石原慎太郎東京都知事 様
 

抗議文

2000年8月20日


石原都知事は都議会での所信表明演説において、「来たる9月3日、東京を舞台に”ビッグレスキュー東京2000〜首都を救え”と命名した、都政史上最大規模の総合防災訓練を実施する。今回は総理大臣を責任者とする、陸・海・空の三軍がはじめて統合して加わる」と述べておられます。

 この訓練に参加する自衛隊員は7100人ー7800人。地震ではもっとも危険と指摘されている地下鉄を使っての自衛隊員専用の「特別列車」の運行。空には自衛隊のヘリコプターを多数を飛ばし、地上では自衛隊のジープが走り、渡河訓練などもあると報道されました。こうした訓練のどこが、住民の生命を地震災害から救う「防災訓練」にあたるのでしょうか?都知事が4月9日、陸上自衛隊練馬駐屯地で発言され、内外から大きな批判のあった「治安の維持も大きな目的として遂行していただきたい」を思い出さずにおれません。このような自衛隊主導の訓練に、赤字である都の予算3億円も使い実施されるならば、アジアの国々からも大きな不信を招くことでしょう。

 私たちは、憲法前文、および9条の精神を尊重しています。都知事が「軍隊」とよばれる「自衛隊」が、堂々と軍事演習まがいの訓練を「防災」の名目でなされることに、強い怒りをもって抗議します。
 私たちは、平和に共生し生きることを求めます。騒擾に対処する治安訓練だけを優先し、被災する住民の救出、外国籍住民、高齢者、障害者への配慮や援助計画を後回しにしたような「総合防災訓練」など必要ありません。

戦争への道を許さない北・板橋・豊島の女たちの会

(amlより転載)