原宿大規模留置場建設問題事実経過・関連都知事発言他
(黒保と金さんによる 2002.07.02修正)
下記については、情報公開の手続きを経て
取得した書類を送っていただき、掲載しました
7財管総第372号>>>
渋総財発第102号>>>
7財管総第391号>>>
13財総第323号>>>
この資料を作成する際に二つのホームページを参考にさせていただきました。
★原宿大規模留置場建設構想 反対区民の会
★東京都渋谷区小中PTA連合会
原宿大規模留置場構想が挙がっている
旧日本社会事業大学跡地に関する経緯について
(以下リンク先は、東京都・東京都議会のサイトと、反対区民の会サイトです)
「昭和」60年(1985)
・日本社会事業大学清瀬市移転決定
渋谷区は、国に対し公園としてのオープンスペース、災害時の一時避難場所確保を目的として跡地取得を要望する。
地域住民も、渋谷区に対し緑地公園、防災上のオープンスペースとして区が取得してほしい旨を要望する。
「平成」7年(1995)
・東京都が防災施設として整備する方向で取得し、渋谷区・地域住民と調整に入る。
日本社会事業大学跡地(約25000m2)に都市災害救助隊(約8000m2)、災害初動要員宿舎(約14000m2)、原宿警察署(約3000m2)の利用計画を発表。
「平成」8年(1996)1月
・東京都財務局長から神宮前地区町会連合会会長、原宿地区商店連合会会長へ文書が送達される。
「7財総第372号平成8年1月24日:
日本社会事業大学跡地取得に関する地元との調整について」
7財管総第372号
平成8年1月 日神宮前町会連合会
会長 五月女 進一 殿
原宿地区商店会連合会
会長 石澤 忠邦 殿東京都財務局長
西念 晃司日本社会事業大学跡地の取得に係る地元等との調整について
東京都が平成7年度中に取得を予定している本件土地については、今後、利用計画策定にあたり、渋谷区及び区が集約した地元住民等の意見・要望について、可能な限り取り入れるように誠意を持って対応してまいります。
渋総財発第102号
平成8年2月6日東京都財務局長
西念 晃司 殿東京都渋谷区長 小倉 基
日本社会事業大学跡地の利用計画について
当該地を取得したい旨の打診が、去る11月13日に正式にありましたが、地元要望等を踏まえ下記の通り要請します。
記
- 緑のオープンスペースとして樹木については残す。
- 災害時に一時避難場所として活用できるオープンスペースを確保し、施設配置に配慮する。
- 区立外苑中学校等近隣施設の環境に配慮した施設配置とし、商業地域の賑わいにも配慮する。
- 災害時の避難通路を確保する。
- 区がまとめる地元要望について、都の実施計画に反映させる。
- 今後区が都と折衝するに際し、区のオブザーバーとして「神宮前社事大跡地協議会」を地元代表として参加させる。
なお、以上の要望事項については誠意をもって実行するとともに、実施関係局に引き継ぐ。
7財管総第391号
平成8年2月6日渋谷区長 小倉 基 殿
東京都財務局長
西念 晃司日本社会事業大学跡地の利用計画について(回答)
平成8年2月6日付、渋総財発第102号により要請のあったこのことについては、下記のとおりです。
記
東京都が平成7年度中に取得を予定している本件土地については、今後、利用計画策定にあたり、渋谷区及び区が集約した地元住民等の意見・要望について、取り入れるよう関係局に伝えるとともに誠意を持って対応してまいります。
3月
・東京都議会定例会において、日本社会事情大学跡地取得可決(財政委員会速記第4号)
3月27日
・国と東京都との間で旧社会事業大学跡地の国有財産売買契約書が交わされる。(関財直5契第5206号)
その際に
- 「乙は、指定物件を売払申請書に添付した事業計画及び利用計画に定めるとおりの用途に自ら供さなければならない」(指定用途)
- 「乙は、指定物件について平成14年3月31日までに必要な工事を完了し、指定用途に供さなければならない」
- 「乙は、本契約締結の日から指定期日までに、甲の承認を得ないで指定物件を指定用途以外の用途に供してはならない」(指定期日)
- 「指定物件を指定期日の翌日から平成19年3月31日までの間指定用途に供さなければならない」(指定期間)
などの特約がつけられる。
また『敷地全体を「防災施設整備用地」として利用する。』とし(仮称)都市災害救助隊(約8500m2)、(仮称)災害対策後方支援センター(約10500m2)、原宿警察署(約3000m2)緑地(約3000m2)と書かれた日本社会事業大学跡地の利用計画(構想)が添付される。
変更後はこちら>>>
4月
・地元アンケート開始。
9月
・地元アンケートを渋谷区に提出
「平成」9年(1997)5月
・日本社会事業大学現地見学。東京都より跡地利用構想の資料配布。
7月
・警視庁災害警備訓練で特化車両などを見学、江戸川河川敷見学。
10月
・土地実測中に埋蔵物が発見され、東京都より当分の間プラン凍結との連絡を受ける。
12月
・第10機動隊(特殊車両隊市谷駐屯地)訓練見学
「平成」11年(1999)4月11日
・石原慎太郎氏が下記の公約を掲げて東京都知事に当選。
- 借金漬けの財政に→NO 都の資産を公開し、税の無駄遣いをなくします。
- 都が主導の債券市場に→YAS 中小企業、ベンチャーを育成し、景気回復・雇用増大に努めます。
- 命が守れない危機管理に→NO 24時間医療、防災ヘリなどを完備し、都民の生活と財産を守ります。
- 新しい道徳教育に→YAS 人が生きていく上で当然の心理を伝える教育を目指します。
- 福祉に立ちはだかる規制に→NO 民間活力を導入して、弱者に温かい社会をつくります。
- ごみの夜間収集に→YAS 過剰包装を廃し、分別収集を徹底します。
- 横田基地に→NO 基地の返還、民間との共同使用に努力します。
※上の文章は東京都知事選挙選挙公報による。
石原慎太郎氏の選挙公報の全文や他の候補者の選挙公報を見たい人は
東京都選挙管理委員会編集・発行
『平成11年4月執行 地方選挙の記録』を参照のこと。
「平成」12年(2000)5月26日
・都政モニターアンケート「東京と都政に関する関心」が実施される。
(アンケート期間は5月26日から6月12日まで。都政モニター500人を対象に郵送・回収。回収率は97.8%)
8月16日
・都政モニターアンケート「東京と都政に関する関心」が公表される。
※都政モニターアンケート「東京と都政に関する関心」はここ。>>>(東京都のサイト)
「平成」13年(2001)5月17日
・都政モニターアンケート「東京と都政に関する関心」が実施される。(アンケート期間は5月17日から5月31日まで。都政モニター500人を対象に郵便による調査票の送付・回収。回収率は95.0%)
6月
・「用途指定財産の指定用途、指定期日等の解除について(申請)」(13財財総第72号)が国(関東財務局)に対して出される。
その際に別紙として日本社会事業大学跡地利用計画(変更点)が出される。
(仮称)都市災害救助隊(約8500m2)、テナントビル(災害対策初動要員宿舎ほか)(約6900m2)、原宿警察署(約5600m2)通路+緑地(約3000m2)
変更前はこちら>>>
6月7日
・第209回国有財産関東地方審議会が行なわれこの中で「東京都に対して売払いした財産の用途指定を解除することについて」議論がなされる。
※第209回国有財産関東地方審議会の議事録はここ。>>>(PDFファイル。東京都のサイト)
6月29日
・定例記者会見で、都内の留置場の運営を一部民営化する方針を発表。
PFI方式を導入し、留置場を新設する意向。
※知事の定例記者会見の全文のアドレスはここ。>>>(東京都のサイト)
7月5日
・関東財務局が東京都の申請を承認する。(関財東統5第976号)
8月16日
・都政モニターアンケート「東京と都政に関する関心」が公表される。
※都政モニターアンケート「東京と都政に関する関心」はここ。>>>(東京都のサイト)
8月25日
・「都民生活に関する世論調査」が実施される。(調査期間は8月25日から9月9日まで。調査員による個別訪問面接聴取法で有効回収標本率は70.8% )
9月19日
・「平成」13年第3回都議会定例会知事所信表明。>>>(当サイト内)
※「平成」13年第3回都議会定例会知事所信表明の全文はここ。>>>(東京都のサイト)
9月27日
・石原都知事は三原將嗣氏(自民党)の質問に対し以下のように発言をする。
「民間活力の導入による留置所の整備でありますが、不法入国している外国人犯罪の著しい増加などから、留置所の増設が喫緊の課題となっておりますが、一方、政府の管轄の拘置所なり、刑務所が、非常にキャパシティーが満杯になりまして、足りなくなりまして、その割を留置場が、代用監獄というんでしょうか、食っているという現況でありますが、いずれにしろ、今後は、留置場の積極的な建設に当たっては、民間活力を積極的に活用し、財政負担を軽減するとともに、留置場不足の現況に照らして、かなり大規模なものを整備する必要があると思っております。
留置場を民間で整備することに法律上の特段の問題はありませんが、ただ、留置場の管理運営については、留置人の看守は警察官でなければならないという規定、これは国家公安委員会規則などもあります。これも、私は、絶対的なものじゃなくて、可変なものだと思いますけれども、いずれにしろ、公権力の行使に当たるような行為は民間委託になじまないと従来されておりました。しかしながら、施設の清掃や維持補修、その前の建設などについては、民間を活用することが可能であり、積極的に民間にゆだねて、コストも安く、早く、成就していきたいと思っております。
例えば、外国人の犯罪の容疑者を捕まえましても、尋問に通訳を使いますと、仄聞しますと、十五分間で二千五百円取られる。一時間尋問したら一万円でありまして、切りがない話でありますが、こういうところに商社のOBを、PFIの中で看守以外の職員として、スタッフとして配置するということで、商社マンとしての経験に照らして、スペイン語ならスペイン語、中国なら中国、得意な人が尋問のときに通訳をするというのは、私は、ただでできる話でありますから、先般も商社の責任者にその話をしましたら、簡単なことでありまして、喜んで協力いたしますということでありました。」
※このやり取りについての全文はここ。>>>(東京都議会のサイト)
9月29日
・旧社会事業大学跡地の一部(渋谷区神宮前1丁目4番)に財団法人東京都駐車場公社錦糸町支社が原宿駐車場開設。
(9:00〜24:00 10分ごとに100円、 0:00〜9:00 60分ごとに100円という時間制。収用台数94台)
※原宿駐車場についてはここ。>>>
10月10日
・日本経済新聞朝刊に
「原宿駅近くに大規模留置場 東京都が計画 一等地利用、地元から疑問も」という5段組の記事が出る。
10月22日
・「原宿大規模留置場建設構想反対 区民の会」設立。署名運動を開始する。
11月1日
・「原宿大規模留置場建設構想反対 区民の会」が東京都知事と東京都議会に請願書を提出。
請願署名数24675名。
11月2日
・定例記者会見で、原宿署の移転に伴い原宿に500〜600人の収用人数の大規模な留置場の建設計画を認める。(最も定員数が多い新宿署が101人。現在の原宿署の定員数は14人。)
※知事の定例記者会見の全文のアドレスはここ。>>>(東京都のサイト)
11月5日
・渋谷区選出の都議福島寿一氏(民主党)が石原都知事に対して「原宿地区大規模留置場建設構想の白紙撤回を求める要請文」を提出。
※「原宿地区大規模留置場建設構想の白紙撤回を求める要請文」の全文はここ。>>>
11月6日
・石原都知事が建設予定地の旧日本社会事業大学跡地を視察。
11月9日
・渋谷区臨時区議会が開催され、「日本社会事業大学跡地利用に関する意見書」を全会一致で議決。東京都に意見書を提出。
※「日本社会事業大学跡地利用に関する意見書」の全文はここ。>>>(当サイト内)
11月13日
・新宿区環境衛生協会連合会の席上、名誉会長の小野田隆新宿区長が以下の主旨の発言をする。
「新宿は怖い街だとの評判がたっていて困っている。この要因を作っているのは新宿での犯罪の7割を占めている「三国人」犯罪である。新宿警察署も努力しているが如何ともしがたい。今、警視庁が渋谷で大規模な留置場計画を進めているが、渋谷には内緒だけどぜひ進めていただきたい。」
※この発言の詳しい経緯と抗議活動の模様は「追い出せ!強のトリ」 情報交流広場Part2 の2001年11月17日の2763番投稿と2001年11月20日の2773番投稿を参照のこと。>>>(当サイト掲示板)
11月27日
・渋谷区議会で新宿区長の上に述べた発言について芦沢一明氏(民主党)からの質問を受けて小倉基渋谷区長は以下の発言をする。
「渋谷区及び地元住民の協定文書の経緯を知らないまま、的外れな発言をされ、きわめて残念であります。その際、新宿区長が三国人発言をされ、強い抗議も受けたと聞きましたが、もし、これが事実であるなら、留置場の件を含め、軽々しい発言であり、防犯政策論議とは、ほど遠い内容である」
※小倉区長の回答はここ。>>>(当サイト内)
11月29日
・東京の安全を考えるをテーマとした第2回「石原知事と議論をする会」が開かれる。
石原都知事の発言。>>>(当サイト内)
※第2回「石原知事と議論をする会」の議事録概要はここ。>>>(東京都のサイト)
全文を見たい人は都庁第1本庁舎3階北側の都民情報ルームで閲覧ができます。
11月30日
・知事本部が平成14年度の重要施策を発表。「政策課題3」災害と犯罪から都民を守り、都市の安全を確保する」中の重要施策9として「日本社会事業大学跡地の有効活用(留置場等の整備)」が含まれる。
12月4日
・「平成」13年第4回都議会定例会知事所信表明での都知事発言>>>(当サイト内)
※「平成」13年第4回都議会定例会知事所信表明の全文はここ。>>>(東京都のサイト)
12月10日
「原宿大規模留置場構想反対 区民の会」の総決起集会が開かれる。
12月11日
・石原都知事の渡辺康信氏(日本共産党)の質問に対する発言。>>>(当サイト内)
※このやり取りについての全文はここ。>>>(東京都議会のサイト)
【参考】野田健警視総監の和田宗春氏(民主党)に質問に対する発言>>>
12月11日
・都政モニターアンケート「防災対策について」が実施される。(アンケート期間は12月11日から12月26日まで。郵送による記述回答方式で回収率は75.0%)
「平成」14年(2002)1月24日
・東京都より、渋谷区長、渋谷区議会議長宛の書簡が提出される。
「13財財総 第323号:
日本社会事業大学跡地の利用計画に係る地元等との確認」
(地元では、都からの謝罪と受け止めている)
13財総第323号
平成14年2月 日(渋谷区長・渋谷区議会・神宮前町会連合会あて)
東京都財務局長
安樂 進日本社会事業大学跡地の利用計画に係る地元等との確認
東京都は、平成8年1月24日付7財管総第372号の本件土地利用計画に関して、その具現化に向けての検討を行っているところですが、一部報道が先行したこともあり、都の本意が地元に十分伝わらず、遺憾に思っております。その結果、地元の皆さんが大変心配する事態となっていることについては、都としても真摯に受け止め、今後の対応に遺漏なきを期してまいります。
本件土地の利用計画策定にあたっては、今後とも、区、区議会並びに区が集約した地元住民等の意見・要望について、可能な限り取り入れるよう誠意をもって対応してまいります。
2月1日
・都政モニターアンケート「防災対策について」がプレスリリースされる。
※都政モニターアンケート「防災対策について」はここ。>>>(当サイト内)
2月13日
・伊藤毅志渋谷区議会議長より「日本社会事業大学跡地の利用計画に関する地元等の確認」に対する渋谷区議会の見解が出される。
2月14日
・平成14年東京都予算案の概要の発表があり、主要事業としてPFI的手法による新留置場の検討「日本社会事業大学跡地の有効活用」(財務局計上)として1億5000万円の予算がつく。
※平成14年主要事業の資料はここ。>>>(東京都のサイト、PDFファイル)
2月14日
・東京都議会財政委員会で「原宿大規模留置場建設構想に関する請願」及び「原宿地区大規模留置場建設構想の白紙撤回に関する請願」の審議がされ、その結果保留になる。
※この審議の模様はここ。>>>(東京都議会のサイト)
※「原宿地区大規模留置場建設構想の白紙撤回に関する請願」の全文はここ。>>>(反対区民の会サイト)
2月15日
・「原宿大規模留置場建設構想反対 区民の会」第1回報告会開催。
2月20日
・「平成」14年第1回都議会定例会知事施策方針での都知事発言>>>(当サイト内)
※「平成」14年第1回都議会定例会知事施策方針の全文はここ。>>>(東京都のサイト)
2月26日
・石原都知事の田中良氏(民主党)の質問に対する発言。>>>(当サイト内)
※このやり取りについての全文はここ。>>>(東京都議会のサイト)
3月14日
・石原都知事の東京都予算特別委員会の総括質疑の中で、矢部一氏(自民党)の質問に対する発言。>>>(当サイト内)
【参考】野田健警視総監の矢部一氏(自民党)の質問に対する発言。>>>(当サイト内)
※このやり取りについての全文はここ。>>>(東京都議会のサイト)