今日は、東京・中野ゼロホールで開かれた「学校に自由の風を!〜ゆるせない!「日の丸・君が代」大量処分〜〜とめよう!心をしばる教育を〜」に参加してきました。
参加者は1300名。
石原都政・東京都教育委員会への怒りと憲法・教育基本法改悪の危機感をもつ市民・教員がそれぞれの思いと決意を胸に参加しました。
「戦時下にある今」「一人一人の自立した市民がそれぞれの人権をかけて連帯」をという小森陽一さんの呼びかけ人挨拶で集会はスタート。
リレートークとして発言した方が10名。それぞれに思いのこもった発言で、心を揺り動かされました。そのなかでも特に、心に残った発言をいくつか紹介します。
「日の丸・君が代」不当処分の撤回を求める非処分者の会の男性教師(体育)は、今年春の卒業式で、「国歌」斉唱時に着席して処分されました。定年を間際にしていたが、ご自身が38年間大事にしてきた教育信条に反する、今回の「国旗国歌」強制は許し難く、仲間と共に着席したとのこと。都教委が行おうとしている「再発防止教育」なる研修は、密室で転向をせまろうとするもの、と、怒りをこめて話されました。
「日の丸・君が代」強制反対予防訴訟をすすめる会の女性教師(音楽)は、30代の音楽教師が「このような現場でやっていく自信がない」といって辞職した例をあげながら、何人もの音楽教師が苦しんでいることを紹介しました。伴奏拒否に関する裁判で、東京地裁がとんでもない判断を示していることも知りました。なんと「伴奏」は、指を動かしてピアノを弾くという外的行為なので「内心の自由」の問題ではない、というのだそうです。そして都教委は、この判断を最大限利用しているとのこと。演奏・音楽とはまさに、心に響かせるものであるはずです。話を聞いて、本当に怒りを覚えました。
この春高校を卒業した学生(女性)の発言も素晴らしかった。
彼女の高校では、卒業式前日に校長から、都教委通達についての説明とともに、「自分の信念にもとづいて行動しなさい」という発言があったそうです。生徒たちのなかには、みんなで着席したら面白そう、という雰囲気もあったようで、それが式当日の大量着席につながったようです。
彼女は言いました。
「着席したのは決して先生に言われたからではありません。生徒たちが自分の判断でおこなったことです。先生を処分するというのは、生徒が何も考えていないと言っていることと同じで、とても失礼です。」
生徒の主体性を無視し、教師によって簡単に洗脳されるという都教委の認識を、鋭く批判したのは、彼女だけではありません。今回厳重注意処分をうけた男性教員(社会科)も、生徒を侮辱した行為だと怒りをこめて語りました。
語り尽くせません。
元外交官の天木直人さんとジャーナリストの斉藤貴男さんの発言、そして中心になってこの集会を準備してきた丸浜江里子さんの発言は第2信で。
6・12集会速報その2です。
リレートークをはさんで、20分のミニ講演がお二人。
お一人は全駐レバノン特命全権大使の天木直人さん。
昨年3月のイラク戦争開戦前に、アメリカには何ら大義がなく、日本はアメリカに協力すべきではない、という立場から小泉首相に意見を出し、その結果、辞職に追いこまれた方。みなさんもご存知かと思います。
さすが外務官僚。頭の切れそうな方に見えました。
英米とちがい、中東では間違った過去を持たない日本に対する期待を、現地の人とふれあうなかで強く感じ、その期待の声をレバノンから東京に送っていたそうです。
今、東京で起こっていること、東京で弾圧をうけている教員たちは、国家権力に反対し外務省を追われた自分に通じるものがあると語る天木さん。
国家権力の横暴に対する、自由のためのたたかいは、あちらこちらでしていかねばならず、天木さん自身も、最後まで意見を言い続けたい、と文字通り連帯の言葉で結びました。
フリーライターの斉藤貴男さんは、現在のジャーナリズムの危機的状況にたびたびふれながら、教育基本法改悪・憲法改悪・そして戦争に向かう大きな流れを、具体的に紹介しました。
- 超党派の議員でつくる教育基本法改正促進議員連盟が「愛国心・道徳心」を盛り込んだ提言を発表した。
- この議員連盟の発足の際、民主党の西村真悟氏は「お国のために命を投げ出す人間をつくるための教育」と発言したが、朝日が小さな記事にしただけで、問題にならず。本来ならば一面トップ・社会面トップ・第2社会面トップの大事件のはずなのに。この発言に誰も異をとなえない議員連盟。西村発言が、基本法改悪の本音。
- 文藝春秋のアンケートで、自衛隊のイラク派遣賛成の意見をのべた三浦朱門氏は「自衛隊員が犠牲になれば憲法改正のための尊い犠牲になる」(注:富永筆記メモ。原文は確認していません。)と回答。これも問題にならず。
- 三浦氏はエリート教育推進のため、「ゆとり教育」という名の下に、「非才無才には実直な精神だけを養えばよい」と斎藤さんの取材に対し発言。エリート選別の思想は、今の「教育改革」の共通認識で、江崎玲於奈氏は就学児検診での選別を主張。最近の愛媛でのタウンミーティングでは、宇宙飛行士の毛利衛氏も同様の発言。
- 戦争に向かう国の教育改革。東京の国旗国歌をめぐる状況は教育ではなく支配と服従の軍隊のような論理。
そして斎藤さんは私たち市民の運動で、この状況を変えていこうと、よびかけました。
主催者を代表して、丸浜江里子さんが行動提起。
「10・23通達」NO!の署名活動は、短期間に9000筆。
このことを通じて都議会を傍聴し、都政が奪われているということを実感した。この都政の簒奪を許したのが、都民の無関心とあきらめ。7月の参院選、そして来年の都議選がとても大事。
そして、新たな署名=卒業式・入学式に関する東京都教育委員会の「強制」に抗議し、10・23通達と教職員の「処分」撤回を求める陳情」署名に取り組むことをよびかけ、また7月17日は、東京の各地の仲間たちが交流する「交流会」に参加することをよびかけました。ソフトな、穏やかな語り口。でも、都教委の暴走を止めようと、運動を引っ張ってきた方ならではの発言でした。私たちに、立ち上がる勇気の大切さと、しなやかに結び行動することの大切さを、力強く語ってくださったと思います。
素晴らしい集会でした。
ここからスタートです。
う〜ん、タイヘンだけど…。
私も、できることを、できるだけやらなくては、と思います。