小学校6年生の社会科教科書「批判」


【1999年9月22日、都議会で】
(自民党都議が、2000年4月に都内の半分近くの地区で採用されるという小学校6年生の社会科教科書の内容を取り上げて質問。「(古代の)人々がその土地で取れる品物を都へ運んでいく」という場面の想像図が掲載されたページのコピーを石原に渡し、「苦痛の表情を浮かべ、黙々と大きな荷を背負う人々。歴史を最初に学ぶ6年生の子供に、日本という国は昔このようにして国民を酷使し苦しめた、と刷り込もうとする狙いは明らかだ」と指摘した。コピーを手にした石原は)
 暗くていかにも陰気ですなあ。人によって判断も違うだろうが、(教科書の記述などと合わせると)結果として自虐的な歴史観を感じる。
 私は日本の古代や中世に階級があり、階級支配、被支配があったのは決して否定しない。どの国もそうだった。ただ、それを拡大し、自分の国の歴史のイメージを相対的に暗くいやらしく、おぞましいものに感じさせるような教科書を個人的に好まないし、正確な歴史の記述とも言えない気がする。

(東京新聞社会部「ウォッチング石原」取材班著『石原慎太郎の東京大改革』、青春出版社)