<学校に自由の風を!ネットワーク>の楠典子です。この春、都立高校を卒業した子どもの保護者です。
都立学校の卒業式や入学式はすっかり様子が変わってしまいました。昨年10月に、東京都教育委員会が、卒業式などでの国旗国歌に関する通達を出したのです。
それまでは、卒業生や新入生が、先生方、在校生、保護者などと、向かい合うように座り、壇上に子どもたちの作品を飾って、子どもたちの成長が分るように工夫された式がありました。ところが、今年から、教育委員会の指示で、このような式はできなくなりました。それまでフロア形式で卒業式をしてきた擁護学校でも、日の丸を掲げた壇上で卒業証書を受け取らなければならなくなり、先生の介助が必要になりました。子どもの成長を喜び、自立を祝う門出の日に、人の助けを借りねばならないことを思い知らされる辛い日となったと、保護者の方達は涙ながらに訴えています。都教委にとっての主役は子ども達ではなく、国旗国歌なのだと、私もこの春、我が子の卒業式でつくづく感じました。
この通達には、「教師が『国歌斉唱』で起立しない場合には責任を問われる」とも書かれていて、「強制はおかしい」と、起立しなかった先生方が248人も処分されました。嘱託や非常勤講師の職を失った先生方もいます。.生徒が自分の考えで立たなかったり、日の丸・君が代についての討論会をしたことでも、先生方が処分を受けているんです。自分たちのせいで先生が処分されてしまうからと、子ども達は気を遣い心を痛めています。
どうしてこれほどまで国旗国歌を押し付けてくるのでしょう? 昔、日の丸・君が代に後押しされて、多くの若者が戦場に駆り出され、戻ってこなかった、あの時代によく似ています。あの戦争を反省して、今の日本には平和憲法があります。教育基本法があります。ところが今、学校ではこれらが踏みにじられているのです。
今、イラクに自衛隊が派遣され、激戦地に釘付けされている状況です。命を生み命を守る母親として、戦争を起こさせないよう、「わが子を戦場に送るな、わが子を従順な兵士に仕立てあげる教育はするな」と声をあげて参りましょう。
私たち<学校に自由の風ネット>では、署名運動や大集会、パレードや街宣活動などをしてきました。これからも色々な取り組みを進めます。ご一緒に頑張りましょう!