核文明の時代 掲載されているURL

 今日世界の国際情勢、外交は核を持っているかいないかが決定的要因になっている。それが日本人はどうですか。核アレルギー、核の無知だけだ。たとえばいま高速増殖炉という技術があります。これは、画期的なエネルギーを出す。いままでの炉の何万倍の出力をもつ炉ですが、これを日本がうまくやったら、十五年ぐらい先にできるかもしれない。そういうことを、皆さんはほとんどご存じないでししょう。これができたら、おそらく十年、十五年先の産業の形態というのは変わってしまい、そして文化というものの形が変わってくる。そういう時代がきていながら、日本人は相変らず「核は困る。核アレルギーじゃない。とにかくわれわれは核を拒否する。それは人間として人間的な主張である」の一点張りです。

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『新旧の対決か調和か』経済往来社1969年より