2004年7月27日

東京都教育委員会
教育長 横山洋吉様

都教委通達の撤回を求める会

「日の丸・君が代」強制施策と
「服務事故再発防止研修」の
取りやめを求める要請書

卒業式・入学式における「日の丸・君が代」の扱いを定めた東京都教育委員会通達と、それに基づく教職員への処分、さらに8月にも強行されようとしている被処分者などへの「服務事故再発防止研修」について、私たちは大きな憤りと嫌悪感を感じています。これら一連の都教委の施策は、まさにファシズム体制を粛々と作り上げているとしか思えないからです。
憲法にも保障され、戦後私たち日本人が大切にしてきたはずの、思想信条の自由や、表現の自由を強奪しようとすることは、誰にも許されないことです。都教委のやり方は、まさに個人の内心にまで入り込んでの思想統制そのものです。
教育には、過去から学ぶことや現在の国際間の問題を考えるという視点が大切なはずです。「日の丸・君が代」の持つ歴史や「日の丸・君が代」に対して複雑な思いを抱く人が国内外に多くいるという事実に目をつぶり、有無を言わさず、都教委が定めたとおりに「日の丸・君が代」を扱えというのは、教育ではありません。自分で判断できる人間を育てるのが真の教育であるはずなのに、「日の丸・君が代」の扱いについて、教育委員会がひとつの考え方を押し付けるのは間違っています。
特に、被処分者と被処分者のいる学校の教員全体への「再発防止研修」の実施は、どんな命令であれ、命令に従わない教員は徹底的に排除し、都教委、さらには都・国に対して意見をいうことが犯罪者であるような体制作りを進めるものです。またこれは、各人の思想信条の自由や表現の自由を放棄することを迫るような、ひどい人権侵害でもあります。また、減給や解雇などを前提に、生活の糧と引き換えに教職員の内心の自由を束縛しようというのは実に卑劣です。
教職員が、自由を奪われ、人権を侵害されている学校で、いい教育ができるでしょうか。誰も、東京の学校で、ただ命令に従うだけの人間を作ってほしいとは思いません。私たちは、子どもたちが学ぶことで、自ら判断できる力、生きていく力を身につけほしいと願っています。それを実現するためにも、「服務事故再発防止研修」を含む都教委の一連の「日の丸・君が代」強制施策を取りやめるよう要請するものです。
以上


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