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花岡光明・竹山弘志両氏に対する東京弁護士会による警告文

花岡光明殿^
竹山弘志殿

東弁人第168号
2006(平成18)年2月28日
東京弁護士会
会長 柳瀬康治

人権救済申立事件について(警告)

 当会は、申立人高橋聡氏からの人権救済申立事件について、当会人権擁護委員会の調査の結果、貴殿らに対し、下記の通り警告します。

一. 警告の趣旨

 貴殿らが、申立人による2004(平成16)年4月6日の東京都中野区立桃園第二小学校の入学式におけるPTA会長挨拶に端を発して申立人に対してなした行為は、申立人の自己決定権を侵害し、また、意見表明の自由を侵害するものですので、今後二度とこのような人権侵害行為に及ぶことのないよう警告いたします。

二. 警告の理由

  1. 当会の調査によりますと、貴殿らは、2004(平成16)年4月6日当時、東京都中野区立桃園第二小学校(以下「本件学校」といいます。)の校長、教頭の職にあったところ、同日に開催された同校の入学式におけるPTA会長挨拶として申立人が、都内の学校の卒業式における君が代斉唱時の不起立を理由とした東京都教育委員会による教職員の大量処分問題に触れ、「このような押しつけから本校が無縁であること、また、本校の子供たちが将来に亘っても内心の自由を傷つけられるような事態にならないことを心から願います」等と述べたことを問題視し、PTA会長職を続ける意志を有していた申立人を、同月12日に学校評議員会に呼び出し、竹山殿においては「他の役員が一緒にやっていけないと言ったら辞めますか」等と発言して学校評議員らと共に申立人に対してPTA会長職を辞するよう迫り、さらに花岡殿においては同会議の場で申立人に辞表を作成するよう迫って辞表を書かせたことが認められます。

  2. PTAは、家庭、学校及び社会における児童青少年の福祉を増進すること等を目的とした団体であり、その目的に照らした性質上、活動の独立性が尊重されなければなりません。また学校評議員会は、学校評議員による情報や意見の交換の場であって、もとよりPTA人事に関するいかなる権限も有しておりません。
     しかるに貴殿らは、自主独立であるべき本件学校のPTA人事に関し、学校評議員会の場で学校評議員らと共に申立人に対して辞任を迫るという形で介入し、最終的に申立人に対し会長職の辞表までを書かせるに至ったものであります。
     当時本件学校の校長と教頭の立場にあった貴殿らによるかかる行為は、自主独立であるべきPTA 会長職を辞するか否かに関する申立人の意志決定の自由を奪うものであり、憲法13条の保障する申立人の自己決定権を侵害するものです。
     しかも貴殿らが上記のような行為に出た端緒は、申立人が東京都教育委員会による教職員への処分を背景にした日の丸掲揚及び君が代斉唱の実施につき入学式で批判的意見を述べたことにあるといえます。
     とすると、貴殿らの上記の所為は、多様な意見のあり得る日の丸掲揚・君が代斉唱問題についての申立人の意見表明に対する事実上の事後的な圧力であり、憲法21条1項の保障する申立人の意見表明の自由をも侵害するものといわざるを得ません。

三. 以上の次第であり、貴殿らにおかれましては、頭書の通り、二度と本件の如き権利侵害に及ぶことのないよう警告いたします

以上

高橋注:花岡・竹山両氏が桃園第二小の校長、教頭の職にあったのは2004年当時であり、2006年4/12現在は花岡氏は中野区立野方小校長、竹山氏は大島町立波浮小学校長に在職です。)

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