内閣官房は2月2日、2月下旬に国会に一括提出する予定の有事関連追加法案の全体像を示す文書をまとめ、国民保護法制都道府県担当者会議に提示した。これにより、国民保護法制以外は全く秘密裏に準備されてきた、有事関連法に追加する法案の全容、
- 国民保護法案(大規模テロ対処措置を含む)
- 米軍支援法案
- 海上輸送規制法案
- 自衛隊法改正案(ACSA改正に伴うもの)
- 交通通信総合調整法案
- 捕虜取扱法案(ジュネーブ条約関連)
- 非人道的行為処罰法案(ジュネーブ条約関連)
の7本の概要が、国会上程直前に初めて明らかになった。
以下に、政府の提示したA4判7ページにわたる諸文書を、まことに未整理な原文のまま収録する。なお、これらの法案に関連して、条約案件3件も同時に国会に提出されるものと思われる。それは、
- ACSA(日米物品役務相互提供協定)改正案
- ジュネーブ条約第一追加議定書の批准案
- ジュネーブ条約第二追加議定書の批准案
である二つのジュネーブ条約追加議定書は国際人道法として1977年に発効しているが日本は未加盟のままだった。
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- 武力攻撃事態等への対処に関する法制の全体像
1.先の通常国会で成立した法律
(1)武力攻撃事態対処法
(2)安全保障会議設置法の一部改正
(3)自衛隊法等の一部改正
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- 2.整備を検討している国民保護法制を始めとする個別法制
(1)国民の保護のための法制
武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律案(仮称)
(2)自衛隊や米軍の行動の円滑化に関する法律
- 武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律案(仮称)
- 武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律案(仮称)
- 自衛隊法の一部を改正する法律案
- (3)交通及び通信の総合的な調整等に関する法制
武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律案(仮称)
(4)捕虜の取扱いに関する法制
武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律案(仮称)
(5)武力紛争時における非人道的行為の処罰に関する法制
国際人道法の重大な違反行為の処罰に関する法律案(仮称)
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- 大規模テロ等緊急対処事態への対応(案)
大規模テロ等緊急対処について国民の保護のための法制に1章を設け、下記の事項を規定することを検討している
1 責務
- 国、地方公共団体等の責務
- 武力攻撃の手段に準ずる手段を用いて多数の人を殺害する行為が発生した事態又は当該行為が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態で、国家として緊急に対処することにより国民を保護することが必要なものを対象とする。
- 国は、国民の安全を確保するため、緊急対処事態においては、国の方針を明らかにし、その組織及び機能のすべてを挙げて自ら緊急対処保護措置を的確かつ迅速に実施し、又は地方公共団体及び指定公共機関が実施する緊急対処保護措置を的確かつ迅速に支援し、並びに緊急対処保護措置に関し国費による適切な措置を講ずること等により、国全体として万全の態勢を整備する責務を有する。
- 地方公共団体は国の方針に基づき緊急対処保護措置を的確かつ迅速に実施し及び当該地方公共団体の区域において関係機関が実施する緊急対処保護措置を総合的に推進する責務を有する。
- 指定公共機関及び指定地方公共機関は、この法律で定めるところにより、その業務について、緊急対処保護措置を実施する責務を有する。
- 国、地方公共団体並びに指定公共団体及び指定地方公共機関は、緊急対処保護措置を実施するに当たっては、相互に連携協力し、その的確かつ迅速な実施に万全を期さなければならない。
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- 2 緊急対処事態の認定
- 内閣総理大臣は、緊急対処事態に至ったと認めるときは、その認定について、閣議の決定を求めなければならない。この場合において、内閣総理大臣は、併せて緊急対処事態に関する対処方針(以下「緊急対処事態対処方針」という)の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
- 緊急対処事態対処方針には、住民の避難、避難住民等の救援、緊急対処事態における災害への対処に関する措置その他の措置に関する全般的な方針を定めるものとする。
- 内閣総理大臣は、閣議の決定があったときは、直ちに、緊急対処事態であることの認定及び緊急対処事態対処方針を公示してその周知を図らなければならない。
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- 3 緊急対処事態対策本部
内閣総理大臣は、緊急対処事態の認定について閣議の決定があったときは、
緊急対処保護措置の実施を推進するため、閣議にかけて、
臨時に内閣に緊急対処事態対策本部を設置するものとする。
4 準用
避難、救援、武力攻撃災害への対処等に関する規定は、原則として、
緊急対処事態及び緊急対処保護措置について準用する。
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- ●大規模テロ等緊急対処事態における緊急対処保護措置(案)
第1 基本的な枠組み
- 正確な情報の提供や基本的人権等への配慮規定を措置する。
- 地方対策本部の設置について、閣議決定で指定する。
- 都道府県知事は、指定行政機関等の長に対処措置の実施を要請できる。
- 都道府県知事は、措置を的確かつ迅速に実施する必要があると認めるときは、防衛庁長官に対して自衛隊の部隊等の派遣を要請することができる。
- 市町村長は、都道府県知事に措置の実施を要請でき、また、都道府県知事に対し、指定行政機関の長に措置の実施を要請するよう求めることができる。
- 市町村対策本部長は、都道府県及び指定公共機関等の措置の実施に関し、都道府県対策本部長に総合調整を行うよう要請できる。
- 指定公共機関及び指定痴呆公共機関は、その業務に係る対処措置を実施しなければならdない。
- 武力攻撃事態に対応した訓練に準じた訓練を実施する。
- 第2 避難に関する措置
- 対策本部長の責任で警報を発令する。
- 対策本部長の責任で避難措置の指示を行う。
- 都道府県の区域を越える住民の避難について規定する。
- 市町村長が避難住民の誘導を行うとともに、警察若しくは海上保安庁又は自衛隊に、誘導を要請できる。
- 第3 救援に関する措置
- 対策本部長の責任で救援の指示を行う
- 都道府県知事は対策本部長の指示を受けて、収容施設、医療、緊急物資の提供等の救援を実施する。また、その一部を市町村長が実施することとすることができる。
- 救援に関し、土地・家屋の使用、物資の収容、緊急物資の運送、物資の売渡しの要請、安否情報の収集・提供等については武力攻撃事態と同様の措置を行えるよう規定する。
- 第4 緊急対処事態における災害への対処に関する措置
- 対策本部長の責任で災害への対処の指示を行う。
- 都道府県知事は、災害の防除及び軽減が著しく困難であるときは、対策本部長に対し、必要な措置を講ずるよう要請することができ、市町村長は、都道府県知事に対し、同様の措置要請を行うよう求めることができる。
- 内閣総理大臣は、都道府県知事から要請があったときは、対策本部長の求めに応じ、関係大臣を指揮し、必要な措置を講じさせなければならない。
- 都道府県知事による緊急通報について規定する。
- 活関連施設の安全確認、原子力災害への対処、原子炉等による被害の防止、危険物等による危険の防止、放射性物質等による汚染への対処について規定する。
- 市町村長に加えて、都道府県知事も応急措置等(退避の指示、軽快区域の設定等)
- 消防庁長官の災害の防御等に関する指示を規定する。
- 第5 その他
- 財政措置、損失補償、罰則等についても武力攻撃事態と同様の取扱いとする。
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- ●国民の保護のための法制の法案作成に当たっての考え方
平成15年12月26日国民保護法制整備本部決定
国民の保護のための法制については、検討過程においてその輪郭や概要を示して地方公共団体や関係する民間機関等から意見を聴取し、これを踏まえて、先の国民保護法制整備本部会議において「要旨」を取りまとめたところである。
その後、この「要旨」を基に、都道府県知事を始めとする地方公共団体との意見交換や有識者を含む民間機関等との意見交換会を行ったところである。
これらを踏まえ、今後は、以下の考え方に基づいて、法案の作成に当たることとする。
- 国民保護法制整備本部で決定した法制の「要旨」に基づき、更に内容の検討を行う。
- 武力攻撃事態等に準ずる大規模テロ等への事態への対応については、次の考え方により法案の検討を行う。
○発生初期の段階では武力攻撃事態であるとの判断が困難な緊急事態や、
武力攻撃に準ずる手段を用いた攻撃により甚大な被害が生じる緊急事態において、
当該緊急事態を内閣総理大臣が認定し、閣議決定を行った後、
対処に必要な国民保護法制上の措置を講ずることができるようにする。
○対象とする緊急事態の具体例としては、原子力発電施設の破壊、炭疽菌などを
用いたテロ、航空機による自爆テロ等武力攻撃事態に準ずる事態を想定する。
○対処に必要は措置は、住民の避難、避難した者への救援、攻撃により生じた
被害への対処等とし、これらの措置について、武力攻撃事態における場合と
同様に、国の主導的な対処を行うこととする。
- 1の「要旨」に基づく内容の検討に2の大規模テロ等に係る検討を加えたものを全体として、法案作成作業を行う。
- なお、基本指針や各指定行政機関の国民の保護に関する計画については、法実施後速やかに策定できるよう、今後、地方公共団体を始めとする関係者の意見を十分に聴いて検討を進める。また、指定公共機関の指定については、法実施後速やかに指定することができるよう、今後、内閣官房を中心に、関係各省庁において、関係事業者の意見を聴きつつ、調整を行う。
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- ●武力攻撃事態等における特定公共施設などの利用に関する法律案(仮称)について
この資料は、現時点において想定される法案の主たる内容について示したものであり、今後変更があり得る。
1 目的
武力攻撃事態等における特定公共施設等(港湾施設、飛行場施設、道路、海域、空域
及び電波)の利用に関し、その総合的な調整を図り、もって対処措置等の的確かつ迅速
な実施を図るため、指針の策定その他の必要な事項を定める。
2 港湾施設・飛行場施設の利用
- 対策本部長は、対処措置等の的確かつ迅速な実施を図るため、特定の地域における港湾施設又は飛行場施設の利用に関する指針を定めることができる。
- 対策本部長は、特定の港湾施設又は飛行場施設に関し、対処措置等の的確かつ迅速な実施を図る上で特に必要があると認めるときは、利用に関する指針に基づき、当該施設等の管理者に対し、特定の者に優先的に利用させるよう要請させることができる。
- (2)の要請に基づく所要の利用が確保されない場合等においては、事態対処法)第条に定める内閣総理大臣の権限(指示、国土交通大臣を指揮しての措置の実15施)を行使することができる。
- 3 道路の利用
対策本部長は、対処措置等の的確かつ迅速な実施を図るため、特定の地域における
道路の利用に関する指針を定めることができる。
4 海域・空域の利用
- 対策本部長は、対処措置等の的確かつ迅速な実施を図るため、特定の海域又は空域の利用に関する指針を定めることができる。
- 海上保安庁長官は、海域の利用に関する指針に基づき、特定の海域において船舶の航行を制限することができる。
- 国土交通大臣は、空域の利用に関する指針に基づき、飛行禁止区域の設定等の措置を適切に実施するものとする。
- 5 電波の利用
- 対策本部長は、対処措置等の的確かつ迅速な実施を図るため、特定の電波の利用に関する指針を定めることができる。
- 総務大臣は、電波の利用に関する指針に基づき、特定の無線通信を優先して実施するために必要な免許条件の変更等を行うことができる。
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- ●武力攻撃事態等における
アメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する
措置に関する法律案(仮称)について
この資料は、現時点において想定される法案の主たる内容について示したものであり、今後変更があり得る。
1 目的
武力攻撃事態等における米軍の行動に伴い我が国が実施する措置
(「行動関連措置」)等について定める。
2 政府の責務等
- 政府は、的確かつ迅速に行動関連措置を実施するよう務める。
- 政府は、武力攻撃事態等の状況及びこれへの対処のために必要な措置に関し米国政府と常に緊密な連絡を保つよう務める。
- 3 行動関連措置に関する指針
対策本部長は、対処基本方針に基づき、行動関連措置に関する指針を定める。
4 行動関連措置
- 国民への影響の軽減に係る措置ア情報の提供
政府は、国民に対し、米軍の行動に係る地域等米軍の行動に関する状況及び行動関連措置の実施状況について情報の提供を適切に行う。
イ地方公共団体との連携調整
政府は、米軍の行動又は行動関連措置の実施が地方公共団体の実施する
対処措置に影響を及ぼすおそれがあるときは、地方公共団体との連絡調整を行う。
ウ米軍の行為に係る通知政府は、米軍から特定の米軍の行為(例:道路工事)の
実施に係る連絡を受けたときは、関係機関に通知する。
エ損失の補償国は、米軍の特定の行為により生じた損失について、
自衛隊法等の規定の例により補償する。
- 米軍への支援に係る措置
自衛隊は、米軍に対し物品及び役務を提供することができる。
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- ●整備を検討しているその他の個別法制
- 武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律案(仮称)
[概要]武力攻撃事態において、自衛隊の行動の円滑化に関する法制の整備の一環として、外国軍隊等の用に供する武器その他の物品及び外国軍隊等の構成員の海上輸送を規制するため、停船検査、回航措置等の必要な事項を定める
- 自衛隊法の一部を改正する法律案
[概要]日・米物品役務相互提供協定の改正に伴い、米軍に対する物品及び役務の提供に関し、所要の規定を整備する。
- 武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律案(仮称)
[概要]武力攻撃事態における捕虜等の拘束、抑留その他の取扱いに関し必要な事項を定める。
- 国際人道法の重大な違反行為の処罰に関する法律案(仮称)
[概要]国際的な武力紛争において適用される国際人道法の的確な実施の確保を図るため、ジュネーヴ諸条約等に規定する重大な違反行為に対する罰則を整備する。
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