでしょうか、飛灰なのでしょうか、それとも別の物質なのでしょうか。貴社の見解を教えて下さい。
 また、今回の回答の後段で、ダイオキシン類は水に溶けにくいものの、溶解度ゼロというわけではありませんという認識を示していますが、これは貴社の研究による結論なのか、他の研究による引き合いによるものなのか、認識を変えた根拠を示してください。
回答10 SSは大部分が煤塵と想定しています。
 水に対する溶解度についての認識は従前と変わっていません。一般的な知見です。

7.「神奈川県に提出済みの貴社『試験焼却時のダイオキシン類データ』の開示について」
質問11 貴社が神奈川県に提出した「試験焼却時のダイオキシン類データ」の数値はスミ消しがしてあって内容が解かりません。増加の事例を示した数値のようなので、この資料を公開してください。
回答11 企業の技術ノウハウに関わりますので公表できません

質問12 貴社は今回の事例で、貴社のデータから、バグフィルターやスクラバからどの程度ダイオキシン量が生成されたと判断しているのでしょうか。
回答12 本年1月15日付回答書のとおりです。
 スクラバーやバグフィルターにおけるダイオキシン類の挙動については、最近でもそれぞれの過程でダイオキシン類総量が増加する例が報告されており、そのメカニズム解明には今後の系統的なデータの詳細な解析を待つ必要があります

8.「ダイオキシンの生成をスクラバ及びバグフィルターの上流について議論する」ことについて
質問13 ここでいう上流とは焼却炉や冷却塔のことをさしているのでしょうか。また、ダイオキシンはバグフィルターやスクラバから再合成されたものが主であり、焼却炉や冷却塔から発生したものではないといっているのでしょうか。
回答13 上流とはスクラバー及びバグフィルターを含む上流側の機器を意味しています。

質問14 それでは飛灰中のダイオキシンは何処で生成されたものでしょうか。
回答14 問12、13でお答えしたとおり、各々の機器がどの程度影響があったかは今後の解析を待つ必要があります

9.「焼却炉の操業データについて」
質問15 貴社は、この資料は監督官庁に提出済としていますが、スミ塗りが多くて中身が解りません。この資料を公開してください。
回答15 技術ノウハウに関わる部分については非公開とさせて頂いております。

10.「飛灰とダイオキシンの結合について」
質問16 流動床炉の特長は、排ガスと一緒に飛灰が場外に排出されることです。ダイオキシンは浮遊固形物に結合しやすい物質であることは貴社も認めていることです。ダイオキシンを大量に発生させた所沢の炉も能勢町の炉もいずれも飛灰方式の流動床炉です。
 当会はダイオキシン飛灰結合説をとっていますが、貴社は一概にダイオキシンが飛灰に含まれるとは言えません、といっていますが、今回の事故炉でバグフィルターに捕捉された飛灰に高濃度のダイオキシンが含まれていたのはなぜか、再度、貴社の意見をお聞きしたい。
回答16 飛灰に対するダイオキシンについては質問1の回答どおりです。

11.「周辺土壌及び工場屋根のダイオキシンについて」
質問17 当会は、周辺土壌、工場屋根に降下した物質は、煤塵、もしくは飛灰ではないかと質問しているのですが、この点についてお答え下さい
回答17 降下物質の由来については特定出来ません

12.「解体事故炉内部のダイオキシン汚染調査について」
質問18 本件についてはなんら回答がありませんが、当会は、今回大量のダイオキシンを場外に排出したことから、炉内には、スケールその他の形でダイオキシンを含んだ物質が大量に付着していると考えられます
 能勢町の場合でも、解体は、ダイオキシン汚染で大変危険でした。昨年9月の労働省の通達でも、解体予定の事前ダイオキシン調査が義務づけられています。焼却灰、炉壁付着物、流動床砂、すす、タール、ボイラ付着物、煙道内飛灰、冷却・集塵設備内付着物飛灰、排煙冷却水、排水設備沈殿物の採取、分析が求められていますが、実施されているのかどうか、また、貴社として炉内付着ダイオキシンはどの程度と推定しているか、貴社の取組みと数値を教えてください
回答18 炉内の付着物等のサンプリングや分析は現在まで行っていません。解体にあたっては厚生労働省から本年4月25日に出された「廃乗物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露防止要綱」及び、これから施行される「改正労働安全衛生規則」に従い、実施する予定です。
 なお、解体時期については未定です。

「ダイオキシン汚染の事後処理に関して」

質問1. 川、海の汚染底泥除去一引地川と海を元に戻したいと思います。
回答1. 
昨年10月26日の説明及び10月31日付け回答書の通りです。
   河川の監督官庁である行政のご指導に従って対応させて頂きます。

質問2. 生態系への影響調査、並びにその費用負担
回答2. 企業として社会均斉任を果たす手段として、荏原環境基金を設立し、具体的な運用について検討しています.

質問3. 人体への影響の調査と対策特に、貴社焼却炉、研究機関等、ダイオキシン関連従業員の血液中ダイオキシン調査を早急に行い公表すること
回答3. 昨年10月26日の説明及び10月31日付け回答書の通りです。
 従業員に対してはこれまでダイオキシン特殊健康診断を行ってきています。血液中のダイオキシン類濃度の調査については検討中です。

質問4. 事故炉の解体、ガス化溶融炉の実験再開にあたっては、藤沢市、周辺住民、市民団体と安全協定を績んで、住民の理解と監視のもとにおこない、再び汚染間唐が起きぬよう努めること
回答4. 実施時期は未定ですが、流動床焼却炉の解体にあたっては、厚生労働省から本年4月25日に出された「廃棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露防止要綱」を遵守し、更に周辺環境の汚染防止を含めた解体施工計画書を作成、行政の許可を受け、十分な対策を行って実施していきます。なお、実施にあたっては周辺住民の方々のご理解を得て行います。
 また、ガス化溶融炉の実験再開も時期は未定ですが、再開にあたっては、行政の許可を受け、周辺住民の方々のご理解を得て行います。


上記回答を受けた荏原ダイオキシン市民対策会議は、ただちに「社長との話し合い」への回答がないことを抗議し、7月末、「再度地域との共生を求めます」の再要請文を提出した。




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