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2.23都教委への保護者要請行動報告

mk記

2時に都議会第14委員会室へ集合したのは高校生4人を含む約30名。
都教委側は教育庁指導部教育情報課金子氏(副参事)以下2名。
「会議を抜け出してきたので約束の時間しか居られない。」と言いながら着席しました。

西村さんの司会により、最初に各校(国際高校、戸山高校、都立28校連名)の保護者・卒業生・関係者からの要請書を手渡しました。
次につばさ総合高校保護者の松井さんが質問。
「校長と都教委に質問書を出したのに今だに何の回答もない。このままでは卒業式に出られない。」
「私は見ていない。都教委のどこへ出したか」
「○○○へメールで出した。」
「質問などは×××へ出してほしい。」
「都民はそんなことは知らない。調べて早く回答してほしい。校長にも返事を出すよう”指導”してほしい。」

といったやりとりがありました。
続けて数人が質問や要望。

  • 憲法や教育基本法などの上位法をないがしろにして一篇の通達にすぎないものが大きな拘束力をもつ行政のありかたはおかしいのでは。
  • 上の子の卒業式の際には内心の自由のアナウンスがあったのに、下の子の式では構成からまったく変ってしまった。必ずアナウンスをするようにしてほしい。
  • 都立高校は自主・自律の伝統ある教育がいいと思っていたが、卒業式等での日の丸・君が代の強制は それに反している。
  • 不起立で先生が処分されることが、生徒たちに圧力になっている。このようなことは教育の場にあってはならない。

   等など
それに対し、都教委側の回答はまったく硬直した型どおりのもの。

  • 国旗・国歌の指導は学習指導要領にもとづく適正なもの
  • 教育公務員は地方公務員法に従って職務を行う。職務命令に違反したから処分は当然。
  • 都立学校では国際社会に通用する人材を育成することを目的としており、国旗・国歌の指導もそのために行っている。指導と職務命令はは校長の裁量による。

しかし返す質問で「それでは今の説明にあった”国旗・国歌の意義”とは何か」の問いには黙ってしまいました。そこまでは考えていなかったのでしょう。
「お答えください。」コールにも反応なし。
司会者の「お答え無しということですね。」がダメ押し。
重ねて「人間として親として考えてほしい。通達がどれほどの苦悩をもたらしているか。」
「上の命令に唯々諾々と従うだけの体質が過去にどんな過ちをしたか。歴史から学んでほしい。」
と要望というより、諭すような発言がつぎつぎ。
最後には固まったままの3人が哀れに見えました。
西村司会が「憲法に従って仕事をする公務員が、一人ひとり自分の頭で考えて勇気ある判断をお願いしたい。」
の言葉で締めました。

続く記者会見では4社(毎日新聞、朝日新聞、東京新聞、赤旗新聞)の記者が出席。
生活者ネットの山口議員が同席してくれました。(途中退席)その後朝日の記者が「会見の時間には行けなかったが」と言って来てくれました。

いままでの経緯と要望書を説明しました。その後各自の意見表明。
ひとりひとりが自分の言葉で語る意見が印象的でした。
高校生たちの意見が光っていました。

「今のやり方は先生を人質にとり、お前達立って歌え、さもなくばこいつらを殺すと脅しているようなもの。」
「自分達は自分の頭で考え、判断している。都立高校ではそれを尊重する教育を受けてきた。卒業・入学式だけ
 そうでなく一方的に従えというのはおかしい。」
「国際高校なら国旗・国歌の強制はないだろうと選んで入学したのに。最後に裏切られた。」
「歌えと言われて歌わされるのはおかしい。指導するなら国歌の意義をきちんと説明すればいいのに。」
「(こんな異常な事態を)なぜ新聞が書かないのか。」

まったくそのとおりです。翌24日、朝日新聞、東京新聞、赤旗新聞に記事が掲載されました。

会派めぐりは失礼しましたので、割愛いたします。ホットラインについても記者からの質問がありました。
記憶を頼りに書いたので、大事な発言ももれていることと思いますが、以上報告とさせていただきます。
お集まりの皆様本当にお疲れさまでした。


要請文と参加校

2006年2月23日

東京都教育委員会
 教育長 中村 正彦 殿

都立学校保護者有志

都立学校の卒業式への要請書

 私たちは都立高校に子供を通わせている保護者です。
 子どもたちは、まもなく高校を卒業しようとしています。3年間の成長を喜び、先生方や在校生と一緒に子ども達の門出を心から祝いたいと思っています。
 しかし、2003年、東京都教育委員会による10.23通達で、「国旗、国歌」の強制が強まり、各校の独自性と生徒の自主性にあふれた都立学校の卒業式が味気ないものに変わりました。
 また、子ども達への「指導」の強化、不起立を理由とした先生方への処分の強行は思想、良心、信教の自由の侵害が色濃く、心から卒業を祝う気になれません。
 さらに、「君が代を歌いたくない」と思っている子どもは、都議会での中村教育長の発言(以下に記します。)に、「起立をしなければ担任の先生が処分されてしまうのではないか」とたいへん心を痛めています。

「卒業式等において、学級の生徒の多くが起立しないという事態がおこった場合には、その後、他の学校の卒業式等において同様の事態が発生するのを防止するため、生徒を適正に指導する旨の通達を速やかに発出します」(2005年12月8日の都議会本会議)

 都立学校は様々な国籍をもつ生徒が通い、国旗・国歌(日の丸・君が代)についても多様な意見や思いをもつ人々が当然存在しています。思想・良心・信教の自由をもつ、誰もが気持ちよく卒業を祝えるように、以下の要望をいたします。

  1. 卒業式・入学式等の学校行事について、各学校の主体性・独自性を尊重して下さい。

  2. 国旗・国歌について強制することなく、「立つ」「立たない」、「歌う」「歌わない」は子どもの判断に任せて下さい。
    また、子ども、及び保護者など参列者に「思想・良心・信教の自由」が保障されていることを確認し、各校がアナウンスすることを尊重して下さい。

  3. 君が代斉唱時の生徒の不起立や自主的な行動を理由に先生方を処分したり、新たな通達を発するようなことはしないで下さい。

以上

賛同者名簿

2006年2月23日現在

都立つばさ総合高校保護者有志
都立青山高校保護者有志
都立大泉高校保護者有志
都立大崎高校保護者有志
都立小山台高校保護者有志
都立清瀬高校保護者有志
都立工業高等専門学校保護者有志
都立光明養護学校保護者有志
都立小金井工業高校保護者有志
都立駒場高校保護者有志
都立鷺宮高校保護者有志
都立新宿高校保護者有志
都立神代高校保護者有志
都立多摩工業高校保護者有志
都立田園調布高校保護者有志
都立豊多摩高校保護者有志
都立西高校保護者有志
都立農業高校保護者有志

都立日野台高校保護者有志
都立富士高校保護者有志
都立府中西高校保護者有志
都立保谷高校保護者有志
都立三鷹高校保護者有志
都立武蔵高校保護者有志
都立武蔵丘高校保護者有志
都立青山高校元保護者有志
都立大泉高校元保護者有志
都立駒場高校元保護者有志
都立富士高校元保護者有志
都立武蔵丘高校元保護者有志
都立井草高校元保護者有志
都立北園高校元保護者有志
都立新宿山吹高校元保護者有志
都立小岩高校卒業生有志
都立両国高校卒業生有志
志鎌 誠


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