平成16年(ワ)第6919号
原告 北沢 洋子
被告 国

準備書面(6)-補足-
日本はイラクのための何をなすべきか
− 2005年の世界は日本の平和憲法が主流派になっている −

2005年7月11日

東京地方裁判所 民事第18部合議2係 御中

原告 北沢 洋子
原告訴訟代理人弁護士  内田雅敏ほか

 7月7日、現地時間の朝9時前後に、ロンドンの地下鉄やバス4ヵ所で同時多発テロが発生しました。犠牲者の数は死者40人を超え、700人あまりの重軽傷者を出しました。
これは、その前日から英国のブレア首相が議長となってスコットランドのグレンイーグルスでG8首脳によるサミットが開かれていたことに焦点を合わせたテロ事件であると推測されます。とくに英国が米国と共同してイラク戦争を起こしたためだとも思われます。

ブッシュ大統領によれば、イラクを攻撃し、フセイン政権を倒したならば、テロリストは根絶やしになるはずでした。しかし、バグダッドが陥落した1年後の2004年3月11日には、スペインのマドリッド駅で爆弾テロが起こりました。そして、今回のロンドンの同時多発テロが起こりました。
またイラク情勢も、2004年6月末に米占領軍からイラク人に主権が委譲され、また1月の総選挙によって、イラク人のよる移行政権が誕生したにもかかわらず、かえって武装抵抗活動は活発化しています。
2005年6月11日付けの米紙『ニューヨークタイムズ』によれば、米軍の掃討作戦によって月間1,000〜3,000人のゲリラ容疑者を逮捕、または殲滅しているにもかかわらず、武装抵抗闘争の攻撃は、今年2月までは1日平均30〜40件であったのが、4月以降には1日当り少なくとも70件に急増している、と報道しております。また同紙6月23日付けの報道によると、米CIAのポーター・ゴス長官が「イラクはテロリストのラボラトリー(実験場、訓練場)になっている」と米議会で証言し田と述べております。

イラク情勢や、スペイン、英国で起こった爆弾事件は、イラク戦争に代表されるテロを軍事的に封じ込めることは不可能であり、誤りであるということを明らかにしました。
そして、取り組まねばならないことは、テロが起こる原因を取り除くことが、遠回りのように見えるけれども、逆に近道であることに気がついたのでした。そして、テロの原因とは、世界大に広がっている格差、13億人にのぼる絶対的貧困です。これを根絶すること、それは日本の憲法の前文にある「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免がれ、平和のうちに生存する権利」を人類の最大の課題として、実現することなのです。世界は多くの犠牲を払った後、今、やっと半世紀前に書かれた日本の憲法に近づいたのです。私たちは、日本の憲法を誇りに思うべきです。

2005年1月30日、スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムで、英国のブレア首相、ロックアーチストのボノ、マイクロソフト社のビル・ゲイツ会長の3人が共同で記者会見をいたしました。ここで、彼らは「アフリカの貧困を根絶しよう」と世界に呼びかけました。イラク戦争を始めたブレア首相、世界一の金持ちのゲイツ氏、ロックスターのボノ氏という人たちはなぜ、今年になって「貧困根絶」を語りはじめたのでしょうか。
それは、テロは軍事的に封じ込めることが出来ないことを悟り、その根源である貧困という不正義をなくすことに取り組むべきだと考えたからです。
そして、7月6〜8日、英国のグレンイーグルスで開かれたG8サミットのテーマは、それでのように、イラク戦争でも、テロでもありませんでした。それはアフリカの貧困と地球温暖化の2大テーマでした。その第1歩として、重債務貧困国18カ国の多国間債務の100%帳消しに合意したのでした。さらに、8人の首脳たちは、アフリカに対するODAを2倍に増やすことにも同意いたしました。   
これで明らかなことは、G8首脳たちは、今、貧困根絶、すなわち、日本の憲法の「平和的生存権」を全世界の人びとに保証することを最大の課題にすることを公約しているということです。
私は、自衛隊のイラクへの派兵が日本国憲法に違反しているとして、訴えている私が正しいということをここで強く主張いたします。イラクから自衛隊は即刻撤退すべきです。

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イラク派兵違憲訴訟の会・東京
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