日本が植民地争奪戦争に
参加したおかげで、
戦後かつての植民地が独立した


【小林よしのりとの対談】
石原 歴史教育では、やっぱり近代史から教えていかなきゃダメだよね。でも、近代の歴史原理は帝国主義しかなかったんだ。欧州の列強に植民地にされるか植民地を持つかというね。それで日本もやったわけだけど、おかげで世界各地で民族意識が目覚めて戦後かつての植民地は独立したわけでしょう。
(1999年8月25日/9月8日号『SAPIO』、小林よしのりとの対談)


【福田和也との対談】

韓国の朴正煕大統領がこんな話をしてくれました。彼の周囲にいるかつて軍人だったような威勢のいい連中は、酒に酔ってくると「日本はけしからん」と言いだす。それに対して朴大統領は「まあ、待て」となだめながら自らの歩みを語る。朴大統領は貧農の出身で、教育を受けたいと思いながら、とても無理だろうとあきらめていた。ところが日本がその統治下で義務教育制を敷いたことで、朴少年も学校に通うことができた。また満州軍官学校を首席で卒業した彼は、その特典で日本の陸軍士官学校に留学し、卒業します。日本は朴少年のような存在にそうした機会を与えた。
「日本人は名前を変えろとか生意気なこともやったけれど、私はおおむね彼らは公平にやったと思う」と朴大統領は述懐していたわけです。

(2000年1月4日付『産経』、福田和也との「新春正論対談」)


【2000年4月5日、東京都写真美術館でのジャーナリスト・筑紫哲也との対談で】

 レーニンが言ってるように、ヨーロッパ近代の繁栄は、植民地における豊富な資源の一方的な略奪と、現地における奴隷に近い安価な労働力の使役の上に成り立った、と言うけれど、その通りだと思う。
 それをなくしたが日本ですよ。日本の近代化はそれを壊しちゃった。あの第二次世界大戦が、日本は破れましたけれども、一つの引き金になって世界史を変えた。司馬遼太郎さんが書いてるみたいに、まさに坂の上の雲をつかんだ日露大戦で奇跡の勝利を得て、絶対にロシアの植民地だけにはなるまいと頑張った日本人が、つまり歴史の原理で、近代というのは歴史の原理で帝国主義ですから、これしかなかったんだから、いい悪いは別にして。結局、ミイラ取りがミイラになっちゃって、自分の植民地を持つようになって、いろんな戦争をやってきて。しかし結果、第二次大戦で、日本が参加して原爆で叩きのめされたけれども、あれで変わって植民地は独立したわけでしょ。だから、日本の近代化って意味があった。
(インターネット、毎日新聞のホームページ)