平権懇 緊急研究会
「武力攻撃事態法案」を読み解く



ま え が き

 四月十七日、有事三法案が国会に上程されました。
 戦争開始、戦争実施、国民の戦争動員にかかわる法案です。これらの法案は、一九七七年以来の懸案事項をついに実現させようとするたくらみであるとともに、とりわけ武力攻撃事態法案は、9・11以後の「新しい戦争」事態に対応できる個別法をも視野に入れた、基本法的な性格も持っています。

 私たち「平和に生きる権利の確立をめざす懇談会(平権懇)」は、まずこれらの法案をきちんと読み解くことが必要だと考え、緊急の学習会を開催しました。

 第一回は、武力攻撃事態法案と安全保障会議設置法改正案の分析です。
 報告者・松尾高志氏はジャーナリスト・軍事評論家、平権懇運営委員の一人。自衛隊法、新ガイドライン等を深く読み取り、政府・自衛隊の動きかたに即して有事法案を分析します。学習会は四月二十四日に行われました。

 次は、五月九日に行われた、第二回目の平権懇緊急学習会における西沢優氏の報告を、当日の討論、および防衛庁文書を参考にして加筆したものです。防衛庁文書とは、今回の自衛隊法・防衛庁職員給与他改正案の「概要について」という四月付(日付なし)の文書で、防衛庁ホームページで公開されています。この文書には法案にない「野戦病院」「戦死者」などの用語が使われており、法改正のポイントを的確に把握する助けとなります。

 また、四月一六日付の「国家の緊急事態への対処態勢に関する首相談話」
(官邸サイト>>>は、有事関連三法案と併せて閣議決定されたものであり、ここに小泉内閣のたくらむ有事法制の全体像の輪郭を見ることができます。

 私たちがお届けするこの二つの報告が、有事法制に反対する運動に寄与することを切に希望しております。

(大内要三)

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