【追震災体験6】日本がほんとに豊かなのかどうか 95/ 1/23 19:37 |
あの日々を思い出すことから 次の五年へ歩むため この文章は神戸市長田区で私が被災した体験を、 震災直後から発信してきた文章にコメントを付加して 「追震災体験」と題して5年後の同日に再発表していくものです。 下記各メーリングリストとマスコミ関連そして私のWebページ に公表していきますが、転載も歓迎します。ぜひ転載してください。 ● mlx 震災復興メーリングリスト http://www.kitanet.com/ML.html ● Kobe-trial メーリングリスト ● aml オルタナティブ運動情報メーリングリスト http://www.jca.apc.org/~toshi/aml/intro.html ●とーちのページ http://toach.org/ |
生きてます。6<とーち> 水運び、食料調達が日課の日々が続いています。 今日は、状況を見るため、夕方に三宮まで自転車で往復してきました。 三宮は、崩壊しているビルもたしかにありますが、新しいビルなどは無傷のも のも多く、機能的にはそれほど低下していないようにも見えました。 三宮にいった目的の一つは、三宮から大阪に出ているバスにのることが現実的 かどうか確かめるためです。行きは国道2号、帰りは山麓線を通ってきたのです が、国道のほうがやはり早く、40分弱でいけます。おそらく車より自転車のほ うが速いでしょう。 それにしても車が多い。まだまだ道路は分断されているのですから、なんとか して車の量をコントロールしないと影響が心配です。 三宮から大阪方面へのバスは、朝はすいていたのでしょうが、そのTV報道を 見た人たちで、ふくれあがってました。三宮の新聞会館の南の道路に、西からJ R、阪神、阪急の順番で列ができていました。待ち時間は並んでいる人に聞いた ところ、JRで1時間、阪神で30分、阪急で40分。乗ってから、着くまでの 時間は、阪急が3時間から4時間かかる、とハンドマイクで叫んでいました。 このデータは、午後5時現在のものです。 結局、このバスの能力も、道路の込み具合次第なわけで、道路状況が極めて重 要となります。 ただ、この期におよんでも、通勤しようとするのは、考えものです。苦労して 通勤するのを称えるような報道はしないで欲しいものです(まだ、してないとお もうけど)。けが人をかかえていたり、近所の人の手伝いなどで、仕事に出れな い人もいるはずだからです。今の状況で大阪などに仕事にでれば、1日、他のこ とはほとんどできなくなるわけですから。仕事に行かない(行けない)人の肩身 がせまくなるような風潮にしてほしくない。 ましてや、家族が離れて、大阪でホテル住まいで「単身地震赴任」なんていう のは、極めて日本的な貧しい状況です。 遠隔通勤の被災者については、住居や居住地の再建や安全を優先させて、仕事 できなくても、ペナルティを課さないよう、政府なりが指導してほしいのですが。 そうでもしないと、すごい通勤地獄が始まることになるでしょう。 日本がほんとに豊かなのかどうか、こうしたときに表われるのはないでしょう か。 これまで、私たちの家族は、住居が健在で、食料も調達できたため、援助物資 等はいただかないできたのですが、だいぶいきわたってきたようで、自治会を通 じてパンやごはんなどが配布されましたので、ありがたくいただきました。また、 消防車などもナンバープレートから見て、岡山や奈良などから数多く応援に来て いただいているようです。援助していただいた方々に心から感謝いたします。 長田区についていえば、食料品の物価は下がっています。品数はかぎられてい るわけですが、ジャスコやダイエーなど、関西出身のスーパーでは、特に採算を 度外視した価格で販売されており、関西人のナショナリズムをくすぐられるとこ ろです。(^^;) 牛乳1リットル100円。レーズンロール1袋100円(普通、180円くら い)、魚肉ソーセージ8本くらいで100円。バナナ一房100円。なんとかの 水1.5リットル100円。清涼飲料水1.5リットル2本で300円。 とりあえず、食料については安心できています。 今日、北海道から来ていただいた給水車に誰も並んでいないのを目撃しました。 みんな、通常の水については、電気が復旧してきて必ず水の出ている井戸のほう にいってしまって(慣れちゃってるから)いつもいるとは限らない給水車には行 きにくいのだと思います。こういったことは、今後もあると思うのですが、どう か事情を察していただきたいと思います。 <とーち> |
実はこのときの水運びのために私は腰を痛めてしまった。私は体重が軽いせい か、肩がこるとか、腰が痛いという経験がほとんどなかったのだが、このときに エレベータのない4階の自宅まで水運びを何度も行ったためか、次の冬ごろから 腰が痛むようになった。これは5年たった今でも続いている。 こういった些細ともいえるが、小さな災難は多くの方々が今も持っている。 |
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 五年後の今、震災体験を追体験していく 「追震災体験」実施中 --------- とーちのページ --------- ■■■■■■■■■■ http://toach.org/ ■■■■■■■■■ |