私の参加するメーリングリストにて、日野市における「君が代」伴奏拒否裁判・最高裁への要請署名のお願いをよみました。
この種のテーマについてはアメリカでは何度も裁判がおこり、既に結論が出ています。アメリカにおける過去の判例、また、世界各国における状況を報告した資料をお送りします。
この内容は過去、様々なメーリングリストで流されてきた内容を自分なりに編集したもので、原典を確認したものではないことをお断りしておきます。
ご活用の際は、原典を確認の上、ご利用ください。
■アメリカでの判例
1943年 バーネット事件 連邦最高裁判決
- 「国旗に対する敬礼および宣誓を強制する場合、その地方教育当局の行 為は、自らの限界を超えるものである。しかも、あらゆる公の統制から留保されることが憲法修正第1条の目的であるところの、知性および精神の領域を侵犯するものである」
(ウエスト・バージニア州 vs エホバの証人)
1970年 バンクス事件 フロリダ地裁判決
- 「国旗への宣誓式での起立拒否は、合衆国憲法で保障された権利」
1977年 マサチューセッツ州最高裁
- 「公立学校の教師に毎朝、始業時に行われる国旗への宣誓の際、教師が子どもを指導するよう義務づけられた州法は、合衆国憲法にもとづく教師の権利を侵す。バーネット事件で認められた子どもの権利は、教師にも適用される。教師は、信仰と表現の自由に基づき、宣誓に対して沈黙する権利を有する。」
1977年 ニューヨーク連邦地裁
- 「国歌吹奏の中で、星条旗が掲揚されるとき、立とうが座っていようが、個人の自由である」
1989年 最高裁判決(国旗焼却事件)
- 「我々は国旗への冒涜行為を罰することによって、国旗を聖化するものではない。これを罰することは、この大切な象徴が表すところの自由を損なうことになる」
1989年 最高裁判決
- 上院で可決された国旗規制法を却下。「国旗を床に敷いたり、踏みつけることも、表現の自由として保護されるものであり、国旗の上を歩く自由も保証される」
1990年 最高裁判決
- 「連邦議会が、89年秋に成立させた、国旗を焼いたりする行為を処罰する国旗法は言論の自由を定めた憲法修正1条に違反する。
■世界各国の状況
(内閣総理大臣官房審議室、および外務大臣官房儀典官室による1985年資料「諸外国における国旗国歌について」から)
1)学校教育での国旗国歌の取扱い(主要40ケ国在外公館調査)
- ヨーロッパの立憲君主国では学校での国旗掲揚や国歌斉唱をすることが殆ど無い。
イギリス: 普通の歴史と音楽の授業で取扱い、学校行事では掲揚せず歌わない。
オランダ: 特に教育する事はない。学校行事で掲揚や歌唱という事も特にない。
ベルギー: 国旗掲揚の義務はなく慣例もまちまち。国歌は教育されていない。
スペイン: 学校での規定はない。
デンマーク: 特別の教育はしない。普通の授業で言及。国歌は行事で殆ど歌わない。
ノールウエー:特別な教育はしていない。両親が教えて子供はすでに歌っている。
スウエーデン:教科書に無い。国旗は教師に一任。国歌は学校で特別に教えない。
- ヨーロッパの共和国ではむしろ革命をおぼえて国旗国歌を強調する。
しかし、例外がいくつもある。次のとおりである。
ギリシャ:学校での規定はない
イタリア:教科書には書かれず、それによる儀式は行われない。
スイス: 学校内で実際に国歌を歌う事は殆ど無い。
ドイツ: 各州の権限で決められる。
オーストリア:国旗は学校で特に扱われない。
ハンガリー:教科書では取り扱われていない。
旧ユーゴ:強制はない。教科書での取扱いも学校行事での使用もなかった。
- アジア・アフリカ地区では、学校での教育を求めている事が多い。
- 米州・オセアニア各国での例
カナダ: 国旗も国歌も学校と特定の関係が見られ無い。
アメリカ:国旗が掲揚されるが儀式強制はない。国歌は学校と特定の関係が無い。
キューバ:国歌は学校での規定はない。
オーストラリア:国旗を政府が提供。掲揚も国歌も各学校に委ねられている。
ニュージーランド:学校のための統一された規準はない。
2)国歌を国民の慣習に任せ、政府が追認指示するのみで、正式の法律・勅令・大統領決定・最高議会決定で制定していないおもな国
- 大韓民国・インドネシア・タイ・イスラエル・エチオピア・エジプト・イギリス・オランダ・イタリア・スイス・デンマーク・ノールウエー・スエーデン・フィンランド・オーストリア・ハンガリー・ブルガリア・キューバ・ニュージーランド・旧チェコ・旧ルーマニア
(40ケ国中21ケ国:1975年調査を1985年修正)