12.10都民集会に参加

報告:渕田芳孝

永田町の星陵会館で開催された「石原・都教委の教育破壊ストップ! 12.10都民集会」に参加しました(参加者350人)。

  1. パート1「小学校から大学まで」では
    都立大学(首都大学東京)教員、八王子市小学校教員、町田市中学教員、都立高校教員のかたのスピーチがありました。
    どこでも教委や校長の権限が強まり、学校間や教員や生徒の競争をあおり、ムリを承知で一方的に押し付ける動きが強まっているようです。とりわけ大学教員の方の
    「一般行政職の人が教育職の分野に入りこみ始めたのが真の原因であり、管理側の当事者意識のなさを生み出している。それは1979年に原点をもつ」という指摘は斬新でした。

  2. パート2「各分野の闘い」では
    七生養護原告団、「つくる会」教科書採択を阻止する東京ネットワーク、枝川裁判支援連絡会、都立定時制高校保護者からアピールがありました。
    わたくしは、七生養護の「からだうた」の歌詞はみたことがありましたが、メロディは知りませんでした。
    はじめてビデオで、こどもといっしょにやっているところを見、(原告団の実演もあり)こどもたちが先生と2人1組で楽しく歌い学んでいることがわかりました。
    これを学校から追放した土屋都議の暴挙に、あらためて怒りがわきました。

  3. 金子勝氏の講演「暴走をくい止めるために」は要旨、下記のようなものでした。

    現在、市場原理主義に基づく新自由主義が世を席巻している。
    そのなかでいろんな場で旧来型のやり方が変化している。
    たとえば、いま世界戦争の真っ只にあるが、昔の戦争のように正規軍同士が戦うのではなく、いまの戦争は、テロリストに対し、軍事衛星を利用した特殊部隊が攻撃するスタイルになっている。
    またメディア・コントロールのやり方も、直接、検閲したり弾圧するのでなく、制度の枠組を変えて、他産業の大資本が参入しやすくし合併を繰り返させたり、ニュースに対しより大きなインパクトをもつニュースをぶつけて効果を下げる巧妙なやり方に変わっている。
    差別問題にしても、人の心のなかに障害者や貧困者に対する「区別」をつくり自分が「そこまで落ちていない」ことで安心を得させる「陰湿な差別」になっている。

    こういう状況の変化のなかで石原の暴走をくい止めるには、ただ反対するだけだったり、旧来型の議論をするだけでは「狭い部屋で、なぐられっぱなし」になる結果しか生まない。
    相手より一段高い立場に立って議論すべきである。
    メディア・リテラシーを身につけ、インターネットを利用し海外のすぐれたメディアの情報を集めて新しい社会のイメージを築くことが望まれる。そのうえで、石原がいま日の丸君が代問題でやっていることが国際的には、いかにバカバカしいことであり、どれほど軽蔑されることかを訴えることが効果的である。
    また社民・共産・民主だけでなく、公明の一部も取りこんでまとまることが望まれる。

    こういうことを身ぶり手振りたっぷりで「こころざしを大きくし、空の上から見下ろす気分で 運動を進めよう」と、話し出すと止まらない熱弁で講演されました。

  4. パート3「日の丸・君が代強制に抗して」では保護者の立場から自由の風、不当処分撤回を求める被処分者の会、生徒への強制という点で定時制高校の先生が話をされました。
    自由の風の保護者Nさんさんは自由の風の歩みに触れられたあと、今年は高校で「君が代の歴史」「朝鮮半島と日本の歴史」という2回の勉強会を行ない、来年の卒業式でも学校と都教委に対し要請書を送る予定である、と発表されました。

    定時制高校の先生からは、2004年の卒業式では「内心の自由」を説明できたが、05年には許されなかったので最後の授業で取り扱ったところ、担当した生徒全員(4人)が着席した。しかしそのため、この2学期に校内研修を受けるハメになった、と報告されました。

  5. そのあと裁判の当事者である、被処分者の会、予防訴訟をすすめる会、被解雇者の会、板橋高校・藤田先生、嘱託不採用撤回を求める会から報告がありました。
    被処分者の会の先生は、今年の卒業式の「はなむけの言葉」を含む人事委員会審理での陳述書の朗読をされました。
    感動的な陳述書でした。
    最後に石原・都教委の教育破壊に抗議するアピールと12月8日都議会本会議の中村教育長の「生徒に起立・斉唱を強制する『通達』を出す」という答弁撤回を求める特別アピールを採択して終了しました。

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