PTA会長を辞めさせられた高橋さんに関する経過

7.17自由の風ネットワーク「交流会」報告資料より

 4/6(火) 入学式での高橋PTA会長の挨拶要旨

新入生のみなさん、入学おめでとうございます。
 私はこれから一年間、PTAの代表をやる事になり、みなさんと同じように、今出発点に立っている気持ちです。

 さて、PTAとは、この小学校に通うみなさんが、より楽しく、より幸せな学校生活を送れるようにするために、お母さん、お父さん方、先生、職員の方達と考えを出し合い、協力してがんばっていく集まりです。PTAとはみなさんのためのものだという事を覚えていてほしいと思います。

 私がみなさんに望む事があります。
 今、世界でも、この日本でも、色々なひどい出来事が起きています。みなさんも知っているように、イラクという国で戦争がありました。また、日本のすぐ近くの北朝鮮という国では、多くの人が食べ物が足りなくて困っています。多くの力の弱い子供達が、どうする事も出来ず苦しんでいます。みなさんと同じくらいの年で、小学校にも通う事が出来ない子供達が、世界中にはたくさんいます。

 みなさんは、これから大人になって行き、そのうち日本中、世界中でいろんな仕事をするようになるでしょう。みなさんの力で、悲しい事の少ない、幸せな世界を作っていってほしいと思います。
 そのためにはこれから小学校で、一生懸命勉強して、身体も強くして、何が正しく、何が悪い事なのかをよく見極める力を付けてほしいと思います。どうか 自分の頭でよく考え、自分で行動できる力を身に付けて下さい。

 保護者のみなさん、本日はおめでとうございます。
 おめでたい式典の席で、このような話をするのは憚られるかもしれませんが、最近教育の場に無視できない、行き過ぎと思える外部からの介入が起きつつあるため、お話したいと思います。
 
 それは、昨今、東京都の公立学校での卒業式などの式典が強権的なものに変わりつつある事です。
 東京都教育委員会が先月末、都立高校、障害児校計七十七校の教職員百七十六人を処分するという、異例の事件が起きました。 処分理由は、卒業式での「君が代」斉唱時の不起立や退席、式典会場への入場拒否、ピアノ伴奏を拒否したため、等です。

 「日の丸」「君が代」に関して、私はこのような都教委の強権的なやり方を支持できません。
 教育はこのような脅しや、個人の尊厳を無視した押し付けとは共存できるものではありません。私達は、例え「日の丸」「君が代」自体を認めるかどうかの立場の違いはあっても、自由であるべき教育の場を、強権的な規則の押し付けから守る事には共同すべきだと思います。

 このような押し付けから、本校が無縁である事、また、本校の子供達が将来に渡っても、内心の自由を傷つけられるような事態にならない事を心から願います。

 そして、入学式以降、高橋PTA会長の辞任に関する動きは以下の通りです。

  1. 入学式の挨拶内容を把握しているか。
    区教委:大体把握している。

  2. それは、何時誰からどの方法でか。
    区教委:花岡校長から、入学式当日か翌日に、直接会って口答で報告された。

  3. 挨拶内容をどう思うか。
    区教委:入学式のPTA会長挨拶としては不適当だった。国旗国歌と言う問題で、一方の側から意見を述べるのは適当でない。

  4. 校長は、「学校方針に反する発言は公の場ですべきではない。」「場にそぐわない。」と高橋さんに注意しているが、区教委はどう思うか。
    区教委:そう判断されたのならそうなのだろう。

  5. 4/9のPTA役員会で、条件は付せられたものの、役員全員が高橋さんともう一度続けて行こうとの合意に至った事は知っているか。
    区教委:知らない。

  6. その合意をふまえて高橋さんは同日に校長に辞意の撤回を伝えたが校長はそれを認めなかった。校長に認めない権限はないはずだが、どう思うか。
    区教委:権限はないが、アドバイスをした、という風に捉えているので問題ないと思う。

  7. さらに校長は、4/12に「学校評議員会」があるのでそこに出席してから判断する
    ように求めた。この姿勢をどう思うか。
    区教委:色んな意見を聞くべきだとアドバイスしたわけで、特に問題ない。

  8.  4/12の学校評議員会について何点か聞きたい。
    • この評議員会が定例か、臨時に設定されたものか把握しているか。
      区教委:把握していない。

    • 事前に校長から開催について報告を受けているか。
      区教委:受けていない。

    • この時点では評議員でない高橋さんがどういう立場で出席依頼を受けたか把握しているか。
      区教委:把握していない。

    • この場である評議員が執拗に高橋さんの辞任を求めとことを把握しているか。
      区教委:把握していない。

    • その評議員は「一旦辞意を表明したのに撤回するのは男らしくない」「お子さんがいじめられるかもしれない、それも心配している。」と言っているが、承知しているか。
      区教委:していない。

    • 校長はこれらの発言を黙認している。区教委は評議員の発言についてどう思うか。
      区教委:どういう文脈の中で言われたかわからないので、1つ1つの発言についての意見は言えない。ただ、「お子さんがいじめられる」という事態はあってはならないと考えるので、校長にはそんな事がないように、とお願いしている。

    • それでも辞意の同意をしない高橋さんに、今度は教頭が「もし6名の役員が高橋さんと一緒に仕事ができないと言ったら辞めますか」と伝え、高橋さんが6月9日の役員会の事実からして仮定の話として受けとめ「そうなったら辞めるでしょう」と答えました。このことを承知しているか。
      区教委:新聞報道などでは承知している。ただ本当なのかどうかいぶかってはいる。

    • すると教頭は、別室にいた6名の役員を招き入れ、全員に高橋さんと一緒にできな
      いことを発言させました。このことをどう思うか。
      区教委:状況を確認していないので何とも答えられない。

    • 辞表を書くよう求めた校長に一旦は「自宅で書く」と伝えましたが、校長は「一身上の都合でいいから」とその場で書くことを求めた。どう思うか。
      区教委:一番簡単な方法をアドバイスしたのだと思う。

    • 既に、茫然自失となった高橋さんは、せめて内容だけでも「一身上」ではないように書かなければと考え、辞表を書くに至った。 しかし、宛名を書かなかったにも拘わらず、校長はそこに押印を求め回収した。その辞表の内容を承知か。
      区教委:承知していない。

    • 高橋さんは、役員まで動員して書かされた辞表を不本意と考え返還を希望している。
      区教委:持っていない。校長から提出を受けていない。

    • 評議員会が自立した組織であるPTAに対し内部干渉し、会長の辞意を求めたことを、教育委員会はどのように考えるか。
      区教委:内部干渉とは思っていない。

  9. 私たちは、6月21日に、校長と教頭に話し合いを求め、文書での返事をお願いしたが校長から突然暴力的な電話で連絡先の方に拒否の通告がなされた。教委はこの事実を把握していますか。
    区教委:知らないので何とも答えられない。

  10. 私たちは、校長、教頭は当事者として私たちとの話し合いに応ずる必要があると思うが、教委の意見はどうか。
    区教委:事実を確認していないので答えられない。

  11. 6月30日に配布された『PTAニュース』を把握しているか。
    区教委:していない。

  12. このニュースで校長は再び一方的に高橋さんを愚弄し事実を歪曲して、再三高橋さんを傷つけている。校長の指導を教委にお願いしたい。
    区教委:事実を確認していないので指導は出来ない。

  13. 高橋さんは、深く傷つきつらい日々を送らざるを得ないでいる。校長を指導する立場の教委として、高橋さんに謝罪してほしい。
    区教委:傷ついたと言う事であれば、それは本意ではない。しかし謝罪は出来ない。

高橋 聡(ピアノ)プロフィール

東京生まれ。幼少よりピアノを習う。
ジャズ研究会に所属していた武蔵野美術大学在学中より新宿「J」などのライブ・ハウスでの演奏活動を開始。
新宿のライブ・ハウス「ピット・イン」にピック・アップ・メンバーで出演。
'97より阿佐ヶ谷のライブ・ハウス「マンハッタン」でジャム・セッションのハウス・ピアニストを務める。
また同ライブ・ハウスの主催するジャズ・スクールでピアノ講師を務める。
玄人受けする渋いピアノのタッチである。優れた伴奏者として多くのボーカリストほか楽器奏者からの評価が高い。また、一本筋の通った独特な美意識から産み出される端正なピアニズム、様々な自作曲、編曲は多くの人の心を捉える。
自己の率いる7人編成楽団「NEXT GENERATION JAZZ」、自己のカルテット、トリオ等で都内近郊のライブスポットで活躍中。


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