プロローグ
第一部 海の都の物語
第一章 「泥亀」と店童
赤か青か/中学中退/一顔一見主義/裕次郎の疎開話/
山陽電鉄脇の生家/自ら口にした異母兄/海と船のDNA
第二章 父母の面影
父親似と母親似/「バニティのある人」/「江ノ島」事件/
流刑/小樽遊廓/一升酒と積み取り人夫/日本版ゴールドラッシュ
第三章 樺太縦断
鈍色のオホーツク海/タラバガニを立ち食いし、北上はつづく/
無縁仏となった女郎たち/百二円と十二円/
小樽の海は真っ赤に染まっている
第四章 坂の上の家
サムライ部落/坊ちゃん刈り兄弟と電髪の母/「稲男」
第五葦 ドンちゃんの蕩冬
余市出身の芸者/もうひとりの「弟」/
「自分の世界で生きていく以外ない」/
鬼気さえ漂う放蕩の果てに/聞こえてこない仕事ぶり/
裕次郎コンプレックス/「エピソードをつくつちゃった」
第二部 早すぎた太陽
第一章 戦争の光と影
黒人兵の横浜上陸/江藤淳との出会い/左翼活動への傾倒/
本当の師/一隻の小さなヨット
第二章 十九歳の家父長
裕次郎が遺した戦慄的スケッチ/「ジェット機の慎ちゃん」/
銀行員と船員/伊藤整に無心して「一橋文芸」復刊
第三章 衝撃と反発
将来を予見した芥川賞選評/高橋和巳の嫉妬/豹変する語り手/
「二代目」石原慎太郎
第四章 浄霊ファミリー
鬼の棲家/ターキーの決断/「坂の上の雲」/
裕次郎と石川啄木/「太陽族元祖会」初代会長
第五章 無意識過剰
三島由紀夫という援軍/作品より、本人の方が魅力的/
行動派マルチタレント/「モナ・リザ」を残せるか/
秀逸な文学談義/十二年間の“キャンペーン期間”
第三部 「てっぺん」への疾走
第一章 若い日本の会
手を汚さないお坊ちゃんたち/新劇女優との熱愛/
「今度会ったら殴ってやる」/
思わず「中国」と言おうとして「シナ」
第二章 政治への跳梁
盗作事件/総理大臣の耳
第三章 密約と裏切り
三島と慎太郎の決定的な差/
中曽根に泣きついた衆院鞍替え選挙/
馬を売って応援した都議会の大物/青嵐会と角栄批判/
高速道路に置いてけぼり
第四章 唯一の汚点
都政の九割を牛耳る副知事・浜渦/
議員辞職の陰に幻の都知事選出馬/隠し子発覚で家族会議/
怪文書騒動/上田哲の分析
第五章 三度目の勝利
生活保守主義の台頭/ソデにされた訪米
/「恥をかくのはてめえの方だ」/
「パパァ」発言/マチズモの看板の真の小心さ
第六章 総理か都知事か
核爆弾となる浜渦問題/「愛宕山で終わる」
エピローグ
あとがき
石原憤太郎関連略年表
主要参考文献一覧
巻末/人名索引