◆記者クラブと各都議会の会派に渡した文書
2004年9月7日
東京都教育委員会の卒業式・入学式に関する10.23通達と、教職員の処分の撤回を求める陳情署名20897筆を都議会に提出しました。
私たちは、子どもを都立校に通わせる保護者です。
東京都教育委員会が2003年10月23日に出した卒業式・入学式に関する通達は、都立高校、および都立養護学校などの卒業式を変えてしまいました。
子どもたちの作品が飾られた舞台は「国旗」「都旗」を掲げる場所へと変えられ、養護学校でフロアに向き合い卒業生と在校生がエールを交わし、励まし合う光景は、大きなスロープによって区切られました。卒業生が大人に介助されのぼる坂道であるスロープは、自力で卒業証書をもらうことが、自立のための大事な節目であった今までの卒業式をすっかり変えてしまいました。
また、「君が代」斉唱にあたり、思想、良心、信教の問題として着席した教職員に対し、「強制はしない」という国会答弁があるのも関わらず、厳しい「処分」と「研修」が行われています。
さらに生徒の不起立者が多い学校の教師に対し、「厳重注意」、「注意」が行われたことは生徒への重大な人権侵害であり、狂気の沙汰です。このような強制は東京都教育委員会が掲げる「互いの人格を尊重し、思いやりと規範意識のある人間」、「みずから学び行動する、個性と想像力の豊かな人間」の育成という教育目標にそむくものです。また、7月に報道された保護者の起立状況メモについては質問状を準備しています。
私たち保護者は、教職員や生徒が自由にものが言えない学校で、子どもたちの知的で、豊かな成長は望めないと考え、6月15日に別紙「都教委通達の撤回を求める陳情」を都議会に提出し、2月半の期間に、20897筆の署名を集め、今日提出しました。
3月都議会に提出した「10.23都教委通達の再検討を求める陳情署名」の約4倍です。都民の関心と、怒りが高まっています。
私たちの子どもは、「人的資源」や都教育委員会の「人質」でなく、豊かに成長し、未来を切り開いていく人格です。教育が権力者の支配下に置かれた結果どうなったか、おそろしい結果を歴史が教えています。時の行政のこのような強制は百年の大計である教育、東京の教育を誤らせます。このことを私たちは何度でも、声を大にして訴えます。
東京都議会にたいし、保護者、都民の思い受けとめ、真剣な審議をして下さるようにお願いします。