平成16年(ワ)第7583号 違憲行為等差止及び損害賠償請求事件
原 告  竹 岡  健 治
被 告  国

準備書面(4)の補充
−原告の個別的被害−

2005年1月20日

東京地方裁判所   民事第14部 御中

原告訴訟人
竹岡健治

原告竹岡健治は次のような被害を受けている

  1.  私の住居は横浜市栄区にある。栄区の近くには、米海軍の横須賀基地がある。また、米空軍の厚木基地もある。ブッシュ米政権によるイラク侵略のための軍がこの基地からも出撃していることは周知の事実である。このことから、アメリカ軍に抵抗する人物が、これらの基地に攻撃をかけてくる可能性があることが、想定される。小泉政権によるイラク侵略戦争への支持そして米軍への支援としての自衛隊のイラク派兵は、この可能性がさらに増したことを意味する。また、昨年、沖縄において、米軍基地を飛び立った戦闘機が整備不良の原因で、市街地にある大学の構内に墜落し、危うく多くの人命を奪うところであった。整備不良の原因は、イラクへの攻撃を急いだことが主要因だと伝わっている。これと同様なことが原告竹岡に降りかかってくる可能性も大である。これらのことにより、平穏な日々を過ごしていた原告竹岡にとって、日々不安な心理状況で過ごさなければならなくなったことは、耐え難いことである。
     原告竹岡には、0歳と2歳の孫がいる。とても可愛い時期であり、何度でも会いたいと思うのは、誰しも考えることである。ところが、上述したように、米軍基地の攻撃の不安にある今、原告の自宅で会うことに躊躇することが頻繁にある。この点も、耐え難い精神的苦痛である。 
     また、米軍の横須賀基地を母港としている航空母艦には、核兵器搭載疑惑がたびたび浮上している。もし、この艦艇が攻撃され、この核兵器が破壊された時、想像もつかない被害を原告竹岡を含め、被るであろう。勿論、原告の子どもそして孫にも被害は及ぶことが充分に考えられる。これから長く生きて、自分の人生を全う出来ることが、失われることは、考えたくもないことだが、理不尽なこのイラク侵略に伴う日本政府の行為により、この可能性を否定することが出来なくなった。大変な苦痛である。

  2.  終戦から60年経つ「第2次世界大戦」では、人類の歴史上、未曽有の惨禍があり、その反省から人類は、戦争による惨禍をなくすため、様々な施策を行った。その一つとして、日本においては、不戦の誓いとして、第9条で規定している戦争放棄および戦力不保持にみられる平和憲法を制定するに至った。現在、これは多くの世界の人々そして国々から高評価をえている。この制定による恩恵は計り知れない。その一つとして、昨年まで、日本は戦争により、一人も殺さずそして殺されない時を経ることが出来た。しかし、イラクへの自衛隊派兵により、ついに有為な人生を送る権利を持っていた青年「香田」さんが、無惨にも命を絶たれた。戦争に関与したこと(自衛隊派兵)による初めての犠牲者と言える。原告竹岡は、長く小学校教員として、児童に教えそして触れあってきた。その中で、「自分の命と同じように他の人の命もかけがえのないものである」と伝え、児童もそのことについては十分理解していると思われる。さらに、平和憲法の意味を児童なりにとらえていたし、誇りに思っていた。これらが、このイラクへの自衛隊派兵により、崩されそうになっていると言える。極めて残念であり、原告竹岡が関係した児童たちの純な思いにも反し、それを思うと苦痛にさいなまれる。完全に崩される前に、早くこの理不尽さは修正すべきである。すなわち、憲法違反のイラク派兵は直ちに撤退すべきである。

以上

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イラク派兵違憲訴訟の会・東京
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