【追震災体験4】 95/ 1/21 17:19 |
あの日々を思い出すことから 次の五年へ歩むため この文章は神戸市長田区で私が被災した体験を、 震災直後から発信してきた文章にコメントを付加して 「追震災体験」と題して5年後の同日に再発表していくものです。 下記各メーリングリストとマスコミ関連そして私のWebページ に公表していきますが、転載も歓迎します。ぜひ転載してください。 ● mlx 震災復興メーリングリスト http://www.kitanet.com/ML.html ● Kobe-trial メーリングリスト ● aml オルタナティブ運動情報メーリングリスト http://www.jca.apc.org/~toshi/aml/intro.html ●とーちのページ http://toach.org/ |
生きてます。4<とーち> 実際、ここで生きていて、必要なものなど気の付いたことを書きます。 当面の食料はかなり入ってきており、不安はなくなってきています。 水道は回復のメドがたたないため、これまでは最低限の飲み水確保が主だった わけですが、長期となると身体や住居の衛生を保つための水も必要となってきま すので、水を運搬するポリタンクが不足してくるのではないかと思います。前に も書きましたが神戸ではあらかじめ準備していた家は多くないので。 食料も飢えをしのぐ意味から、食による精神的安定や栄養補給の必要が出てき ますので、煮炊きできる必要があります。ガスが止まる状態も長期に続くと思わ れますので、カセットコンロとガスボンベが必要です。(なお、これにより炊事 も行われますので、ますます、水の使用量が増えることになるわけです。) あと、役に立つかどうか私にはよくわからないのですが、水を使わないで髪が 洗えるシャンプーというのがありますね。女性の方はとくにあれを欲しています。 衛生的にはあんまし効果がないようにも思うのですが、この際、精神的安定には 重要です。 余震による停電にそなえて、電池も必要なわけですが、単一電池が買いにくく なっています。ただ電池は、容易に思い付く必要物ですから、かなりの分量が入 ってきているのと、停電が直ってきている現在、使用量が増えるものではないの で、緊急性は低いと思います。 住宅の必要性はマスコミが報じている通りですが、本来ならば危険な家にも住 んでいるひとがけっこういます。そのままでは、大きな余震があれば再度悲劇が 繰り返される可能性があります。今、避難している人だけではなく、十分すぎる ほどの住宅が提供される必要があります。 なお、上記のことは、基本的に購入できることを前提とした話しです。お金を 持ち出す間もなく待避した人も大勢いますので、それらの人々に十分な備えを供 給するのは、上記の販売状況とはまた別の話しです。 マスコミですが、たしかに盗難みたいなことも発生していますが、そればかり 取り上げるのではなく、報道には埋もれているすばらしい助け合っている場面を、 丹念に探して報道して欲しいと思います。 ただでさえ苦しい中で、警戒心をもって疑心暗鬼で暮らすのはつらいことです。 しかもそれは悪循環をうみます。どうせなら、助け合いの良循環を促進する報道 を目指してほしいものです。電気が通じて、現場ではTVを丹念に見ています。 報道が現場の雰囲気にも影響を与える場合が十分考えられます。ヘリコプターの 件もそうですが、報道は、完全な第三者ではなく、現場に影響を与え得る、重要 な一員であることを認識してほしいと思います。 |
【5年後のコメント】 より深刻な被害に遭われた方には申し訳ない表現かもしれないのですが、この ころ、私にはなんだか妙な充実感がありました。ちょうど、終戦後の人々の感覚 はこういうものなのだろう、と思われるものでした。一日、一日、必要な水、食 料、そして夜に備えて明かりを確保するのに精一杯でしたが、そうやって今日も 生きている、ということに素直に「ありがさた」を感じることができました。 最初はみんなやさしかった、という表現は多くの方がするのですが、それはこ ういった日々感じる「ありがたさ」をみんなが感じていたからなのだと思います。 (前回から続く) そう振り返ってみて、今を見てみると、ほんとうに同じ構図なのに驚かされま す。国も人々も経済を最優先させるという生き方は、欧州や米国に由来するよう に思うのですが、それが世界を巻き込み、日本はその中でもナンバー1を目指し ている。 そして、世界の経済活動経済・商行為のためには法に触れないか、法に触れて も問題化しなければOK、という感じで競争されています。我々は商行為を行っ ているだけだ、という核関係の企業人はまさにそのような認識に染まっているので しょう。 今の日本が抱えるさまざまな問題を本質的に改善するには、そのような経済至 上の態度をなんとかしなきゃならない、と感じています。 (続く) |
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 五年後の今、震災体験を追体験していく 「追震災体験」実施中 --------- とーちのページ --------- ■■■■■■■■■■ http://toach.org/ ■■■■■■■■■ |