何のための多民族社会?

 坂口安吾の『堕落論』ではないが、日本は一度、落ちるところまで堕ちなければ再生できないんじゃないか、という気もする。しかし、それではあまりに痛ましいし、私は政治家だから、何とかくい止めようと思ってやっているところです。
 実際に、アメリカのNIC(米国家情報会議)は、15年後には、日本は欧米と並ぶ世界の三極は構成し得ないだろうといっているよ。まず、日本人にその意志がない。人口も減っていくから労働力が低下し、次世代のタックスペイヤー(納税者)がいない、というのがその趣旨だ。とくに次世代のタックスペイヤーをつくりそこねたというのは、非常に鋭い指摘だと思う。
 労働力については、私は新しい移民時代が来たと思っている。移民をどんどん日本に入れて、新しいタックスペイヤーをつくるしかない。いま、外国人労働者を受け入れないから不法入国が増え、正規の仕事に就けない彼らが犯罪に走って日本の治安が脅かされている。スネークヘッドは、このまま放っておけば日本に定着し、マフィア化してしまうよ。
 もともと日本は多民族国家だったものを、徳川時代に鎖国したために国内だけで混血が進み、いわゆる「日本人」ができただけだ。その結果、外国人に対して妙に拒否反応がある。元来、ヘテロジーニアス(異なった要素が混じっている)な国なのだから、外国人労働者に門戸を開けばいい。

〜中略〜

 アメリカNICの分析には未公表部分があって、「このままでいくと、日本にはいろいろな不満が充満してきて、ひょっとするとクーデターが起こる。2032年ごろに、軍事政権どころか、独裁政権の時代が来るかもしれない」などといっている。
 それはそれで興味深いのだが、32年もたってからクーデターが起きたのでは間に合わないね。


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インタビュー『“奴隷”状態から脱し
自立した戦略を持つことができれば
日本は再生できる』
より

 一見、在日外国人の実状を知ろうとしているかのように見えますが、それも、税金を搾り取るために思えるのは考えすぎでしょうか。
 それに、在日外国人というと、この人にとっては犯罪と切っても切れないようですね。
 それに、相変わらずのクーデター大好き発言が。「北朝鮮ミサイル期待発言」「三宅島噴火歓迎発言」など、とにかく危機を煽って事を進めようとするのは誠実な為政者とは言えないのではないでしょうか。

(『JN』(実業の日本)2001.5月号
特集記事『日本はどうなる?』
実業之日本社 発行)