【追震災体験7】お風呂いってきました。95/ 1/25 18:57


あの日々を思い出すことから 次の五年へ歩むため
この文章は神戸市長田区で私が被災した体験を、
震災直後から発信してきた文章にコメントを付加して
「追震災体験」と題して5年後の同日に再発表していくものです。
下記各メーリングリストとマスコミ関連そして私のWebページ
に公表していきますが、転載も歓迎します。ぜひ転載してください。
● mlx 震災復興メーリングリスト http://www.kitanet.com/ML.html
● Kobe-trial メーリングリスト
● aml オルタナティブ運動情報メーリングリスト
http://www.jca.apc.org/~toshi/aml/intro.html
とーちのページ http://toach.org/


 生きてます。7<とーち>

 あちらこちら、復旧が行われてきました。でも、長田の2号線界隈では、2号
線など大きな道路の機能を回復させるような作業が主で、それぞれの倒壊住宅な
どは放置されたままで、住人が家のなかのものを持ち出す姿が目立ちます。
 私の家の斜め向いのビル(人が埋まっていたビルです)からは、大きな段ボー
ルを数人の人がトラックに移していました。

 木造住宅でも人手ではどうしようもありませんから、小型のパワーシャベルな
んかが不足しそうに思います。いまのところ、復旧のために必要な環境をまず復
旧させている、という状態です。

 菅原の焼け野原は、もう、まったく手付かずです。

 神戸市などは、おそらく、計画的にサイカイハツを行いたいのでしょうが、仮
設住宅も2千戸などという数では、とうてい足らないのですから、しばらくする
と各自が、元の土地に家を建ててしまうでしょう。

 お風呂ですが、割とちかくの風呂がなんとか開店したので、いってきました。
長田区真野町のえびす湯というところです。水は井戸水で、重油を使っているよ
うなので、開店できたみたいです。数十分ほど待つくらいで、それほど混んでは
いませんでした。生き返りました。(^^;)
 TVによると、自衛隊により、仮設風呂もできてきたようですね。やればでき
るんじゃないか。(もっとやればできることがあるよーな気がしたりするよね)

 幸い、住居が無事だった私は、明日は、仕事場(大阪)にいってきてみようと
思っています。ルートは、青木まで自転車でいって、阪神で大阪入りしようと考
えています。それがいちばんカタそうなので。
<とーち>

震災以来、この日まで一度も風呂に入れなかったわけですが、私にとってはそ
れほどの苦痛ではなかったように思えます。やはり、震災の衝撃が大きかったせ
いだと思いますが。
このときのお風呂屋さんは、ほんとにすばらしかった。浴槽が壊れてしまった
ところでもずっと井戸を解放して水を分けてくれた。浴槽が大丈夫だったところ
は内部の補修を大急ぎでして、開店を急いだ。井戸水を使用しているのではない
お風呂屋さんの中には、自前でタンクローリにより水を運んできてまで開店する
ところもまであった。しかも、入浴料金を初日はタダにするところさえあった。
農村などで本来の仕事を「仕事」と呼び、金を得るためだけの仕事は「しのぎ」
と呼ぶという話を聞いたことがあります。これこそ「仕事」だ、という場面をな
んども私は見ることができました。逆に私たちは自分の働きを「仕事」と呼べる
だろうか、という問いもまた抱えることになりました。


  
     ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
          五年後の今、震災体験を追体験していく
              「追震災体験」実施中
          --------- とーちのページ ---------
      ■■■■■■■■■■ http://toach.org/ ■■■■■■■■■

とーち(奥野 律也) toach@e-mail.ne.jp
Weblist http://www.toach.org/list.htm

NEXT

top