平成16年(ワ)第10460号 違憲行為差止等請求事件
原 告  鈴 村 元 一
被 告  国

陳 述 書

平成16年7月23日

東京地方裁判所民事15部合A係 御中

一、
原告は今回の「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法」(以下「イラク特措法」という)による自衛隊をイラクおよびその周辺地域並びに周辺海域に派遣することは、侵略への加担、戦争犯罪の共犯者を意味して、人間として耐えがたいと感じています。
イラク戦争でブッシュ政権の行った政策・軍事行動は、現代社会と平和社会を志向する人類への挑戦であり、「21世紀の蛮行」として歴史的に汚点を残す行為と考えています。断じて、アメリカの防衛戦争や復讐戦争などではありません。故に,自衛隊の参加を「集団的自衛権」として批判することも、問題を正視しない間違いだと思っています。
イラク戦争の問題点を概観して整理してみました。

  1. 情報操作による大義なき開戦により主権国家に内政干渉し、ついには武力により国家転覆を行い占領した。
  2. 国連中心主義の世界機構を破壊した。
  3. 「先制攻撃理論」を実践して平和社会秩序と近代平和論理を破壊した。
  4. ピンポイント爆撃と称して「綺麗な正義の戦争」を偽装し演出した。
    この欺瞞に満ちた空爆行為によってイラク民衆の生命をも含む生活の全てを破壊し、更に、占領・駐留によって貴重な世界的文化遺産の破壊と散逸の重罪を犯した。
  5. .民衆の解放を謳いながら、実際は、民族的・宗教的な歴史の特殊性に対して何ら配慮せずナショナリズムの誇りを破壊した。
  6. 利権の為に破壊し、利権の為の復興計画を実施している。

以上のような点について詳しく準備書面と書証・人証をもって立証しますが、どの事象を検討しても、正義、人道のカケラさえも見当たりません。
アメリカの政策・軍事行動が如何なるものかが証明されることによって、原告の精神的苦痛と「差し止め」請求の本意を理解してもらえると信じています。

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二、
 そもそも原告は、自衛隊自身が違憲の存在であると考えています。その自衛隊が今回、「イラク特措法」「自衛隊法」または「国際法」にさえ違反していることも主張立証したいと考えています。
しかし、なんと言っても国是である「憲法」に背いて自衛隊が戦場に赴き、侵略に加担していることが原告にとって全人格を否定される重大事件なのです。
判例に曰く、「司法権が発動するためには具体的な争訟事件が提起されることを必要とする」また、「その場合であっても、下位の法律で事件解決が可能のときは、憲法判断をしない」とも判示されていることは承知しています。
それでも原告は、違憲確認を訴えます。原告の生活は日本国憲法を信頼することによって価値観と行動指針の基としてきました。将来の生活展望や希望も信頼できる平和憲法の占める比重は絶大です。是非とも自衛隊のイラク派遣は違憲であるとの確認をお願いいたします。
原告の現在の生活心境は、未来に対する不安と危機感でいっぱいです。

三、
原告の具体的な精神的被害性と権利侵害については、憲法に保障された「平和的生存権」「納税者基本権」が侵害されたことを立証します。これらの権利については過去において、東京地裁で三回の判決を受け、鹿児島,大阪、名古屋地裁の判決言い渡しも傍聴しました。しかし、いずれの判決も到底納得できるものではありませんでした。
 そこで今回,「平和的生存権」については、如何に裁判規範性のある権利であるかを述べると共に、<特殊な権利としての審理ル−ル>をも探求しつつ、主張立証したいと考えています。
「納税者基本権」については、T歳入歳出分離論Uが如何に空疎な<法論のための法論>であるか具体例を挙げて、その非社会性、日常における公序良俗を崩す法解釈であることを主張立証します。
最後に現在における憲法81条の「違憲審査制度」の時代錯誤と誤りについて主張立証したいと考えています。
国民に選出される立法府に対して、司法府が「尊敬と謙譲」の心をもって臨む司法の消極主義に一理無しとはしませんが、現代社会に於いては最も改善されるべき弊害多き法理論だと考えています。
政治的裁量と司法的判断の関係、統治行為論、「明白の原則」の諸問題、憲法回避の7つのル−ル等々、法律の素人ではありますが、有権者の一人として真.摯に弁論に取組む所存です。

以上でお解りいただけたと思いますが、一生懸命に準備書面を書きます、書証・人証も準備します。既に人証で了解を得た人物もいます。証拠調べをも含む公正なる訴訟指揮を信じています。

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イラク派兵違憲訴訟の会・東京
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