夢の憲法前文をつくろう

 中央公論という雑誌があります。中央公論新社発行の月刊誌。
 そこで、2001年10月号から「夢の憲法前文をつくろう」という、読者参加型企画が始まりました。発案は、編集者の大塚英志氏。成城大学法学部教授の棟居快行氏が協力。
 本サイトはこの企画に賛同してご紹介させていただきました。
日本国憲法前文:英文
comcomの試訳
comcomの試案

・・・・リンク・・・・

池澤夏樹さんのコラム「憲法前文」
池澤夏樹さんの
  「私訳・日本国憲法前文」

 この企画は、2002年、5月号で本誌の企画が終了いたしましたが、寄せられた投稿を含めて角川書店から『私たちが書く憲法前文』→として2002年8月、刊行されました。

 さらに、角川書店としても改めて「あなたの憲法前文」を募集していました。以下、募集要項です。
締め切られました。

角川書店では、
あなたの書いた「日本国憲法前文」を
募集します。

 あなたも自分のことばで「日本国憲法前文」を書いてみませんか。私たち角川書店では、皆さんから新しい憲法前文を募集します。

■募集内容
 原稿の分量は800字以内。応募資格は問いません。表現形式は自由。ただし、特定の個人を攻撃するものは不可。
応募原稿には必ず氏名、年齢、性別、電話番号、職業を明記してください。(ペンネームでの応募はお受けできません)
 投稿原稿の返却はいたしません。
 優秀作は角川書店より刊行される単行本に掲載されることがあります。単行本掲載時には角川書店規定の原稿料をお払いいたします。

■宛先
〒102-8078 東京都千代田区富士見2-13-3
(株)角川書店 アニメ・コミック事業部
 「私たちが書く憲法前文」
(Eメールで投稿される場合は
http://www.kadokawareaders.com/ にアクセスしてください。)

■締め切り
 平成14年12月31日。(消印有効)

■その他
 投稿原稿の採否に関するお問合せ等はお受けできません。
 高校、大学などのクラス、ゼミ単位、あるいはグループでの応募も可能です。その場合は各作品ごとに氏名、年齢、性別を明記してください。住所、及び電話番号は代表者のみでも可。


『私たちが書く憲法前文』
編・監修 大塚英志
発行:角川書店
14歳から88歳まで126人が書き綴った
理想の「日本」

解説:
ぼくたちの公共のことばとしての
 「憲法前文」:大塚英志

2002年8月1日
301ページ
本体1300円


『中央公論』誌での内容を掲載します。
 大塚氏の10月号掲載の呼びかけから一部を転載させていただきます。(一部改行変更・太字:転載者)

 「自分のことば」で話す政治家を皆が同じ言い回しで支持するのではなく、自分の政治的な立場や考えを有権者一人 一人が「自分のことば」で話すことで初めて選挙で選ばれた政治家たちは官僚の「作文」ではなくて、ぼくたち有権者の意志をことばとして語れるのではないでしょうか。
 政治家たちのことばを作るのはぼくたちであるべきです。


 
「憲法を自分たちで書く」という形式が一番「公の場にむけた自分のことばを取り戻す」という目的にふさわしいのではないか、というのがぼくたちの結論でした。
 なぜなら「憲法」こそがぼくたちすべてが共有すべき「公共の ことば」であるからです。
 「憲法前文」はこの国に住むいかなる人々がいかなる理念を共有し、未来を形作っていくべきかを述べてある部分です。つまりこの国に様々な経緯を持って住むにいたったすべての人々に、「公」のものとし て共有されるための「ことば」をそれぞれが「自分のことば」で表現してみることをぼくたちはあえて提案したいのです。

 応募規定を下記に転載します。締め切られました。

●あなたの「夢の憲法前文」を募集します
 この読者投稿企画「夢の憲法前文をつくろう」は、大塚英志氏の協力を得て憲法に対する多様な立場を尊重しながら掲載の採否を決定します。また、本企画は棟居快行先生(成城大学教授・憲法学)のご意見もうかがいます。
 私どもは、日本国憲法前文を自分のことばで書き直した原稿をお待ちしています。なお、現在の日本国憲法前文を氏支持する(積極的ないし消極的)理由をお送り下さっても結構です。

『中央公論』編集部

1 投稿要領

  1. 原稿の分量は800字以内。
  2. 原則実名掲載。年齢・性別・職業・住所・電話番号も明記。
  3. 採用原稿の著作権は小社に属するものとします。
  4. 採用原稿は、全文掲載か一部引用掲載します。
  5. この企画をもとに書籍を刊行する場合、掲載原稿の著作権は執筆者に属するものとします。
    印税は掲載人数で割った額。
  6. Eメールでの投稿は認めません。
  7. 採用原稿に対する謝礼は図書券。
  8. 投稿原稿採否についてのご返事はいたしません。
  9. 原稿は返却いたしません。
  10. 投稿原稿はこれから数回に分けて順次掲載する予定です。締め切りは特に設けません。

2 編集部と読者の約束事

  1. 原稿の中で特定の個人を攻撃しないこと。また、本企画で掲載された投稿原稿に関しても、投稿者の個人攻撃をしてはならないものとします。
  2. この企画では公式ホームページを作成しませんが、読者がこの企画について自由にホームページをつくることは歓迎します。

以上

目次一覧
■中央公論2001年10月号■
『誰が「新しい日本国憲法」を書くのか』大塚英志

「自分のことば」と「公共のことば」
誰が条文を書くのか
「理想」を再構築しよう
「公論」の場をお約束します

対談『彼らの言葉ではなく自分の言葉で書こう

「純ちゃんに奪われた私」恢復大作戦』
 大塚英志・棟居快行
「癒し」としての憲法
スーパー庶民のための首相公選制
右も左も「私探し」
文学化する政治
リハビリとして前文を書こう


■中央公論2001年12月号■
『若々しい理想主義に思う』(池澤夏樹氏訳 日本国憲法前文含む)
 池澤夏樹

『「和」」の精神との合致』(ハロラン芙美子氏訳 日本国憲法前文含む)
 ハロラン芙美子

『国際社会への責任』(R・エルドリッヂ訳 日本国憲法前文含む)
 R・エルドリッヂ

『なぜいま「憲法前文」を語らなくてはならないか-戦争とテロ対策法をめぐって』
 大塚英志

テロ対策特措法と憲法前文
唐突な賛美
なし崩しの「引用」
憲法の原文は英語だった
「悪文」に秘められた思い

対談:大塚英志 vs 棟居快行

若い子たちに芽生えた護憲
「新約」日本国憲法へ

『日米「翻訳戦争」の内幕』ベアテ・シロタ・ゴードン
 構成:平岡磨紀子

一字一句対応させて
「男女平等」をめぐる攻防

『タテマエ前文にツッコミを入れまっせ』松本道弘

コラム:「日本国憲法を英文で読む」(その1)和田秀樹
コラム:「日本国憲法を英文で読む」(その2)リービ英雄


■中央公論2002年1月号■
『夢の憲法「三原則」のススメ-すべての応募作を拝見して』大塚英志

マッカーサーの三原則に学ぶ
「弱者」への視線、「他者」への視線
天皇制と主権

「大塚英志氏が選ぶ」:読者投稿作3点
「棟居快行氏が選ぶ」:読者投稿作6点


■中央公論2002年2月号■

優秀作3点

『総評●「私たち」とは何者か』
大塚英志


■中央公論2002年3月号■
「上野千鶴子氏が選ぶ」
:読者投稿作3点

「櫻田淳氏が選ぶ」:読者投稿作3点

総評座談会
上野千鶴子・大塚英志・櫻田淳
『「戦後」を問うた90年代は読者の意識を変えたか』

投稿者の思想傾向を露わにする
戦後平和教育の成果か弊害か
保守の言葉は若者に届いているか
サブカルチャー的国家観
ソコソコ主義の時代へ
「夢の憲法前文」甲子園をやろう

コラム:琉球共和社会憲法前文


■中央公論2002年5月号■
「大塚英志氏が選ぶ」
:読者投稿作3点

「棟居快行氏が選ぶ」:読者投稿作3点

「西尾幹二氏が選ぶ」:読者投稿作2点

『私も「新しい日本国憲法前文」を書きました』
 西尾幹二氏
 山折哲雄氏
 島さとし氏

座談会『「日本列島人憲法」は平和憲法を超えるか』
 大塚英志・西尾幹二・山折哲雄

「カミ」の国の憲法
「列島人」の形成過程
テロを前にどんな言葉を語りうるか
犠牲の精神と尚武の気風
「和魂探し」の時代

『これからの「憲法論」のために』
 『寡黙な憲法と雄弁な社会を』
山崎正和

言論の間接民主制
憲法とか何であるか
開かれた言葉のある社会へ

 『象徴天皇制と平和教育の狭間で』笠原英彦

十七条憲法、律令、明治憲法、そして
前文で日本の「顔」を示そう

 『論壇は「公論」を語る場たいるるか』大塚英志

語り始めた読者たち
「個際」的関係を紡ごう

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